世界人口の増加や経済発展と共に、水ストレスの増大や水質汚染が社会的な問題となっており、企業活動でも水資源の有効活用及び水使用量の削減、汚染防止などが求められています。
リコーグループにおいても、トナー生産をはじめとし水資源は不可欠なものです。事業特性や地域環境により影響はさまざまですが、リコーグループでは水資源に関する方針を策定し、事業や地域環境への影響を把握・考慮した活動をグローバルに展開して、水資源の有効利用・削減を進めています。また、水問題の特性である地域性を踏まえ、地域社会やサプライヤーなど多くの方々と連携して、水資源課題の解決に取り組んでいます。
リコーグループでは、主要生産拠点を含むグローバル約300拠点において、使用量、排水量、リサイクル量(再使用・再生利用水量)を把握したうえで、水管理計画を策定し、事業年度ごとに予実績管理を行っています。当社グループの環境負荷収集システムにより集計した取排水データを分析し、PDCA管理に活用しています。
国際環境NGOの世界資源研究所(WRI)の「Aqueduct Water Risk Atlas」を活用し、生産拠点の水ストレスおよび水枯渇リスクを確認し、水リスク評価を実施しています。「Aqueduct Water Risk Atlas 4.0」で設定されている指標のうち、「Baseline Water Stress」または「Baseline water depletion」が「高」以上の事業拠点を「水ストレス地域」と位置付けています。評価の結果、リコーグループの総取水量のうち、水ストレス地域からの取水率は10%未満であり、水ストレス地域に所在する拠点はリコーグループ全事業拠点の10%未満であることを確認しています。水ストレス地域は、中国、タイ、インドネシア、米国で操業する6拠点であり、2023年度の取水量は263,692㎥です。水ストレス地域における対応として、積極的に行政や地域住民等のステークホルダーの皆様と対話を行っています。一例として、行政からの取水量制限値を大きく下回る自主目標値を作成し、達成できた取組みがあげられます。
リコーグループは、地域環境の保全を重視しながら、水使用にあたっては極力有効活用するよう、グループ全体の目標を設定して、水使用量を評価して水効率改善の機会を特定し活動に取り組んでいます。行政から取水量の要求値が定められており、かつ水ストレスが懸念される地域については、行政の要求値を遵守し、かつ事業特性に応じた効率的な水の利用を計るための指標を用いて目標設定を行っています。規制遵守及び地域の水課題解決をするために、規制より厳しい自主基準を設けて活動しています。
目標:使用量を前年度実績未満に削減する(2023年度目標値:<3,170 (1,000㎥)/2024年度目標値:<3,124 (1,000㎥))
データ収集範囲:リコー(生産・非生産事業所)、国内外関連会社
水使用量推移
実績
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|
使用量(1,000㎥) | 3,266 | 3,184 | 3,170 | 3,124 |
排水量(1,000㎥) | 2,418 | 2,412 | 2,572 | 2,234 |
消費量(1,000㎥) | 848 | 772 | 598 | 890 |
再使用・再生利用水量 | 296 | 234 | 252 | 254 |
再使用・再生利用水率(%) | 8 | 7 | 7 | 8 |
※データの精度向上に伴い2020年度からのデータを訂正しています
水ストレス地域拠点のうちShanghai Ricoh Digital Equipment Co., Ltd.では行政当局との協議のもと、節水目標を立てて取り組んでいます。
2023年度 目標: 48.2(1,000㎥)
2023年度 実績: 42.7(1,000㎥)
2023年度、排水規制を含む環境法規制に関する違反・罰金等は発生していません。
その他、水資源の有効活用に関する実績はこちらをご覧ください。
リコーグループは取水量削減目標を定めて以下の活動を行っています。