Change Country/Area リコーグループ企業・IRサイト

CEOのサステナビリティに関するメッセージ

代表取締役 社長執行役員・CEO 山下 良則

気候変動による自然災害の増加や格差の拡大、各国での少子高齢化といった社会課題に加え、近年の紛争や地政学的リスクは、エネルギーや資源供給の不確実性を一段と高め、世界経済や企業経営に深刻な影響を及ぼしています。また、生成AIの急速な進化は、産業構造を大きく変え、新たなビジネスの可能性を広げる一方で、その活用格差や倫理的課題といった新たな論点も顕在化しています。

こうした環境変化を背景に、サステナビリティを巡る政策・規制も変化しています。米国でのESG政策の見直しやEUにおける規制簡素化、環境関連投資の一部減速が見られるなか、気候変動や人権に関する情報開示やデュー・ディリジェンスの義務化、AIに関する法整備など、企業に求められる責任はより高度化・厳格化しています。サステナビリティへの取り組みは、企業の競争力や成長性を左右する重要な経営課題になっています。

こうした変化は、お客様との商談にも表れています。特に欧州各国政府やグローバル企業を中心にESGに関する要求は高く、製品の環境性能やサプライチェーンにおける人権配慮などが、価格・機能・品質と並ぶ評価項目として重視される場面が増えています。リコーグループは、こうした社会や市場の変化を見据え、ESGを経営の中核に据えた取り組みを強化してきています。

リコーグループの創業の精神である「三愛精神」は、事業や仕事を通じて社会全体を豊かにすることを目指すものであり、現在に至るまで私たちの企業活動の原点となっています。さらに1998年には「環境経営」を提唱し、持続可能な社会の実現と事業成長を一体のものとして、継続的に取り組んできました。

2025年度までの第21次中期経営戦略では、「ESGと事業成長の同軸化」を基本方針に掲げ、事業戦略を後押しするマテリアリティおよびESG目標を設定するとともに、その達成状況を役員報酬と連動させることで、経営レベルでのコミットメントを強化してきました。環境分野では、再エネ電力の導入による温室効果ガス(GHG)排出量削減を進めるとともに、サーキュラーエコノミー型ビジネスへの転換を目指した「LC変換*1」戦略を打ち出し、最新のセキュリティ対応やユーザービリティを備えた再生機の提供を開始するなど、“最新機能を提供できない”という再生機におけるトレードオフも解消しました。また、人権分野では、人権デュー・ディリジェンスの仕組みと苦情処理メカニズムを整備し、サプライヤーの皆様との連携を通じて、サプライチェーン全体でのリスク管理と改善を図りました。

これらの取り組みは、お客様からのESG要求の高まりに対する対応力強化にもつながっています。私たちは、ESG対応を単なるコストではなく、事業成長や競争優位を生み出し、将来の財務につながる活動ととらえ、取り組みを進めました。その成果のひとつとして、EcoVadis *2の評価においては2年連続で最高位の「プラチナ」を獲得するなど、国際的にもトップレベルのESG評価を獲得しています。

2026年度からの新たな中期経営戦略では、「ESGと事業成長の同軸化」をさらに深化させていきます。リコーが掲げる持続可能な社会の姿である「Three Ps Balance*3」への貢献をより具体化するために、2030年のKGIを設定するとともに、新たに定めた6つのマテリアリティと15のESG目標の達成に取り組んでいきます。今後は、お客様のESG要求やESG分野での支援ニーズへの対応はもちろん、LC変換やペロブスカイト太陽電池など、環境負荷削減に貢献する事業や技術への投資を通じて、新たな価値創造と事業拡大を目指します。

また、企業価値向上の原動力である人材への投資も引き続き重視します。社員一人ひとりに成長機会を提供し、社会課題解決に社員が主体的に取り組むことで、「はたらく歓び」を実感できる組織風土を育んでいきます。さらに、積極的な情報開示とステークホルダーの皆様との対話を通じて、活動および情報開示の質のさらなる向上に努めます。

リコーグループは今後も、ESGを競争優位の確立と企業価値向上の原動力と位置づけ、持続可能な社会の実現と事業成長の両立に向け、着実に取り組んでまいります。

代表取締役 社長執行役員CEO
大山 晃

  • *1LC変換:原材料を調達して製品を製造し、使用後に廃棄する一方通行型のリニア(L)エコノミーから、資源を循環利用するサーキュラー(C)エコノミーに移行するリコーの戦略
  • *2EcoVadis:企業の環境・社会・ガバナンス側面を評価する国際的な評価機関であり、多くのグローバル企業がサプライヤーの選定に評価結果を活用
  • *3Three Ps Balance:経済(Prosperity)・社会(People)・地球環境(Planet)の3つのPのバランスが保たれている社会
PAGE TOP