世界人口の増加や経済発展と共に、水ストレスの増大や水質汚染が社会的な問題となっており、企業活動でも水資源の有効活用、汚染防止などが求められています。
リコーグループにおいても、トナー生産をはじめとし水資源は不可欠なものです。事業特性や地域環境により影響はさまざまですが、リコーグループでは水資源に関する方針を策定し、事業や地域環境への影響を把握・考慮した活動をグローバルに展開して、水資源の有効利用を進めています。また、水問題の特性である地域性を踏まえ、地域社会やサプライヤーなど多くの方々と連携して、水資源課題の解決に取り組んでいます。
環境・社会・ガバナンス分野におけるリコーグループの中長期的な課題を経営レベルで継続的に議論していくため、CEOを委員長とするESG委員会を2018年5月に設置しました。四半期に一度開催される委員会では経営幹部参画の元、水リスクを含む環境分野における取り組み状況や課題・投資判断など経営上の重要なテーマとして位置づけ審議を行っています。審議内容は定期的に取締役会へも報告されESG経営を高次元で実現する執行の監督を行っています。
また、リコーグループでは事業所ごとに水資源のマネジメント体制を構築し、排水および取水の管理を行っています。
事業年度ごとに予実績管理を行っています。クラウドシステムにより集計したグローバル約300拠点における取水および排水データを分析し、PDCA管理に活用しています。
国際環境NGOの世界資源研究所(WRI)の「Aqueduct Water Risk Atlas」を活用し、生産拠点の水ストレスおよび水枯渇リスクを確認し、水リスク評価を実施しています。「Aqueduct Water Risk Atlas 3.0」で設定されている指標のうち、「Baseline Water Stress」および「Future Water Stress」 が「高」以上で、かつ「Inter-annual Variability」が「中~高」 の事業拠点を「水ストレス地域」と位置付けています。評価の結果、リコーグループの総取水量のうち、水ストレス地域からの取水率 は 10%未満であり、また、リコーの事業に財務面もしくは戦略面で実質的影響を及ぼす可能性のある水関連リスクをもつ施設は全事業拠点の10%未満であることを確認しています。
リコーグループは、地域環境の保全を重視しながら、水使用にあたっては極力有効活用するよう、グループ全体の目標を設定して、活動に取り組んでいます。行政から取水量の要求値が定められており、かつ水ストレスが懸念される地域については、行政の要求値を遵守し、かつ事業特性に応じた効率的な水の利用を計るための指標を用いて目標設定を行っています。規制遵守及び地域の水課題解決をするために、規制より厳しい自主基準を設けて、活動しています。
目標:使用量を前年度実績以下に削減する
データ収集範囲:リコー(生産・非生産事業所)、国内外関連会社
水使用量推移
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