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Challenge

自分のやりたい仕事を
社内で見つける!

本業以外の仕事にチャレンジする、
社内副業を活用する人々【第2話】

Akima Miho

秋間 美緒さん

リコー 開発部門

社内副業制度とは、勤務時間の一部(20%以内)を使って、社内でやってみたい仕事やテーマ、活動にチャレンジできる仕組みのこと。社員自身のキャリアアップにつなげ、若手社員の自己成長やベテラン社員の貢献領域の拡大等により、社員にとっても会社にとってもいきいきと成長につながる状態を実現することを目的としている。

チャレンジしたかった新規領域に。キャリア広げる「複業」

秋間さんが本業にしている仕事は?

インクジェットプリンター用のインク開発設計を担当してます。

社内副業制度では、どのようなことをなさっていますか。

事業創造を行う部門で用途探索や事業企画の制作に当たっています。研究部門で開発中の「スマートグラス」というデバイスの用途探索のためのヒアリング、事業化のための企画書制作のお手伝いをさせて頂いております。

副業で手を挙げた事業企画には、以前から興味があったのですか?

はい。もともと技術系の大学を出ていたのもあり、まずは開発職に就いて、ものづくりの現場を知ってからマーケティングや企画の仕事に携わりたいと考えていました。様々な世界を広げたいという思いから、外部含めてもっと幅広く関われるところで頑張りたい気持ちはあったのですが......本業の仕事と並行して携わることは難しいだろうと感じてました。 ただ、何もしなければ状況は変わらないと考え、何かしらの足がかりを作りたいと思っていたところに、社内副業制度が始まりました。

秋間 美緒さん (リコー 開発部門)

スマートグラスの企画開発やテーマアップに邁進

そこから、どのように制度を利用していったのでしょう。

副業制度が始まった頃、上司に「副業制度という、やってみたいことに挑戦できる制度があるよ」と声をかけていただきました。そこで元々興味があった「マーケティング・企画」部署で掲示板検索してみたところ、該当部署で副業を募集していることを知りました。

そこで、まずはお話を伺ってみようと募集先の上司にメールで連絡を取らせていただき、直接伺ったところがスタートです。当該部署では「材料」と「デバイス」の2テーマの副業を募集しており、当初どちらにするか迷っていました。しかし、挑戦するなら新しい世界が開けそうな「デバイス」のテーマにしようと決め、スマートグラスに応募しました。

そもそも、どういった要望から副業での募集がかかっていたのですか?

開発中のスマートグラスの事業化に向けて、開発区と一緒に事業企画を検討しており、そのお手伝いができる方を募集していました。

副業を始めてみた半年は、どんなふうに過ごされてきましたか。

副業を始めた9月に副業メンバー含め4人で各々用途案を考え、それに沿った業界をピックアップし、12月までの約3ヶ月間、実際にヒアリングをさせていただきました。私がお話を伺ってみたいところへ自由に訪問し、新たな発見もあり、とても楽しく活動させていただきました。そして、ヒアリング過程では、新たな知見や考え方の発見もあり、とても良い経験をさせていただきました。

1月からは各々がヒアリングした結果や他社の仕様調査、フレームワークやビジネスモデル案などを踏まえ、事業化への方向性を模索しました。模索過程では、テーマメンバー全員が納得できるまで何度も話し合いを重ねながら、より詳細を詰めて行きました。話し合いの中で、メンバーの経験や考え方を垣間見ることができ、とても有意義な時間でした。

その後、メンバーで考えた事業化案をベースに、2月初旬には、副業先の上司/開発区と事業化の方向性を考えるディスカッションが行われました。その後、事業企画書の作成に移行し、3月にテーマ化移管がおこなわれました。ディカッションの場では、所属部署とは異なる他部署の雰囲気も新鮮でした。

結果的にはどんなものができあがったのですか?

日常的に様々な人にスマートグラスを使ってもらえることをコンセプトにした事業化企画です。今後は「知る」「理解する」「コラボする」「体験する」をテーマに、協業先を探索していきます。

私が最初に発案させて頂いたのは、聴覚障がい者や日本語が分からない外国の方向けの字幕表示デバイスです。これにより、舞台や映画などエンターテインメントをより楽しんで頂ける機会が提要できるのではないかと考えました。

リコーのスマートグラスは「軽くてデザイン性に優れてりおり、長時間着用可能」という所に大きな特徴がありあます。数時間着用が必須の舞台や映画には、この特徴が活かせるのではないかと考え提案させて頂きました。

今後は事業化提案内容に沿った形で、広く人々の役に立つデバイスを提供していきたいと考えています。

秋間 美緒さん (リコー 開発部門)

「自分から変える」という意識で挑戦を

社内副業制度を活用してみて、あらためて考えたことなどの収穫は?

大きくは4点が挙げられます。
(1)お客様の所へ出向いて話を伺い、何かを作っていく過程に興味がある」とはっきり認識できたこと
(2)他社との協業や共創を進めながらものづくりをしてみたいという気持ちが芽生えたこと
(3)開発ステップを経験し理解を深めることの必要性を再認識できたこと
(4)マーケティング・企画の部署で働くことが目標ではないということ
また将来的目標に向けて、今自分がすべきことは何で、今後どのようにしていきたいか、スケジュールを立てやすくなったのも副業による成果といえそうです。

ぼんやりと思っていた職種への希望が、より解像度が上がって具体的になったと。秋間さんは「複数」の意図を込めた「複業」といえそうです。

そうですね。今回はこのまま続けたいと思っていますが、企画は今の副業先だけの仕事ではありませんから、別の部署での企画に携わるのも選択肢かなと思います。 それに、本業での仕事も続けてくると、日常のなかでいろいろと悩む瞬間もあります。そんなときに副業をすると、関わる人や仕事が変わって、良い意味で気が散ります。すると、本業のことも客観的に見えやすくなって、気持ちに余裕ができることも実感しました。 副業メンバーからは以前に「やりたいことは、自分でやりたいと言わなかったらやれない。でも、やると宣言したら、意外とやれてしまうものだよね」と話しあったことがあります。社内副業制度に限らず、受け身ではなく「自分から変える」という意識で、物事を動かしていけるようになったほうが、うまくいく可能性は高まるはずです。 副業は「意外とやれてしまう」を知るきっかけで、実際に変わったこともあった。それならば、制度を使って挑戦してみようと決めるのも、いいのではないかなと思います。

企画:山本 雄生(NewsPicks Enterprise) 取材・構成:長谷川賢人
(取材日:2020年4月3日)


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