「気候変動」は、グローバル社会が直面している最も重要な社会課題の1つです。気候変動の悪影響は、世界各地で顕著になっており、自然災害の増加だけでなく食料生産や経済安全保障にも影響を与える深刻な問題になっています。企業には、気候変動への対応として脱炭素に向けた取り組みの強化が求められています。
リコーグループは、目指すべき持続可能な社会の姿を、経済(Prosperity)、社会(People)、地球環境(Planet)の3つのPのバランスが保たれている社会「Three Ps Balance」として表しています。
「環境負荷削減と地球の再生能力向上に取り組み、事業を通じて脱炭素社会、循環型社会を実現する」というリコーグループ環境宣言のもと、地球環境分野では脱炭素社会の実現をマテリアリティ(重要社会課題)の1つに位置づけています。IPCCなどの科学的知見やパリ協定などの国際的な合意を尊重し、バックキャスティングで設定した目標の達成に向けGHG(温室効果ガス)排出量の削減活動を実施しています。
1.徹底的な省エネ・燃料転換の推進
2.再生可能エネルギーの積極的な利活用
3.サプライチェーンにおけるGHG排出量の可視化と削減
環境・社会・ガバナンス分野におけるリコーグループの中長期的な課題を経営レベルで継続的に議論していくため、CEOを委員長とするESG委員会を2018年5月に設置しました。四半期に一度開催される委員会では経営幹部参画の元、脱炭素分野における取り組み状況や課題・投資判断など経営上の重要なテーマとして位置づけ審議を行っています。審議内容は定期的に取締役会へも報告されESG経営を高次元で実現する執行の監督を行っています。
中期経営戦略として策定された全社ESG目標の一つとしてGHG排出量目標を設定すると同時に、ビジネスユニット毎にGHG排出目標を設定し、事業年度毎に予実績管理を行っています。クラウドシステムにより集計したグローバル約900拠点における環境パフォーマンスデータを分析し、PDCA管理に活用しています。
リコーグループは、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出のネットゼロを達成することを目指しています。
短期目標である2030年までのスコープ1,2,3排出量削減および長期目標である2040年までのスコープ1,2排出量削減と合わせて、国際的なイニシアチブであるScience Based Targets initiative (SBTi)から、パリ協定1.5度目標に整合した科学的根拠に基づく目標として認定されています。また、2040年までに事業活動で使用する電力の再生可能エネルギー比率100%達成を掲げ、脱炭素化の取り組みを強化しています。
| 目標年度 | GHG排出削減 |
再生可能 エネルギー比率*1 (電力) |
|
|---|---|---|---|
| スコープ1,2 | スコープ3 | ||
| 2030年度 | 75%削減*2 |
40%削減*2 (調達・輸送・使用カテゴリー) |
85% |
| 2040年度 |
90%削減*2 実質排出ゼロ*3 |
65%削減 (全カテゴリー) |
100% |
| 2050年度 | 90%以上削減 |
90%削減*2 (全カテゴリー) |
ー |
| スコープ1,2,3 ネットゼロ*2,3 | |||
GHG排出削減割合(%)は全て2015年比
スコープ 1,2削減
再生可能エネルギーの積極的な利活用
徹底的な省エネ・燃料転換の推進
スコープ3削減
サプライチェーンでのGHG排出量削減
Scope 1.2削減
再生可能エネルギーの積極的な利活用
徹底的な省エネ・燃料転換の推進
Scope3削減
サプライチェーンでのGHG排出量削減
| 実績 |
GHGスコープ1,2
GHGスコープ3(Cat.1調達・Cat.4輸送・Cat.11使用)
使用電力
※第三者検証中の暫定値。確定値は2026年8月に開示予定 ※組織体制の変更に伴い、開示対象範囲を見直し、関連する数値を再算出 |
|---|
再生可能エネルギーの積極的な利活用
再エネ電力証書の購入、オンサイトPPA の導入を進め、海外では2030 年までにRE100
化完了を目指します。日本国内では再エネ電力のコストダウン、調達手段の多様化を有志企業とともに政府に働きかけ、再エネ導入加速に尽力すると同時に、地域社会と共生する責任ある再エネ調達の取り組みを推進していきます。
徹底的な省エネ・CO2 削減活動の展開
生産拠点においては製造プロセス改善、高効率・省エネ設備導入や設備の電化を進めます。非生産拠点においては日本国内ではZEB
事業所社屋を拡大し、海外では省エネ型オフィスへの移転を促進させます。社用車においてはエコドライブの徹底、EV
車両、燃料電池車などへの転換を進めていきます。
ボイラーによる蒸気使用など電化困難なスコープ1削減の課題にも着手し、水素等の将来技術の導入に取り組みます。
<各削減施策の取り組み規模と削減効果(2024年度を起点とする)>
※下図は目標策定を行った2025年度時点に試算したものであり、その後のリコーグループの組織体制変更等による過年度の排出量実績の改訂は未反映です。
<スコープ1, 2削減ロードマップ>
バリューチェーン全体でサプライヤー、顧客、輸送委託業者などと連携として、スコープ3 削減に向けて取り組みます。
2030年に向けたスコープ3削減シナリオ
<各削減施策の取り組み規模と削減効果(目標策定をした2022年度を起点とする)>
※下図は目標策定を行った2022年度時点に試算したものであり、その後のリコーグループの組織体制変更等による過年度の排出量実績の改訂は未反映です。
<スコープ3削減ロードマップ>
リコーグループでは、自らの事業活動によるGHG排出量(スコープ1,2,3)を算出し、これらの削減を環境目標としています。事業の成長や新規事業への参入に伴って、GHG排出量は増加していきます。しかし、例えば、新規に開発した複合機の省エネ性能を向上させ消費電力量を削減し、旧機種との置き換えによって社会の温室効果ガス排出量を削減できたり、リコーが市場への販売拡大を目指すデジタル印刷機は、市場の多品種少量ロット化のニーズ拡大に対し、従来のオフセット印刷機と比較して、在庫抑制、電力消費量を削減できたり、結果として社会全体で見た環境負荷を減らすことができます。このように、リコーの製品やソリューションによって社会で削減された温室効果ガスを「削減貢献量」としています。
目標:2025年度末: 1400千t
実績:
|
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
||
|---|---|---|---|---|---|
|
省エネルギー製品の提供 |
複合機やプリンターの省エネ化や照明・空調制御システムの導入により削減されたCO2量を算定 |
197 | 226 | 240 | 114 |
|
製品の省資源化 |
回収された製品のリユース・マテリアルリサイクルの促進、製品の小型・軽量化、環境に配慮した剥離紙を用いない感熱ラベルなどにより削減された原材料・部品調達起因のCO2排出量を算定。 |
74 | 67 | 65 | 79 |
|
デジタルサービスの提供 |
オフセット印刷からデジタル印刷への転換による紙、印刷版削減などお客様先やサプライヤーとのCO2削減活動で社会全体で削減されたCO2排出量を算定。 |
762 | 752 | 754 | 1,255 |
|
合計(千t-CO2eq) |
1,033 | 1,045 | 1,059 | 1,448 | |
その他、脱炭素社会の実現に関する実績はこちらをご覧ください。
スコープ1,2排出量削減への取り組み
【再生可能エネルギーの積極的な利活用】
【徹底的な省エネ・燃料転換の推進】
スコープ3排出量削減への取り組み