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サプライチェーンマネジメント

方針/基本的な考え方

私たちは、事業活動全般において広く「影響力を及ぼす範囲」を認識し、社会的責任経営を推進しています。その中で特にサプライチェーンには、関係する企業や人々が多く、意図しないマイナス影響を回避または最小化する配慮が重要です。リコーは、グローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する「責任ある企業同盟」RBA*1(Responsible Business Alliance)に加盟し、人権・労働・環境等の国際的なガイドラインに照らしながら、自社の生産工場のみならず、サプライヤー企業も含めた倫理的な行動を徹底し、継続的に活動のレベルアップを図っています。

画像:リコーグループの購買活動の基本的な考え方

*1 RBA: Responsible Business Alliance サプライチェーンのESGを推進する業界団体。リコーはRBAの一員としてサプライチェーン全体でESGを推進する活動に取り組んでいる。

リコーグループ購買活動の基本的な考え方

リコーグループの事業は多くのサプライヤーの皆様に支えられて成り立っています。私たちは、サプライヤーの皆様をリコーグループにとって不可欠なビジネスパートナーとして認識し、信頼関係を構築しながら、相互に発展していくことを目指しています。
今日の社会には、環境問題や人権問題をはじめ、様々な課題が存在しています。リコーグループは、SDGs事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献していくため、「Driving Sustainability for Our Future.」をサステナビリティメッセージに掲げていますが、この実現には、リコーグループの方針やビジョンをサプライヤーと共有し、サプライチェーン全体で社会からの期待に応えていく必要があります。このため、法令を遵守し、公正かつ環境や社会への影響を配慮したESG調達活動を行うための基本的な考え方を「購買規定」にまとめ、グローバル全体で活動のレベルアップに取り組んでいます。

購買規定

【取引の公平性】
経済合理性を基本に国内外に開放され、公平かつ公正な購買活動を行う。

【環境保全】
地球市民の一員として地球環境の維持・改善に寄与する購買活動を行う。

【CSR】
企業としてのCSRを自覚し、法の遵守・社会倫理の尊重を前提とした購買活動を行う。

【取引先との共存共栄】
優秀な仕入先との相互責任に基づく共存共栄を図る。

推進体制

環境・社会・ガバナンス分野におけるリコーグループの中長期的な課題を経営レベルで継続的に議論していくため、CEOを委員長とするESG委員会を2018年5月に設置しました。取締役会はサプライチェーンマネジメントを含むサステナビリティに関する方針・方向性・長期目標等について議論を行い、決定した内容をESG委員会に落とし込み、実現に向けた活動が行われているかを監督しています。2021年12月には調達・購買のESGに関わる統括部署を組織しました。本社購買部門はESG委員会のメンバーであるサプライチェーン機能責任者の監督の元、リコーグループにおけるサプライチェーンリスクを適切に管理する役割を担います。

画像:推進体制の図

RBAへの加盟

2019年11月にリコーはRBA(Responsible Business Alliance)に加盟しました。
RBAは、グローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業同盟です。 リコーはRBAの共通目標と精神を尊重し、提示されるRBAの手法や手段を採用し、実践することに努めており、サプライヤーの皆様とこの取り組みを共有しています。また、RBAのプラットフォームであるRBA-Onlineを活用して、サプライヤーの皆様にESGの取り組みに関する各種データの提供を頂いており、RBAの管理指標をベンチマークとして、持続可能なビジネス活動を推進するために、サプライヤーの皆様と協力してESGリスクの是正、低減化に取り組んでいます。サプライヤーの皆様は、ESG説明会の開催や脱炭素推進に向けた電力量削減プログラム、その他様々な取り組みについて情報交換を行い、実践されています。また、リコーは、これらの取り組みに対し積極的にアドバイスを行うことで、支援を行なっています。

RBA行動規範の遵守状況を定期的に評価するため、リコーグループの生産拠点では、RBAのSAQを用いたESGリスクレベルのセルフチェックと、RBA行動規範の遵守状況を確認する第三者監査機関によるオンサイト監査プログラムであるRBAのValidated Assessment Program (VAP)を受審しています。
VAPでは、サプライチェーンマネジメントに関する審査項目として、一次サプライヤーや重要サプライヤーの数に加え、リスクアセスメントの実施数、アセスメントにより特定された高リスクサプライヤーの数および改善支援プログラムの実施社数と改善状況などが評価されます。これまでの監査では、監査機関に提出した定量データについて不適合の評価があった事例はなく、3段階(Platinum/Gold/Silver)ある認証ランクの内、受審した拠点全てでGoldまたはSilverを取得しています。
認証を取得している生産拠点の一覧については、人権ページをご参照ください。

リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範

サプライヤーの皆様にもリコーグループのESGの原則にご理解・ご賛同いただき、サプライヤーの皆様とともにより良い社会・地球環境づくりと企業の持続的な発展の実現を目指して努力し続けることを目的とし、2006年1月、「リコーグループサプライヤー行動規範」を制定しました。 2020年8月の改訂では、サプライヤー行動規範を、国連のビジネスと人権に関する指導原則に沿って、労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言ならびに世界人権宣言を含む、主な国際的人権基準に由来したRBA行動規範に準拠させました。2023年4月には、リコーグループのビジネスパートナーの皆様にも取り組んでいただきたい行動規範として「リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範」に改訂しました。
サプライヤー・パートナーの皆様には、労働環境が安全であること、労働者に対して敬意と尊厳をもって処遇すること、さらに環境への責任とともに業務を倫理的に行っていただくために、この改訂された行動規範への取り組みをお願いしています。本規範に反する行為があった場合、その事態の重要性に鑑みて、リコーグループは取引を停止することがあります。

リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範

リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範 同意確認書

RBA行動規範

別ウィンドウで開く RBA行動規範 (英語)

リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範(項目のみ)

リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範は、RBA行動規範を基礎とし、労働・安全衛生・環境・倫理・管理システムの5つのセクションで構成されています。

A. 労働

  • 強制労働の禁止
  • 若年労働者
  • 労働時間
  • 賃金および福利厚生
  • 差別の排除/ハラスメントの禁止/人道的待遇
  • 結社の自由および団体交渉

B. 安全衛生

  • 労働安全衛生
  • 緊急時への備え
  • 労働災害および疾病
  • 産業衛生
  • 身体に負荷のかかる作業
  • 機械の安全対策
  • 衛生設備、食事、および住居
  • 安全衛生に関する連絡

C. 環境

  • 環境許可と報告
  • 汚染防止と省資源
  • 有害物質
  • 固形廃棄物
  • 大気への排出
  • 物質の制限
  • 水の管理
  • エネルギー消費および温室効果ガスの排出

D. 倫理

  • ビジネスインテグリティ
  • 不適切な利益の排除
  • 情報の開示
  • 知的財産
  • 公正なビジネス、広告、および競争
  • 身元の保護と報復の禁止
  • 責任ある鉱物調達
  • プライバシー

E. 管理システム

  • 企業のコミットメント
  • 経営者の説明責任と責任
  • 法的要件および顧客の要件
  • リスク評価とリスク管理
  • 改善目標
  • トレーニング
  • コミュニケーション
  • 労働者/ステークホルダーの関与と救済へのアクセス
  • 監査および評価
  • 是正措置プロセス
  • 文書化と記録
  • サプライヤーの責任

ESG調達の取り組み

リコーグループは、グローバルに2,955社の直接材サプライヤーとの取引があり、調達金額は約3,400億円です(2025年3月現在)。これらのサプライヤーと連携しながら、グループ全体の調達活動の最適化に取り組んでいます。また、リコーグループは、グローバルに事業活動を展開している中、社会課題の解決への取り組み、社員がより一層誇りを持てる企業になることを目指して、サプライチェーンにおけるESGに配慮し、それぞれの分野の課題に対応しています。地球環境や社会が抱える様々な課題の解決や改善にサプライヤーと共に取り組むことが、健全な企業への発展の原動力となり、最終的には持続可能な社会を実現すると考え、長期的な企業価値向上の観点からこの取り組みを進めていきます。

  • 当該年度の活動対象の選定には前年度の購入金額実績データを使用

サプライチェーンへのESG調達展開状況

画像:サプライチェーンへのCSR調達展開状況

ESG調達推進プログラム

リコーグループのESG調達推進プログラムでは、新規サプライヤー選定時にESG要件の遵守を要請することに加えて、サプライヤー・パートナー行動規範への同意確認、SAQによるリスク評価、ESG監査の実施、是正措置の実施の主要な4つのステップで構成されるリスクアセスメント活動が実施されています。これらのステップにより、当社のサプライヤー・パートナー行動規範に含まれるESG要件とサプライヤーの皆様の取り組み状況の整合性を評価し改善活動に繋げています。また、サプライヤー・パートナー行動規範の趣旨を踏まえながら購買活動の見直しを継続的に行っております。

画像:ESG調達推進プログラム

新規サプライヤーの選定

リコーグループでは、国や地域の状況、産業や商材の特性といった基本要件に加え、新たにお取引を開始するサプライヤーを選定する際に、ビジネスのサステナブル要件として以下を求めています。また、サプライヤーとの新規取引にあたっては、購買規定に則った選定を行うとともに、ESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)に関する条項を盛り込んだ取引基本契約をサプライヤーと取り交しています。(契約締結率100%)

■基本情報

  • 会社・工場の所在地
  • 川上と川下のサプライヤー関係
  • 主要顧客
  • 業種・商品
  • 信用情報

■能力情報

  • 品質管理能力
  • コスト能力
  • 供給能力
  • サービスサポート能力

■サステナブル情報

  • リコーグループ グリーン調達基準の順守
  • 使用禁止物質不使用宣言書への署名
  • 化学物質管理システムの構築
  • 環境マネジメントシステムの構築
  • リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範への同意
  • 労働者の人権、安全衛生、環境、倫理、マネジメントシステムの適合性

新規サプライヤー選定の際には、リコーグループは国固有のリスク、セクター固有のリスク、商品特有のリスクを考慮した選定を行っており、画像機器事業ではSAQ(Self-Assessment Questionnaire)でハイリスクと判定されたサプライヤーは原則取引不可としております。また、選定後もESGの要求事項に対して実現や改善に向けての取り組みが不十分と認められる場合は取引関係を解消する場合があります。

重要サプライヤーの特定

調達金額や調達量、調達材料・部品の重要性や代替可能性などに加え、当該国の政治、規制、労働状況、エネルギー消費、汚染の可能性等の影響により部品調達ができなくなるリスクを考慮しながら、以下の流れに沿って重要サプライヤーを特定しています。2025年3月現在、グローバルで278社が重要サプライヤーとして特定されています。
お取引するサプライヤーの中で、購入金額が大きいサプライヤーや主要機種・戦略機種の部品を供給するサプライヤー、代替不可能な部品を供給するサプライヤーに加え、部品調達ができなくなるリスクを考慮したサプライヤーを「重要サプライヤー」として特定します。

画像:重要サプライヤーの特定

また、重要サプライヤーに対し、次のアセスメントを行って遵守状況を確認します。

  • デスク調査の実施/セルフアセスメントの実施
    リコーグループではリコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範の遵守状況を確認するSAQへの回答をお願いしています。
  • 現地訪問による確認
    担当バイヤーが現地に赴き、回答いただいたSAQの結果を確認するとともに、是正措置の進捗状況を確認します。
  • 第三者による監査の実施
    リコーグループでは、アセスメントのひとつとして、外部機関による監査を実施します。

サプライヤースクリーニング

サプライヤー 社数 支出割合
1次サプライヤー 2,995 100%
主要1次サプライヤー(重要サプライヤー) 278 81%

※非1次主要サプライヤーの設定はございません

リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範への同意確認書提出率

リコーグループサプライヤー・パートナー行動規範の内容を確認し、サプライヤー・パートナーの皆様と協力して取り組んでいくことを確かなものとする為、責任者の方に「リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範同意確認書」に署名していただくことをお願いしています。

2023年度 2024年度 2025年度
目標 90% 98% 100%
実績 97% 98% -%

SAQによるリスク評価

「リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範」の遵守状況をモニタリングするためRBAの行動規範に基づくSAQによるリスク評価制度を導入し、国内および海外生産拠点のサプライヤーに展開しています。サプライヤーから報告された労働、安全衛生、環境、倫理、マネジメントシステム、生活賃金から成るセルフアセスメント結果に基づき、各社の改善点を明らかにし、結果をフィードバックして改善を要請するとともに、更なるESG活動の計画策定を含むアドバイスや実務的な支援を実施しています。サプライヤーの改善が十分に見られない場合には、サプライヤーと今後の取引について協議します。
リコーグループではSAQによるリスク評価を通じ、サプライヤー自らがPDCAサイクルを回し、社会の要請・期待に応えていく事を支援しています。
SAQ回答結果は各サプライヤーに対して個別に結果をフィードバックするほか、サプライヤーの業種ごとに集計した結果の平均値を表したチャートを送付しています。

SAQ評価ランク分け

リスクランク 評価点 説明
ローリスク 85%以上 リコーグループサプライヤー・パートナー行動規範(RBA行動規範)の要求事項に概ね準拠した事業活動が実践できているサプライヤー。
モデレートリスク 65〜84% リコーグループサプライヤー・パートナー行動規範の要求事項の理解と準拠に向けた取り組みの強化をお願いしたいサプライヤー。
ハイリスク 64%以下 リコーグループサプライヤー・パートナー行動規範の要求事項に準拠していない項目が複数みられ、改善に向けた支援が必要なサプライヤー。

ESG監査の実施

リコーグループでは、監査の結果で不適合が確認された項目について、サプライヤーに対して改善を求めます。改善のために活動計画の策定を求め、改善提案や活動支援を行います。
2023年度には、4月にタイの生産拠点で実施したRBAのVAP監査にて、構内事業者の従業員において、現地法令に基づき適切に年次休暇が付与されていない違反事例が確認されました。 監査後、当該生産拠点では、年次休暇制度の改訂を行うとともに、サプライヤーに対して規定を周知し、遵守と再発防止を要請しました。結果、同年10月に再受審したVAP監査では、外部審査員により指摘事項が是正済であると評価されました。 今後もサプライヤーに行動規範の遵守を要請するとともに、行動規範への違反行為が確認された場合は、サプライヤーへの是正の要請を行っていきます。

  • *2
    VAP監査: 第三者監査機関が、サプライヤーのRBA行動規範5要素の遵守状況を監査し、リスクや改善機会を抽出すること。
  • *3
    サプライヤーの選定要件である、環境的リスク、社会的リスク、経済的リスクそれぞれにおいて評価を行った社数合計

サプライチェーンESGプログラムの範囲と進捗状況(2024年度)

主要一次サプライヤー(重要サプライヤー)を対象に、サプライチェーンESGプログラムで監査を実施しました。

デスクトップおよび/または現地調査を実施したサプライヤーの数 267社 <目標: 278社>
*うち、現地訪問を通じて評価したサプライヤー:2社(0.7%)
*うち、腐敗行為や情報セキュリティの問題に関するデューデリジェンスプロセスの対象となるリスクが特定されたサプライヤー:45社(16.9%)
評価された主要サプライヤーの割合 96.0% <目標: 100%>
SAQ(セルフアセスメント)/デスク調査(SAQ)計画数 278社
評価実施率 96.0%
実質的/潜在的な悪影響があると評価されたサプライヤーの数 0社
ハイリスクサプライヤー(*) 0社(0.0%)
モデレートリスクサプライヤー(*) 24社(9.0%)
ローリスクサプライヤー 243社(91.0%)
合意された是正措置/改善計画により、実質的/潜在的な悪影響を及ぼしているサプライヤーの割合 0社(0%)
実際に重大な悪影響を及ぼした、または潜在的な悪影響があり、取引を終了したサプライヤーの数 0社
  • *
    モデレート・ハイリスクサプライヤーには改善活動計画を求め、担当バイヤーによる現地訪問での監査で改善を確認し、一部のハイリスクサプライヤーにはさらに第三者による監査を行い、改善の確認をします。

サプライヤー監査時の主な改善活動事例

  • 事例①:雇用に際し、被雇用者による費用負担が実施されていた。
    改善支援:雇用に関する費用徴収を行わない方針の文書化をサプライヤーに要請し、方針設定がされたことを確認した。
  • 事例②:最低雇用年齢の設定がされていなかった。
    改善支援:最低雇用年齢の設定を行った。当初は18歳で設定を要請したが、協議の結果、サプライヤーが高校生のアルバイトを斡旋するサービスを提供していたことから、15歳以上と設定した。

サプライヤーの是正措置計画の範囲と進捗状況(2024年度)

2024年度は、2023年度に特定された4社のハイリスクサプライヤーに対して、是正措置を実施しました。具体的には、SAQの設問内容を正しく捉えていないサプライヤーへSAQの目的や評価内容の説明、取り組みに関するアドバイスを実施しました。その結果、2024年度では、ハイリスクサプライヤーは0件になり、是正措置が完了しました。

能力開発プログラムにおけるサプライヤーの範囲と進捗状況(2024年度)

サプライチェーン全体のESGマネジメントレベルの向上を図るため、リコーグループは定期的にESG説明会を開催しており、さらには、SAQなど各種評価を通じて、サプライヤーと課題を共有しレベルの向上に取り組んでおります。

※能力開発プログラムはリコーSAQをもとに評価とフィードバックを行ったサプライヤーが対象となります。

能力開発プログラムに参加しているサプライヤーの総数 248社 <目標: 248社>
能力開発プログラムに参加しているサプライヤーの重要サプライヤー中の割合 89.2%

サプライチェーンのBCM(事業継続マネジメント)

自然災害から国際情勢の変化、感染症の拡大など、リコーグループの広域なサプライチェーンを取り巻くリスクは多岐にわたります。一方、東日本大震災以降、有事に際してもお客様の事業に影響をおよぼさないリスクマネジメント能力が取引要件として強く求められるようになっています。リコーグループでは、お客様の事業を止めないことと、社会インフラ企業や団体の継続維持を最優先することを基本方針に、地震・津波、水害などの広域災害や火災、事故、新型インフルエンザや新型コロナウィルス(COVID-19)を含む感染症などを対象として、製造拠点の二重化や部品調達系列の二重化、材料や部品在庫の積み増し等、とぎれることのないサプライチェーンを構築し、企業集団としての事業継続能力向上に取り組んでいます。

サプライヤーのリスクの特定

サプライヤーの立地場所や環境負荷物質の含有懸念などを考慮の上、各サプライヤーのリスクを判断しています。リスクが大きいと予想されたサプライヤーに対しては、財務状況の定期的なチェックやSAQ、第三者監査などを通じ、リスクの低減に努めています。また、全てのサプライヤーの皆様に対して、コンプライアンス違反並びに贈収賄防止方針に基づき、毎年、コンプライアンスリスクスクリーニングを実施しています。
2018年度は、禁止物質の含有や混入の可能性のあるメッキ工程を有するサプライヤーの抜き打ち監査を2件行いました。各サプライヤーの工場の視察を通して、全製品が鉛フリー無電解ニッケルメッキ製品であることを確認し、禁止物質の含有の可能性はないと判断しました。

サプライヤーの工程改善支援

サプライヤーとの長期的な信頼関係の構築と相互協力による共存共栄を目的として、協同原価低減活動を進めています。TOP間で合意形成を実施したのち、情報の共有と分析、事実と現場現物を確認しながら課題を設定し、実行と検証を行い、パートナー様の利益(財務諸表)の向上につなげています。

持続可能な原材料調達

持続可能な原材料調達方針

リコーグループは持続可能な社会の実現に取り組んでおり、サプライチェーンにおいても持続可能な調達活動を進めています。その基本方針は「リコーグループ企業行動規範」及び「生物多様性方針」に記されおり、原材料においては以下の調達方針に基づいて持続可能な調達を行うことで、原材料の持続可能性への悪影響を最小限に抑えていきます。

1. リコーグループが調達する環境、社会への負荷影響の大きい原材料を特定します。

2. ステークホルダー(サプライヤー、顧客、業界団体など)と連携し、持続可能な原材料の調達活動の向上を図ります。

3. 環境、社会への負の影響の少ない原材料の調達を優先していきます。

4. リサイクルされた原材料や第三者による検証を受けた原材料を増やしていきます。

5. 生物多様性保全に配慮された原材料を調達します。

サプライチェーン機能統括部 部長

取り組み

原材料木材調達においては、生物多様性の保全、森林破壊の抑止、労働者の人権尊重などを目指し「リコーグループ製品の原材料木材に関する規定」と「用紙調達基準」を定めています。持続可能な調達フレームワーク(ISO20400)に沿ってステークホルダーと連携しながら、リコーが定めた認証やFSC認証などの持続可能な調達を促進し、森林破壊ゼロに向けた活動を進めていきます。紙サプライヤーへのアンケート調査を行い、伐採地についてのトレーサビリティも追求していきます。

循環型社会実現にむけて、省資源方針を設定し、再生製品の提供を行い、環境負荷が低く、持続可能な資源への切替・積極利用に取り組むことを推進しており、様々なステークホルダーと協力して、リサイクル材の利用増加を促進しています。

目標と実績

持続可能な原材料調達と新規資源利用率削減の目標値を設定し、調達活動を行っています。

サプライヤー脱炭素支援活動

リコーグループでは、脱炭素に向けたCO2削減活動をグループ単独で進めるだけでなく、サプライヤーの皆様と連携して進めていくため、サプライヤーの皆様に対して、クリーンな電力への切替え支援を行っています。
パリ協定の発効(2016年)で世界共通課題となった地球温暖化問題や、環境に関するトレンド情報をサプライヤーの経営層と共有し、CO2に対する意識の向上を図っています。また、リコーグループの実践事例とノウハウを元に、サプライヤーの皆様と共にCO2および電力経費の削減活動を進めています。2021年度は、ESG説明会を開催し、サプライヤーの皆様へリコーグループの脱炭素に対する方針と今後の取り組みについてご説明し、協力をお願いしました。
今後も、環境保全活動と利益創出を同時実現する環境経営を、サプライヤーの皆様と共に実践していきます。

画像:宮沢機器工業株式会社 代表取締役 宮澤泰三 様

サプライヤーとの新電力切替によるCO2削減 事例紹介

宮沢機器工業株式会社 代表取締役 宮澤泰三 様
本社:大田区大森本町
工場:大田区城南島
ウェブサイト:http://www.m-mic.co.jp/

画像:宮沢機器工業株式会社 代表取締役 宮澤泰三 様

CO2削減への取組みのきっかけは?

弊社は、本社と工場と主に2拠点で活動をしていますが、照明機器のLED化や省電力な空調設備の導入などによる省電力化については順次実施してまいりました。
2018年夏にリコー様からCO2削減の“新電力切替えの提案”がありました。リコー様がこの活動に取組む主旨や社会に与える影響などの説明を受け、弊社としてもご協力しようと思いました。但し、従来の電力会社と複数年契約を締結しておりましたので、契約終了後に再度検討しようと思っておりました。

CO2フリーメニュー採用のポイントは?

リコー様で蓄積した新電力切替ノウハウや業務支援をご提供いただき、経費削減とCO2削減の両方が実現できるのならば取り組みたいと考えました。
その様な中、CSR説明会やSDGsセミナーへ参加させて頂き、リコー様の環境に対する本気度を肌で感じ、部品供給会社として、今自分たちには何ができ何で貢献ができるのかを改めて考えたことが導入のきっかけとなりました。中でもCO2フリーメニューであっても従来の電力会社に比べてコスト削減につながるご提案を頂き、サプライヤーで初採用となることも即決に至った理由です。

今後の取り組みは?

新電力の調達変更によるCO2削減とともに、使用電力量削減によるCO2排出削減にも取組んでいきたいと思っております。電力使用量データの分析など、リコーグループ様の専門部門の方々のノウハウをご教授頂き、少しでもCO2排出量削減につながる活動を継続し、持続可能な社会の実現に向けた活動を通じSDGsの目標達成にリコー様と共に貢献していきたいと考えております。

CO2削減活動を行ったサプライヤー

独自でCO2削減活動を行っているサプライヤー数:44社

リコーグループと共同でCO2削減活動を行ったサプライヤー
CO2削減量合計:986t(トン)

社名 HPアドレス
イケダ工機株式会社 別ウィンドウで開く http://www.ikeda-koki.co.jp/
株式会社吉城光科学 別ウィンドウで開く http://www.kishiro.co.jp/
光輝化成株式会社 別ウィンドウで開く https://kouki-kasei.jimdo.com/
静宏産業株式会社 別ウィンドウで開く http://www.shizukoh.com/
株式会社セキ製作所 別ウィンドウで開く https://www.seki-seisakujyo.com/
第一光機株式会社 別ウィンドウで開く http://www.d1k.co.jp/
東京プラスチックス株式会社 別ウィンドウで開く http://www.tokyo-plastics.co.jp/
株式会社ニッシン 別ウィンドウで開く http://www.nisshin-corp.com/index.php#
株式会社ハネダユニテック -
宮沢機器工業株式会社 別ウィンドウで開く http://www.m-mic.co.jp/

(社名:五十音順)

生物多様性保全に対する取り組み

リコーグループは、生物多様性の保全が豊かで持続可能な社会の構築に繋がると考え、2009年に「生物多様性方針」を制定しました。さらに、2010年に、森林破壊の予防と、労働などの社会面に配慮した原材料調達に向けて「リコーグループ製品の原材料木材に関する規定」(2003年制定の「紙製品の調達に関する環境規定」を発展)を制定しました。

人権に関する取り組み

児童労働や強制労働など、サプライチェーンにおける人権リスクへの関心が高まっています。リコーグループでは、サプライヤーの皆様に対して、児童労働や強制労働の排除を含めた「サプライヤー・パートナー行動規範」の遵守をお願いするとともに、責任者の方に「リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範同意確認書」に署名していただくことをお願いしています。さらに、定期的な「SAQ」を通じて遵守状況をモニタリングし、必要な改善を促しています。
2015年10月に施行された「英国現代奴隷法」を受け、欧州地域の販売持株会社であるRicoh Europe Holdings PLCのウェブサイトにステートメントを開示しました。また、近年話題になっている紛争鉱物問題に対しても、継続的な活動と情報開示を行っています。

児童労働の問題に対する取り組み

リコーグループは、TRM(トータル・リスク・マネジメント)重点活動項目の一つとして、児童労働を取り上げ、関連部門による取り組みを行っています。すでに国内外の生産拠点における児童労働の禁止に関する法令の遵守状況を把握しており、2018年の調査結果から違反の事実がないことを確認しています。また、サプライヤーに対するSAQの結果からも児童労働に関する違反の事実がないことを確認しています。今後も、継続的に児童労働に対する監視を行っていきます。

サプライヤーダイバーシティ&インクルージョンに対する取り組み

リコーグループは、サプライヤーダイバーシティ&インクルージョンに積極的に取り組んでいます。多様なサプライヤーとの共創関係を築くことで、イノベーションを促進し、より包括的で持続可能なサプライチェーンの形成を目指しています。マイノリティ所有企業や女性所有企業、中小企業などの多様なサプライヤーの参画を推進し、互いに成長できるパートナーシップを構築していきます。これにより、多様性の尊重を基盤とした公正で豊かな社会の実現に貢献したいと考えています。米国では2001年、日本では2023年から取り組みを開始しており、今後は他の地域にも活動を拡大する予定です。

米国のリコーグループでは以下のカテゴリーの1つ以上に該当する取引先を多様なサプライヤーと定義しています。

  • マイノリティ所有企業
  • 女性所有企業
  • 退役軍人所有企業
  • 障がい者所有企業
  • LGBT所有企業
  • 低開発地域の中小企業(HUBZone)
  • 中小企業

日本のリコーグループでは以下のカテゴリーの1つ以上に該当する取引先を多様なサプライヤーと定義しています。

  • 女性所有企業
  • 低開発地域の中小企業(過疎地域)

購買部門における教育・研修

サプライチェーン全体でのESG調達を推進していく上で、まず自社の購買部門の従業員がサプライチェーンにおける社会的・環境的問題を把握しておくことが重要です。
リコーの購買部門では、環境社会面に配慮した持続可能な原材料調達・購買活動を理解する「ESG調達研修」を実施しています。
新入社員や異動者など新たに購買部門に配属された全メンバーを対象にした購買基礎教育 24年度国内購買部門受講対象者15名受講(受講完了率100%)
またESG部門との月次会議を通じて、国際的なサステナビリティ潮流や社会や顧客からのESG調達に関する要請事項の確認・把握を行っています。また、近年ますます要求が高まっているサプライチェーン全体でのGHG排出量の削減および環境負荷の低減をはじめ、さまざまな社会的・環境的問題に対応するため、2022年より購買部門内でワーキンググループを立ち上げ、ESG情報の収集を行うなどESG調達活動のレベルアップを図っています。

紛争鉱物問題に対する取り組み

コンゴ民主共和国(DRC)とその周辺国、紛争地域および高リスク地域(CAHRAs)で採掘された鉱物のサプライチェーンにおいて、1)企業が鉱物採掘活動を通じて紛争に手を貸してしまうことを回避すること、2)資源産出国が自国の天然資源から利益を得るにあたり鉱物の採掘や取引が紛争や人権侵害、社会不安の源になるのを防ぐこと、を目的に、企業による鉱物資源調達に関する正しい情報開示と意思決定が望まれています。

リコーグループ 責任ある鉱物調達方針

リコーグループでは、2022年に「リコーグループ 責任ある鉱物調達方針」を定め、紛争地域および高リスク地域における鉱物採掘や取引が武装勢力や反政府組織の資金源となり紛争を助長している、あるいは人権侵害、労働問題、環境破壊等と密接に関連している問題を重要な社会課題としてとらえ、サプライヤーと連携してサプライチェーンにおける責任ある鉱物調達の透明性と実践に取り組んでいます。紛争鉱物となりうる原材料の使用撲滅に向けた取組みとして、問題ある製錬所のサプライチェーンからの排除呼びかけや調達部品の特定などを行っています。

PDFを開く リコーグループ 責任ある鉱物調達方針(356KB)

紛争鉱物調査の実施

リコーグループは、「OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンスガイダンス」に準拠した取組みを進めることで、デューディリジェンスの透明性向上を図っています。2013年以降毎年、リコーグループの製品に使用される原材料・部品のサプライヤーに対して、紛争鉱物調査を実施しています。サプライヤーに対してはRMI(Responsible Minerals Initiative)*4が提供する紛争鉱物報告フォーマットであるCMRT(Conflict Minerals Reporting Template)やEMRT(Extended Minerals Reporting Template)を利用した報告をお願いしています。サプライヤー別回収率及びプロダクトベース回答回収率は、2025年度までに100%とすることを目標としています。

Step1: 強力な管理システムの構築

リコーグループは、2012年より紛争鉱物問題に対応していく体制、方法の検討を進め、リコー及び国内外のグループ会社の関係部署が参画するワーキンググループ推進体制を構築し、2013年1月に紛争鉱物問題への対応を開始しました。現在は購買部門およびESG部門が中心となって活動を継続しています。毎年、年間計画を策定し紛争鉱物調査を実施しています。2021年度調査からは、調査方針を「コンフリクトフリーの実現を目指す」とした上で、紛争鉱物調査の回答回収効率化を図ることを目的に、紛争鉱物調査データの一元的な管理を始めました。 2022年度には、「リコーグループ 責任ある鉱物調達方針 」を制定し、サプライヤーに対してリコーグループ紛争鉱物調査への支持と協力をお願いしています。

〔紛争鉱物問題に関する教育・研修〕

サプライヤーへの説明会において、紛争鉱物問題を1テーマとして取り上げてサプライヤーへの情報提供・教育機会の確保に努めております。 また、社内においても、リコーグループ国内外各拠点の購買・調達担当者に対して、年次の紛争鉱物調査に合わせ、責任ある鉱物調達に関する最新の法改正等の動向説明とリコーグループ紛争鉱物調査活動に関する教育を実施しています。加えて、リコーグループ全社・全社員に対しても、紛争鉱物調査の意義やリコーグループの紛争鉱物の取り組みに関する紹介動画を作成し、啓発活動を実施しています。

Step2: リスクの特定と評価

2013年以降、毎年、リコーグループの製品に使用される原材料・部品のサプライヤーに対して、紛争鉱物調査を実施しています。2020年度までは、画像製品など主要製品のサプライヤーを対象に調査を行っておりましたが、2021年度からは調査対象範囲を拡大し、リコーが製造責任を有し販売する全ての商品に対して調査を実施し、調査票の回答申告範囲をリコーグループに納品している部品・製品を限定に回答するよう、サプライヤーにお願いしています。 また、近年のコバルトの採掘における安全でない労働環境や児童労働に対する懸念の高まりを踏まえ、コバルトのサプライチェーンの調査も2020年度より実施しています。調査を依頼する全サプライヤーに対してはRMIが提供する紛争鉱物報告フォーマットであるCMRTやEMRTを利用した報告をお願いしています。

Step3: 特定されたリスクに対する戦略の策定と実施

2020年度からは、一次サプライヤーに対してハイリスク製錬所の情報提供を行うとともに、RMAP(Responsible Minerals Assurance Process)認証取得製錬所への切り替え要請を実施しています。また、二次以降のサプライヤーには一次サプライヤーを通じて川上企業、及び製錬・精製業者に対し、RMAP認証を取得した製錬所への切り替えと認証の取得を働きかけるよう呼びかけを行っています。回答情報を分析した結果をもとに、ハイリスク製錬所からの調達を行っているサプライヤーについては文書等で直接的な製錬所の切り替え呼びかけを行っています。

Step4: 独立した第三者機関による監査の実施

リコーは、2012年5月に発足したJEITA*5の「責任ある鉱物調達検討会」のメンバー企業としてグローバルサプライチェーン全体での取り組みに参画し、電子業界で統一した活動の検討を進めています。また、2019年にはRBAに加盟し、RMIメンバーとしても活動を行っています。その活動の中で製錬業者の照会やコンフリクト・フリー・スメルターの認証取得の働きかけなどを継続的に行っています。

Step5: サプライチェーンのデューデリジェンスの方針と実施状況の開示

リコーの紛争鉱物に関する取り組みは、ウェブサイトおよび統合報告書で毎年公開しています。
尚、トナーには紛争鉱物が含まれていないことを確認済みです。

*4レスポンシブル・ミネラルズ・イニシアティブ、紛争鉱物問題に取り組む米国の組織、旧CFSI
*5JEITA(Japan Electronics and Information Technology Industries Association):電子情報技術産業協会

2024年度の調査結果と今後の対応

2024年度は、リコーグループの全世界の第一次サプライヤーに対する調査結果を踏まえ、その年に製造あるいは製造委託した製品に使用される部品や原材料の各々を可能な限り特定の上、紛争鉱物の使用に関する調査を実施し、4鉱物の調査については98%の回答を得ました。
調査の結果、RMIが公表しているRMAPにより認定された製錬業者や精製業者と、今回の調査を通じて特定できた製錬業者や精製業者との突合せを行ったところ、RMIが認識している4鉱物の製錬業者のうち210社はRMAP認証を取得しており、コンフリクトフリーであることを特定しました。また、リコーグループサプライチェーンにおける特定された製錬所・精製所総数に占めるRMAP認証取得製錬所率は、2024年度は62%となりました。また、 RMAP認証取得/Active製錬所率は、2024年度は63%となりました。近年、紛争鉱物調査対象企業の拡大により新たに特定された製錬所・精製所の数が増える一方、RMAP認証取得製錬所がRMI認定から多数除外される傾向にあることから、RMAP認証取得製錬所率が一時的に減少傾向にあります。引き続き、一次サプライヤーを通じて二次以降のサプライヤーに対してRMAP認証取得製錬所への切り替えの呼びかけを行っていきます。
2021年度調査より、CMRT/EMRTの回答申告範囲を会社単位(A:Company)ではなく、リコーグループに納品している部品・製品単位(B:Product)で申告の上、回答するようサプライヤーに依頼をし、2024年度はその結果 約9割のサプライヤーに部品・製品単位での回答対応をいただきました。

この一次サプライヤーからの回答情報を分析した結果、一部製品が対象国(コンゴ民主共和国および隣接国)由来の部品や原材料を含有している可能性があることを確認しました。そのため、関係する一次サプライヤーについてデューディリジェンスを実施しました。本調査への回答がなく、SAQの評価結果より改善の必要性があると判断されるサプライヤーについては、今後の取引について協議します。更に、2020年度より、リコーグループに対してコバルトを含む製品や部品を供給したサプライヤーを特定し、コバルトサプライチェーンの調査も進めています。2024年度の調査対象サプライヤーからの回答回収率は98%で、特定されたコバルト製錬所・精製所総数80社、うちRMAP認証取得精製所数は43社となりました。
今後も引き続き、JEITAやRMIなどの業界団体との連携及び、デューディリジェンス活動を継続していきます。

2022年度 2023年度 2024年度
合計 タンタル スズ タングステン
製錬所・精製所総数 345 344 341 179 35 72 55
RMAP認証取得(コンフフリクトフリー)精錬所・精製所数 229 222 210 91 32 52 35
RMAP Active*6 製錬所 9 4 6 2 1 2 1
RMAP認証取得/Active製錬所率 69% 66% 63% 52% 94% 75% 65%
調査票回収率 96% 98% 98%
コバルト
2022年度 2023年度 2024年度
製錬所・精製所総数 72 79 80
RMAP認証取得(コンフフリクトフリー)精錬所・精製所数 39 45 43
RMAP Active製錬所 5 5 4
RMAP認証取得/Active製錬所率 61% 63% 59%
調査票回収率 92% 97% 98%

*6 RMAP Active: RMAP監査中、もしくは監査を受けることを約束している製錬所/精製所

特定された製錬所情報は、 リコーグループサプライチェーンにおけるRMI によって認識された製錬業者/精製業者一覧リストをご覧ください。

PDFを開く リコーグループサプライチェーンにおけるRMI によって認識された製錬業者/精製業者一覧リスト

外部団体への参画

リコーグループは以下の団体と連携し、紛争鉱物の課題解決に向けて、業界全体として取り組んでいます。

グリーン調達の取り組み

グリーン調達の推進

リコーグループは、サプライチェーン全体の環境負荷低減に向け、サプライヤーの皆様と協力しながら環境保全の取り組みの強化に努めています。また、サプライヤーの皆様への環境保全活動支援として、サプライヤーの皆様にリコーグループの環境マネジメントシステム(EMS)を構築していただくための「EMSガイドライン」や「グリーン調達基準」を定め、この基準に従って製品に使用される原材料・部品の調達を行っています。さらに、化学物質管理システム(CMS)構築のための「CMSガイドライン」を設け、教育や運用支援を行っています。

サプライチェーンにおける化学物質管理

リコーグループでは、サプライチェーン全体での化学物質管理システム(CMS)構築を目的に、サプライヤーの社員を対象にしたCMS審査員の育成と認定を2005年から実施しています。認定されたCMS審査員は自社の内部監査のほかに、環境影響化学物質を扱う重要工程を持つ上流サプライヤーの審査とCMS構築の支援を行います。
日本においては継続的にCMS審査員研修会を実施して、リコーグループが要求する化学物質管理に関する技術支援を行っています。
前半は座学でCMSの知識の教育を行い、後半はCMS審査のロールプレイングを実施し、習得した知識・技術を実践の場で活用し、他者にも指導できるようにトレーニングを行います。2021年度からは、新しい試みとしてオンライン研修会を導入しています。今後も引き続き、審査員としてのレベルアップを支援していきます。

画像:サプライヤーへのCMS審査員研修会風景

サプライヤーへのCMS審査員研修会風景

  リコーグループ サプライヤー
CMS審査員累計認定数※ 332名 3,036名

※制度開始時からの実績で、リコーグループ内は2004年度、サプライヤーは2005年度からの実績です。

  1次サプライヤー 2次サプライヤー
2024年度CMS審査社数 85社 42社

リコーグループは、各国・地域の法規制に対応してタイムリーに管理基準を見直しています。2024年度は、環境影響化学物質管理基準を1度改訂し、含有禁止物質調査を実施しました。
含有禁止物質の含有が認められた場合は、部品・原材料の切り替えやサプライヤーへの改善を要請し、含有禁止物質が非含有になったことを確認しました。

サプライヤーとの信頼関係の構築

サプライヤーの皆様との相互的な発展が重要と考え、強固な信頼関係と長期的な協力関係の構築に取り組み、以下のような活動を通じて、ESGの重要性をサプライヤーの皆様と共有し、双方向のコミュニケーションによって理解を深めています。

  • リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範の共有
  • 生産動向の紹介
  • ESG説明会の開催
    ESG説明会を通じて、サプライヤーの皆様への教育・トレーニングを実施しています。リコーの取り組みやサプライヤー・パートナー行動規範といった基本事項について説明するところから開始し、現在では、脱炭素の目標設定、ESG監査の実施、高リスクと判定したサプライヤーの皆様への改善プログラムの実施等、より発展した内容についてご説明しています。
  • パートナーシップ構築宣言
  • サプライヤー・パートナーホットライン

また、サプライヤーの皆様との間で運用するネットワークインフラ「RaVenderNET」を構築し、生産情報、原材料や部品の環境負荷情報だけでなく、ESG調達に関する情報交換にも活用しています。

調達方針に関する説明会の開催

リコーグループ購買方針説明会を毎年開催し、サプライヤーの皆様に対して調達方針やESG方針をご説明しています。リコーグループの日々の安定した生産活動は、サプライヤーの皆様のご協力の賜物であり、WIN-WINの精神のもとに、更なる信頼関係を構築する場としています。2019年は中国(上海、深圳)およびタイ(バンコク)において購買方針説明会を開催しました。(2021年は新型コロナウィルスの影響により中止) また、サプライチェーン全体で歩調を合わせたESG活動に取り組んでいくため、サプライヤーの皆様向けのESGセミナーも開催しています。2019年度は、海外のサプライヤーの皆様を対象に、タイと中国(深圳、上海)でCSR説明会(2021年度からESG説明会に改称)を開催し、地球環境問題などの社会課題やSDGsの意義、リコーグループが取り組む方針・目標などをサプライヤーの皆様と共有しました。2020年度以降は、コロナウイルスの影響により、オンラインと対面のハイブリッド型で開催しています。さらに、SAQを実施し、RBA基準による労働、安全衛生、環境、倫理、マネジメントシステム等の内容の確認を行いました。フィードバックでは規範の遵守レベルを示し、改善の余地がある項目だけではなく、優れている項目も具体的に提示し、双方向のコミュニケーションを図りました。また、高リスクサプライヤーの皆様とは個別に改善策を協議し、改善活動に取り組んでいます。サプライヤーの経営者、従業員と共に改善策を策定・実践し、その後の状況を確認するフォローアップ監査まで実施しています。

画像:CSR説明会の開催

説明会の開催(リコー本社/東京都)

画像:ESG説明会の開催

関連会社でのESG説明会(中国・東莞)

パートナーシップ構築宣言

リコーは、内閣府および中小企業庁が推進する「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、宣言企業として登録しています。サプライチェーン全体の付加価値向上と共存共栄の関係構築を目指し、取引先や関係企業とのオープンで公正な取引を推進しており、パートナーの皆さまとともに持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

パートナーシップ構築宣言

取引と支払い管理の適正化の取り組み​

国内リコーグループでの直接材の取引にあたっては、支払条件について双方確認の上取引を開始し、下請法に基づき対象となる事業者様には支払い条件などを記載した書面を発行します。検収情報が経理システムに自動連係され、条件に基づく支払処理を実施し、支払金額、支払日、明細が記載された「支払通知書」を発行しています。​
間接材の取引においては、特に副資材を中心に見積、発注、検収まで一元管理できるシステムでの管理対応を進めております。条件通りに支払が実行されるよう、処理の督促機能や、発注後にリコーグループからの金額変更ができない仕組みとなっています。

サプライヤー・パートナーホットライン

リコーは、リコーグループ各社の役員・従業員による、法令・規則、「リコーグループ企業行動規範」に対する違反行為、およびサプライヤー・パートナー様との契約に違反する行為について、サプライヤー・パートナー様よりご通報いただく窓口「サプライヤー・パートナーホットライン」を設置し、定期的にシステムテストを行い、維持運用を行っています。
2022年度は1件の通報がありましたが対応が完了しており、2023年度と2024年度は申し立てがありませんでした。

(1)「サプライヤー・パートナーホットライン」の受付内容

リコーグループ各社の役員・従業員の行為が、法令・規則、「リコーグループ企業行動規範」、「パートナーシップ構築宣言」、 あるいはサプライヤー・パートナー様との契約に違反している(またはそのおそれがある)と認識された場合には、具体的な情報をこの「サプライヤー・パートナーホットライン」までご連絡下さい。 尚、事実と異なる、あるいは誹謗・中傷・脅迫・業務妨害など不正な目的をもってのご通報はご遠慮下さい。

(2)「サプライヤー・パートナーホットライン」へのご通報の方法

「サプライヤー・パートナーホットライン」へのご通報は、このホームページのご通報フォームで受け付けています。原則として実名での通報をお願いいたします。匿名での通報も受け付けますが、その場合は事実関係の確認等に限界があり、十分な調査を行うことができない可能性があります。また、対応結果等についてご連絡できないことをご了承ください。

(3)ご通報に対する対応

「サプライヤー・パートナーホットライン」へのご通報内容は、リコーの通常の調達取引に関与しない担当部門にて受信し、事実関係を調査致します。調査の結果、是正措置が必要な場合は、迅速に対応を図ります。
リコーグループは、ご通報頂いたサプライヤー・パートナー様に対して、通報したこと自体を理由として不利益に取扱う行為は致しません。

(4)個人情報の取り扱いについて

本フォームで収集した個人情報は、ご本人の同意がある場合および法令に基づく場合を除き、事実確認、調査等のために必要な者以外に開示せず、お問い合わせの回答および対応上必要な手続きにのみ利用させていただきます。
これらの個人情報は適切な安全対策の下に管理し、調査等を通じて情報提供されたサプライヤー・パートナーの皆さまに不利益など生じないよう、その管理を徹底致します。事前にお客様の同意なく第三者への開示・提供はいたしません。
なお、本フォームで収集した個人情報およびお問い合わせ内容は、事実確認、調査等のために必要な範囲で、またご本人へのお問い合わせ、返信の目的及び品質向上のためリコーグループ関係部門で共同利用させていただきます。
個人情報の取り扱いについては、個人情報の取扱いについてをご覧下さい。

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