機能戦略

ESG戦略

ESGと事業成長の同軸化を進め、世界の持続可能性向上に責任を果たす

リコーグループは、1998年に世界に先駆け「環境経営」を提唱し、20年以上にわたり「環境保全と利益創出の同時実現」に取り組んできました。この取り組みを土台に、「ESGと事業成長の同軸化」を方針に掲げ、ESG/SDGsの経営戦略、経営システムへの統合を進めています。

21次中経では、「ESGグローバルトップ企業」を目指し、バリューチェーン全体を俯瞰した活動を進めています。

鈴木 美佳子

ESG・リスクマネジメント担当

グローバルトップに向けた戦略

ESGの取り組みは将来の財務を生み出すために不可欠なものと位置付け、以下を重点に推進しています。

  • 「グローバルなESG潮流への対応」と「デジタルサービスの会社への変革の後押し」の視点から7つのマテリアリティと16のESG目標を設定
  • ESG目標と役員報酬の連動など、経営システムとの統合の強化
  • 事業を通じた社会課題解決とお客様への提案強化
  • アドボカシー活動とグローバル発信の強化
  • 積極的な情報開示、ステークホルダーとの双方向コミュニケーションの継続

ESG推進体制

環境・社会・ガバナンス分野における課題を経営レベルで継続的に議論し、グループ全体の経営品質向上につなげることを目的にESG委員会を設置しています。ESG委員会はCEOを委員長とし、社内取締役を含むグループマネジメントコミッティ*メンバーとビジネスユニットプレジデントから構成され、四半期に一度開催する意思決定機関です。

ESG委員会では、サステナビリティ領域における事業の将来のリスク・機会や、重要社会課題(マテリアリティ)の特定、ESG目標の設定等について審議しています。重要な審議内容については、取締役会の承認を経て決定しています。

またESGをグループ全社に浸透させるためには、各部門の活動に落とし込むことが重要ととらえています。ESG目標は各部門にブレイクダウンし進捗を管理するとともに、部門ごとの独自目標も設定し、ESGと事業成長の同軸化に向けて、それぞれが主体的に取り組んでいます。

  • グループマネジメントコミッティ:取締役会から権限移譲された意思決定機関として一定の資格要件を満たす執行役員で構成

グループのガバナンス体制

グループのガバナンス体制図

21次中経のマテリアリティとESG目標

目指すべき持続可能な社会の姿(Three Ps Balance)の実現に向けて、気候変動や人権対応要請など、環境・社会動向の変化による自社の事業活動への影響および自社の事業活動が環境・社会に与える影響を、リスクと機会の観点で評価し、中期経営戦略において特に重点的に取り組む7つのマテリアリティとそのKPIである16のESG目標を設定しています。

マテリアリティとESG目標はESG委員会にて審議の上、財務目標とともに取締役会での承認を経て決定し、年度ごとの実績を毎年開示しています。2025年度目標達成に向けて一部進捗に遅れがあるものの、概ね順調に推移しています。

事業を通じた社会課題解決

マテリアリティ 2030年目標 注力事業 21次中経ESG目標
(2025年度末)
2023年度
実績
2025年度目標
達成に向けた
進捗と取り組み
“はたらく”の変革 価値を提供するすべての顧客の“はたらく”の変革に貢献
  • オフィスサービス
  • スマートビジョン

など

①顧客からの評価*1 29% 日本  26%
北米  39%
中南米 65%*2
欧州  25%
APAC*3 17%
地域間の好事例
共有と水平展開
地域・社会の発展 3,000万人の生活基盤向上に貢献
  • GEMBA*4
  • 自治体ソリューション
  • 教育ソリューション

など

②生活基盤向上貢献人数 2,000万人 1,794万人 計画どおり進捗
脱炭素社会の実現 GHGスコープ1,2の63% 削減及びスコープ3の40% 削減
  • 環境配慮型複合機
  • 商用印刷
  • シリコーントップ
    ライナーレスラベル
  • ラベルレスサーマル

など

③GHGスコープ1,2削減率(2015年比) 50% 50.6%
④GHGスコープ3削減率 (2015年比) 35% 38.5%
使用電力の再生可能エネルギー比率50% ⑤使用電力の再生可能エネルギー比率 40% 33.6%
⑥削減貢献量 1,400千t 1,059千t
循環型社会の実現 バリューチェーン全体の資源有効活用と製品の新規資源使用率60%以下 ⑦製品の新規資源使用率 80%以下 78 9%
  • *1
    デジタルサービスの会社としてご評価いただけたお客様の割合
  • *2
    中南米はソリューション顧客を対象にした調査
  • *3
    APAC:アジアパシフィック
  • *4
    GEMBA:オフィス以外(店舗・倉庫など)を対象とした保守・サービス事業

経営基盤の強化

マテリアリティ 21次中経ESG目標
(2025年度末)
2023年度
実績
2025年度目標達成に
向けた進捗と取り組み
責任あるビジネスプロセスの構築 ⑧CHRBスコア*5 ICTセクタートップ セルフアセスメント実施完了 特定された優先課題の確実な改善活動の実施
⑨NIST SP 800-171準拠自社基盤事業環境カバー率 80%以上 保護すべき情報の特定及びアセスメント実施中 保護すべき情報の特定及びアセスメントの早期完了
⑩低コンプライアンスリスクグループ企業比率 80%以上 高リスク組織に対してパルスサーベイ実施完了 計画どおり進捗
オープンイノベーションの強化 ⑪共同研究・開発契約のウェイト 25% 23%
⑫デジタルサービス特許出願比率*6 60% 54.7%
多様な人材の活躍 ⑬リコーデジタルスキルレベル2以上の人数(国内) 4,000人 2,855人
⑭プロセスDXシルバーステージ認定者育成率*7 40% 21%
⑮エンゲージメントスコア*8 グローバル:3.91
日本:3.69
北米:4.18
中南米:4.14
欧州:4.01
APAC:4.15
グローバル:3.79
日本:3.57
北米:4.00
中南米:3.90
欧州:3.92
APAC:4.03
⑯女性管理職比率 20%
(国内10%)
16.5%
(国内7.7%)
  • *5
    CHRB (Corporate Human Rights Benchmark)スコア:機関投資家とNGOが設立した人権関連の国際イニシアチブ。5セクター(農産物、アパレル、採掘、ICT、自動車)のグローバル企業から約250社を選定して評価
  • *6
    特許出願数に占めるデジタルサービス貢献事業に関する特許出願数の割合
  • *7
    プロセスDXの型に基づいたプロセス改善実績のある人材の育成率 (母数は各ビジネスユニットの育成対象組織総人員数)
  • *8
    Gallup社のQ12Meanスコアを採用

役員報酬へのESG目標の組み込み

役員賞与との連動

ESGの取り組みの確認ツールとして活用している「DJSI年次レーティング」を取締役および執行役員の業績連動型賞与の計算式に組み込むことで、ESGの取り組みへのインセンティブとしています。また、執行役員は担当領域におけるESG目標も評価指標の一部として報酬に連動させることで、各ビジネスユニット・グループ本部のESG目標達成に対するコミットメントを強化しています。

役員株式報酬との連動

21次中経がスタートした2023年度からは賞与に加え、取締役向けにESG目標を組み込んだ業績連動型株式報酬を導入しています。全社で定めたESG目標の達成項目数と支給率を連動させています。また、2024年度からは執行役員にも同制度を導入しています。

(ご参考)社内取締役の賞与フォーミュラ

(ご参考)社内取締役の業績連動型株式報酬フォーミュラ

事業を通じた社会課題解決の強化

ESGと事業成長の同軸化の進捗をより具体的にステークホルダーの皆様にお示しするため、社会課題解決に貢献する事業とその貢献⾦額を明確化し、2025年度までの売上高目標を設定しました。

2023年度の実績は、「“はたらく”の変革」は前年度比+19%の9,260億円、「地域・社会の発展」は前年度比+54%の200億円、「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」は前年度比+102%の3,150億円とそれぞれ伸長しています。

社会課題解決型事業と売上目標・2023年度実績

Prosperity (持続可能な経済)“はたらく”の変革 2025年度 目標 10,500億円 2023年度 実績 9,260億円 (前年度比+19%)People (持続可能な社会)地域・社会の発展 2025年度 目標 500億円 2023年度 実績 200億円 (前年度比+54%)Planet (持続可能な地球環境) 脱炭素社会の実現 循環型社会の実現 2025年度 目標 4,500億円 2023年度 実績 3,150億円 (前年度比+102%)

事業を通じた社会課題解決の事例

業種・業務ごとに課題解決をサポートするスクラムシリーズで“はたらく”の変革に貢献

労働人口が減少し続けている日本において、生産性向上は喫緊の課題。ICT利活用の促進によるDXの加速が求められています。一方で、DXを推進するデジタル人材、ノウハウの不足が問題となっており、特に中小企業でICT活用がいまだ不十分と言われる要因となっています。リコーグループは、現場のニーズ把握と商品開発、オフィスプリンティング事業で培った顧客基盤、全国に広がる販売・サービス網と導入から運用まで伴走する力を活かして、お客様の業種・業務の課題解決をサポートするソリューションパッケージ「スクラムシリーズ」をご提供。生産性向上による時間創出と、成長領域であるオフィスサービスでのストック収益の獲得を同軸で実現していきます。

社会課題解決への貢献

デジタルの力で中小企業のDXを支え、“はたらく”の変革に貢献

  • 2023年度は86,769件導入、計5,672万時間の創出に貢献
  • 移動減に伴うGHG排出量の削減にも貢献

事業成長

  • スクラムシリーズの継続伸長により、利益率の高いストック収益の積み上げを加速
  • 2023年度は年間売上高594億円に伸長

お客様からのESG要求への対応

世界中でESGに関する法規制が進んでいます。それを受けてグローバル企業を中心に、契約書にESG関連の要求が盛り込まれるケースやリコーグループのESGの取り組み状況の確認・アンケート提出依頼があるケースが増加しています。例えば、製品の環境ラベル、再生材の使用率、人権配慮の取り組み状況などが問われています。

また、商談参加の前提条件としてESG外部評価のスコアやレーティングを提出するケースも増えています。例えばお客様からのEcoVadis*スコア開示要求数は2019年度は24件でしたが、2023年度は84件にのぼっています。

ESGはビジネスにおいて必須となっており、お客様からの期待、そして世の中の期待に応えるべくESGの強化に取り組んでいます。

  • EcoVadis: フランスのサステナビリティ・サプライチェーンの評価会社

EcoVadisスコア開示要求数の推移

EcoVadisスコア開示要求数の推移グラフ

アドボカシー活動とグローバル発信の強化

国内外のイニシアチブに積極的に参画し、必要な政策の導入と企業の対策の活性化に向けてリーダーシップを発揮しています。2023年は、リコー会長の山下良則が、JCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)の共同代表として、気候変動問題への科学的分析の活性化を環境省に、GXによる脱炭素化の加速を経済産業省に提言しました。こうした活動が評価され、2023年9月、英国の独立系気候リスクシンクタンクであるInfluence Mapが発行する「An Influence Map Report」において、気候変動政策に影響力のある世界27社の1社に選定されました。

COP28 JAPANパビリオンで登壇する会長の山下良則(2023年12月)

人的資本戦略

人的資本戦略を通じたお客様と社員の“はたらく歓び”の実現

リコーグループが創業以来変わらずに大切にしていること、それは創業の精神である「三愛精神」とお客様の“はたらく”に寄り添うことです。「“はたらく“に歓びを」、この実現に向けての人的資本戦略を策定しています。戦略を確実に実行し、社員にとっての“はたらく歓び”の創出、ひいてはお客様の“はたらく歓び”につなげてまいります。

長久 良子

CHRO

人的資本施策における3つの柱

21次中経において、人的資本施策として、「自律:社員の潜在能力発揮を促す」「成長:個人の成長と事業の成長を同軸にする」「“はたらく”に歓びを:社員エクスペリエンスを“はたらく歓び”につなげる」の3つを柱に掲げています。社員の自律と成長を促し、はたらくことに歓びを感じることが、デジタルサービスの会社への変革を加速させ、同時に事業の成長にもつながります。

これら3つの柱それぞれに、価値創造プロセスに貢献する戦略要素を位置づけ、具体的な施策に落とし込みました。これらの施策を通じた社員の体験が、リコーグループの変革の土台を形成していきます。

3つの柱を軸に個人と事業の成長を同時実現

3つの柱を軸に個人の成長と事業の成長を同時実現 柱1:自律 社員の潜在能力発揮を促す 柱2:成長 個人の成長と事業の成長を同軸にする 柱3:“はたらく”に歓びを 社員エクスペリエンスを“はたらく歓び”につなげる
  • *1
    IDP(Individual Development Plan): 個人のキャリアゴール達成のための育成計画
  • *2
    デジタル研修: デザイン思考/アジャイル、プロセスDXの基礎、デジタル基礎を含めた研修の総称
  • *3
    共創カルチャー: 協力し合う主体同士がそれぞれの価値観や個性を認め合いながら、課題解決に向けての力を生み出すカルチャー
  • *4
    社員エンゲージメント: 社員の所属する企業への貢献度や理解度を表すもの

柱①自律

お客様のニーズが多様化し、技術の進化が急激に進んでいる中、社員一人ひとりが自主的に考え、行動することは必要不可欠です。社員の多様性を尊重し、自主性・自律性を発揮できる環境を整えることで、より多くの顧客価値の創造につなげ、デジタルサービスの会社への変革を推進します。

これは自律的なキャリア形成にもつながります。社員自身がどうなりたいのか、どうなるべきかを考え、なりたいキャリアを実現するために自発的に行動ができる環境を会社としても提供していきます。リコーでは、社員一人ひとりが今までのキャリアを振り返り、自律的にキャリアを描けるようキャリアシートとキャリア開発計画(IDP)の作成を促しています。また、そのためのシステムを導入し、「管理型」から「支援型」への移行促進に向けたマネジャー向け研修を展開しています。2023年度に導入したキャリアシート・IDPは、多くの社員がすでに作成を済ませ、自律的なキャリア開発の土台が形成されつつあります。

リコー式ジョブ型制度導入により社内公募を活性化させ、自身で立てたキャリア計画に沿ったキャリア形成ができる環境を整備しています。特に若手管理職比率は、制度導入前に比べ、約4倍の割合となっています。

これらの施策を通じて、個人としてはもちろんのこと、企業としての自律的な意識を醸成し、さらなる成長意欲を高めるなど、好循環を生み出しています。

リコー式ジョブ型制度導入前後の30代初級管理職比率

ジョブ型制度導入前 2.5% ジョブ型制度導入後(2024年4月時点)10.9%

柱②成長

変革を加速させるためには、ビジネスをリードする人材の育成が重要です。リコーグループでは全社横断的に将来のリーダー候補の選定やアセスメントの実施などを進め、次世代のリーダーシップパイプラインを構築しています。

また、デジタル人材の育成は、デジタルサービスの会社への変革において最も加速させるべき課題の一つであり、リスキリング、アップスキリングおよびクロススキリングを含め、さまざまな施策を展開しています。

デジタル人材育成のためには、前述の自律的なキャリア支援や学習環境の提供を進めるのと同時に、ビジネスニーズからの育成計画も策定することで、社員主導と会社主導の双方からデジタル人材の育成と再配置の加速を進めています。

デジタル人材の育成と再配置の概念図

重点育成人材と研修内容の概略

デジタルサービスの会社に必要なデジタル人材として、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が定める「デジタルスキル標準」も参考にし、ビジネスアーキテクト、ソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、サイバーセキュリティの4つの領域で重点育成人材を定めています。

特にビジネスアーキテクトに対しては、eラーニングやワークショップに加えて、RICOH BIL TOKYOなどでの実践の機会(OJT)を用意しています。また、AWS*1やMicrosoft Azure*2、統計検定など外部資格の取得支援にも力を入れています。

重点育成人材の人数を21次中経のESG目標として設定しています。2025年度までの目標人数合計4,000人に対して、2023年度の実績は合計2,855人です。

  • *1
    AWS(Amazon Web Services)は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です
  • *2
    Microsoft Azureは、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における登録商標または商標です
4つの重点育成人材の育成目標(画像)

デジタル人材を育成・強化するためのプラットフォーム「リコーデジタルアカデミー」

社員一人ひとりがデジタル人材を目指し自律的に学ぶために、「リコーデジタルアカデミー」を、2022年4月に開校しました。

これは国内リコーグループ全社員を対象とした「デジタルリテラシー」と、重点育成人材の分野で選出された社員を対象とした「アップスキリング」の二層構造のカリキュラムです。「デジタルリテラシー」では、eラーニングや社内研修によってデジタルスキルの底上げを図ります。この「アップスキリング」は、デジタルサービスの創出・加速に貢献する専門的な能力向上を目的とし、OJTやワークショップ、資格取得支援を提供しています。

2023年12月末時点で、全社員の約98%の社員が「デジタルリテラシー」を履修し、「アップスキリング」は約1万3,000人が受講しました。

リコーデジタルアカデミーカリキュラム体系図

地域の特性に応じた人材育成の取り組み

リコージャパン

国内販売会社のリコージャパンでは、職種別の役割を明確にした「プロフェッショナル認定制度」を展開しています。営業職・技術職・サポート職など職種ごとに必要スキルを定義して可視化し、それぞれのスキル要件を定めています。

これら要件に基づき、スキルレベルごとの研修を展開するほか、取得された資格やスキルを、経済産業省が策定・公表したITSS(ITスキル標準)と連動させ、ジョブと処遇に結びつけています。こうした制度を通じ、社員のキャリア自律を促しています。

Ricoh Europe PLC

欧州では、「デジタルアカデミー」「テクニカルアカデミー」「セールスアカデミー」という3つのプログラムを展開しています。複合機の販売・サービスを支えてきたカスタマーエンジニアのリスキルを展開し、2020年度からマルチスキル化のためのプログラムを本格化しました。より高度なプログラムも並行して展開し、人的リソース最適化に向けた職種や配置の転換を積極的に実施しています。これまでに約2,000人がプログラムを終了し、欧州のデジタルサービス拡大を現場で支えています。

柱③“はたらく”に歓びを

リコーグループの変革の主人公は全社員です。多様性を尊重し、生き生きと働ける環境を整え、社員エンゲージメントを高めることは、企業成長に直結します。リコーグループでは、社員エンゲージメントとDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)を人的資本戦略の最重要項目の一つとして定め、変革を進めています。

社員エンゲージメント

リコーグループでは、年に一度グローバル社員意識調査を実施しており、その結果をもとに、各組織での具体的な改善を促進しています。社員エンゲージメントスコアはESG目標の一つとしても掲げており、経営責任を明確にするため、役員報酬の評価項目に盛り込んでいます。

またリコーウェイの価値観を体現する取り組みを表彰する「リコーウェイ・バリューアワード」を毎年実施しています。2023年度の大賞は、中国上海での「ロックダウン期間中の閉環(バブル)生産活動」でした。この活動は、中国政府が新型コロナウイルス感染症の拡大を抑えるために上海市を封鎖した期間中に、政府機関の認可を受け、「閉環生産」を他社に先駆けて開始したものです。お客様やグループ会社の稼働を止めないよう、製品を生産・供給し続けました。

社員エンゲージメントスコア推移

社員エンゲージメントスコア推移(Gallup社のQ12Meanスコアを採用)2020年度:3.57、2021年度:3.65、2022年度:3.73、2023年度:3.79、2025年度目標:3.91

リコーウェイ・バリューアワードのグローバルトップ賞を受賞したプロジェクトメンバー

イノベーション戦略

リコー独自のテクノロジーを用いてお客様と共にイノベーションを起こす

デジタルサービスの会社として目指すことは、働く人々の知識創造に貢献することです。働き方や働く場所が多様化する中で、リコー独自のテクノロジーを用いて、人ならではの創造力の発揮を支えていきます。また、お客様がどう“感じたか”の「体感価値」を大事にすることでDXは深化します。テクノロジー企業として、ワークプレイスの未来構築に貢献します。

野水 泰之

CTO

価値創出に向け注力するポイント

2024年度から、CTOとしてグループ全体のDXを推し進めるデジタル戦略と、技術・知財戦略を統括し、お客様の価値創出に貢献するため「リコー独自のテクノロジーを用いてお客様と共にイノベーションを起こす」というビジョンを掲げました。この実現に向けた、3つの注力ポイントを設定しています。

3つの注力ポイント 取り組み

ポイント1

テクノロジーの会社としての未来を築くための成長領域へのフォーカスとガバナンス強化

研究開発投資配分のガバナンスを強化し、技術投資におけるROI向上のための選択と集中を図る

ポイント2

デジタル戦略実現に必要なIT基盤、データ利活用、技術の強化と、それらを活用した社内業務効率化の推進

デジタルサービスの会社として成長するために、デジタル戦略における技術力を強化。まずは社内データを利活用することで業務プロセスを効率化し、グループ全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進。社内実践でAI技術を磨いた上でノウハウをお客様に提供

ポイント3

知財ポートフォリオの整備と技術人材の育成

UI*1/UX*2の権利化を含めた知財ポートフォリオを整備。技術人材の底上げにおいては、デジタルサービスを創出・加速するデジタル系の人材に加え、商品・サービスを支えるモノづくり系の人材の育成を強化
  • *1
    UI(User Interface):ユーザーインターフェース
  • *2
    UX(User Experience):ユーザーエクスペリエンス

ポイント1 MOT視点を組み入れたR&Dガバナンスの実行

企業価値向上プロジェクトでは、研究開発投資を2023年度の約1,100億円から2025年度では800億円水準に洗練させる計画です。事業化の確度が低い、あるいはデジタルサービスとの関連性が弱いR&D活動を中心に整理することで、費用の適正化に向けた選択と集中を進めています。一方で、単なる費用の適正化で終わらせずに、未来を築くテクノロジーへの投資機会とすべく、MOT*視点での取り組みも強化しています。具体的には、デジタルサービスの展開に向けた全社技術戦略の強化とともに、組織ごとの割り当てとなりがちな費用の配分を、技術視点での割り当てに整えていくことで、注力するR&D領域への重点的な投資を実現します。これをガバナンスの効いた形で実行するために、費用だけでなく開発進捗も含めて全社で管理する仕組みと体制の整備を進めています。

なお、注力するR&D領域として、大きく以下の2つを置いています。

1)リコーグループの事業面での強みが活きるワークプレイス領域にて、新たな技術により価値創出をしていくR&D領域(ドキュメント・ワークフローを扱う領域など)

2)リコーグループが保有する強い技術を活かし、競争優位な形で新たなお客様層へ価値創出をしていくR&D領域(インクジェットヘッドをコアとした領域など)

  • MOT(Management of Technology):技術経営

研究開発投資 推移

研究開発投資 推移グラフ

ポイント2-1 イノベーションの原動力となるデジタル戦略

既存ビジネスの深化、社内DXによる生産性向上や業務高度化、顧客起点の新たな価値創出を目指し、「デジタル人材育成・強化」、リコーグループ共通のプラットフォーム「RICOH Smart Integration(RSI)による事業貢献」、「オペレーショナルエクセレンス実現に向けた基盤整備と社内実践」、「AI技術の開発」の4つの主要戦略を核としたデジタル戦略を推進しています。

21次中経 4つの主要戦略

ポイント2-2 RSIによる事業貢献

RSIはデジタルサービスの開発・運用に必要な基本機能を備え、グローバルでのビジネス創出を促進するクラウドの共通基盤です。商品開発の効率化とコスト削減を実現し、高い拡張性とイノベーション創出を可能にするさまざまな機能を有します。これにより、高品質・高付加価値なサービスを、お客様へ素早く提供することができます。

2024年度は、リコーグループがグローバルで提供するアプリケーション/サービスをつなぐプラットフォームとして、サービス間のデータ連携や、カスタマーサクセス活動*を促進するためのデータ利活用の強化に取り組みます。

具体的には、生成AI技術のグローバルでの展開や、顧客接点データの収集・分析環境の整備、サービスデリバリーの仕組みを強化します。その一つとして、リコー独自のプラグイン機能やアプリテンプレートを加えて2023年度にリリースしたRICOH kintone plusアプリストアの強化があります。

加えて、先進的なコミュニケーションとコラボレーションのニーズをもつ大手のお客様に対しては、包括的なマネージドサービス提供に向けた開発を進めます。ワークプレイスにおけるデバイス管理やサービス連携、社内IT/基幹システムとの連携により、カスタマーサクセスを実現するワークプレイス環境を提供します。

  • カスタマーサクセス活動:ユーザーに対する、利用促進、アップセル・クロスセルのための活動
RICOH Smart Integrationの概念図

ポイント2-3 オペレーショナルエクセレンス実現に向けた基盤整備と社内実践/利活用の促進

オペレーショナルエクセレンスの実現に向け、社内において、業務プロセスの一部だけではなく全体を対象に、デジタル技術とデータを活用して定型的かつ効率的に業務プロセスを改革できる「型」を定義し、その型に基づき改革を実践するプロセスDXにリコーグループ全体で取り組んでいます。プロセスDXの実践で必要となるスキルを身につけるための人材育成の仕組みがすでに整備されており、社員一人ひとりが自律的にこれを活用することで自身の業務の生産性向上だけでなく業務に対するモチベーション向上も図っています。

2022年度からは、社内でのプロセスDX実践の経験やノウハウをベースにお客様の課題をお客様と共に解決するサービスを提供しており、これまでに多くの実績をあげてきました。

デジタル化による業務プロセス改革の「型」では、ローコードツールでの自社開発とSaaS導入をうまく使い分けています。SaaSの標準プロセスに自社のプロセスを極力合わせつつ変わり続ける、また、他社との差別化を図るプロセスについては自社開発することで、今後の変化に迅速、かつ柔軟に対応できるようになります。

導入したSaaSやさまざまな社内ITシステムに蓄積された多くのデータを、迅速かつ正確な意思決定やビジネス成長、業務プロセス改革で活用できるよう、データ統合基盤の整備やデータ利活用の促進も同時に進めています。

プロセス・IT・データが三位一体となってシナジーを発揮するために、2024年4月にはそれぞれの推進機能を1つの組織に集約、統合しました。これにより、オペレーショナルエクセレンスの早期実現を目指します。

プロセスDXの取り組みイメージ

ポイント2-4 成長領域のサービス創出に向けたAI技術の開発と実践

これまでオフィス分野のデジタルサービス創出に向けた、リコー独自の日本語大規模言語モデル(LLM)などのAI技術開発や、ユーザーとの音声対話で業務の支援を行うデジタルヒューマン*1の開発など、さまざまな技術を開発してきました。これらはお客様から評価され、AIを活用した業務改善に関する相談を多数いただいています。

生成AIへの取り組みとして、2024年1月には、日本語精度が高い130億パラメータのLLMを発表しました。今後は、指示理解力を強化したモデルの提供を開始し、セキュリティやトランザクション要件の高い製造業や金融業などのプライベートLLM構築に対応します。また、アクセスコントロールやノーコード機能など、企業向けの機能を搭載したRAG(大規模言語モデルに外部情報の検索を組み合わせる技術)ソリューションである「RICOHデジタルバディ」や、独自の音声認識技術を搭載したAIエージェントといった、お客様の業務をAIの力で簡単に自動化するソリューションの開発にも注力しています。

分類・分析系のAI開発も進んでおり、お客様自身でデータ分類・分析を可能とするノーコード開発ツールをRSI上に搭載することで、お客様の業務をより簡単にDX化する仕組みを提供していきます。

既存事業の成長に向けては、販売会社であるリコージャパンに対して、日報などの膨大なデータに基づいて営業活動を支援するAI技術を開発しました。PoC(概念実証)活動により効果を確認し、2024年8月から本格的に業務での活用が始まりました。

オペレーショナルエクセレンスの観点でも、生成AIの業務活用が進んでいます。社内でのITインフラに関する問い合わせ業務のプロセスを見直し、生成AIやチャットボットを活用することで、膨大な工数を削減し、業務効率化に貢献しています。

また、オフィス空間で多くのデジタルクローン*2やAIエージェント*3が活用されるような未来を目指して、複数のAIが連携し、多様なシーンに対応するマルチAIエージェントを構築できる仕組みの開発にも取り組んでいます。

リコー独自のLLM学習技術と、オフィスサービス開発で磨いてきたICTやクラウドの技術を融合させ、お客様のAIによるDX推進に寄与する技術を開発します。

  • *1
    デジタルヒューマン:人間そっくりの姿で人間と同じように働くAI
  • *2
    デジタルクローン:特定の個人の行動や思考を模倣し再現した仮想存在やシステム
  • *3
    AIエージェント:ユーザーの代わりにタスクを実行するAI

ポイント3-1 研究・開発から販売・運用までを網羅した技術倫理の展開

デジタルサービスの開発・活用にあたっては、差別、偏見、格差の助長などの意図しない人権侵害リスクや、システムが外部から悪意のある行為を受けた場合などに、これまでは想定していなかった重大な影響を社会全体に与える恐れがあります。リコーグループはこれらの課題を強く自覚し、デジタルサービスの開発や社会実装、および運用に内在するELSI*(倫理・法・社会規範に対する課題)の抑制に努めています。2023年には倫理リスク抑制の推進を担う倫理統括室を設置し、AIや映像デバイスを活用したさまざまなデジタルサービスの研究から開発・販売・運用までを網羅した「技術倫理憲章」を制定しました。その展開に向けて、技術倫理目標の設定、開発プロセスに対するテクノロジーアセスメントの導入、啓発プログラムの開発、シンポジウムの開催などを行っています。

また、生成AIの急速な進化に対する世の中の懸念を鑑み、生成AI利用ガイドラインを制定しました。法の遵守という受動的な活動や体制化だけでは技術倫理のリスクを低減できないと考えたためです。企業理念を軸にした倫理的な配慮と、それを世の中と約束する事が重要であると示しています。特にAIの利活用では、安全リスク(機能安全に加えて利用者に対する倫理・心理面を含む)を制御するための技術マネジメントに取り組んでいます。

これらの活動により、デジタルサービスおよびその核になるAIに内在するリスク評価や対策を実践し、倫理的リスクの抑制に努めます。

  • ELSI(Ethical, Legal and Social issues):技術を開発し、商品・サービスを提供する際に生じる技術以外の課題を指す
「研究・開発から販売・運用までを網羅した技術倫理の展開ロードマップ」 2017年度 「倫理審査委員会」を設置(外部有識者を含む第三者組織)。2019年度 研究活動から技術開発活動へ展開。2023年度 技術倫理憲章の制定 組織横断的な推進委員会の設置。利用者起点の開発で世界に安心と信頼の技術をお届けする

ポイント3-2 事業成長に貢献する知的財産・デザインの強化

知的財産は技術開発活動の重要な成果の一つであり、全社技術戦略と連動し、デジタル領域を強化しています。具体的には、技術戦略を実現可能にする知財戦略について、技術有識者と共に全社の技術経営会議で討議・整合しています。短期的な技術開発からの知財創出に加えて、中長期的な全社技術戦略と連動した知的財産創出を今まで以上に強化しています。

デザインにおいては、働く人を基点に考え、お客様に「使い続けたい」とご実感いただける魅力的なサービス体験のデザインをさらに強化していきます。製品・サービスをつなぎ、より包括的な体験価値の創出と持続的な品質の向上により、働く場でのイノベーション実現を目指します。このような活動から生じるUI/UXに関わる特許出願も強化し、デジタルサービスの会社に適した知財ポートフォリオの整備を進めています。

リコーの特許出願に占めるデジタルサービス関連の比率は、デジタルサービス貢献事業の売上比率目標と同じく2025年度に60%超を目指しています。全社ESG目標としても掲げ、知的財産においても全社一丸となってデジタルサービスに注力していきます。同時にデジタル領域において、リコーならではの強みである技術を特許群として保護することで、事業成長に貢献していきます。

財務・資本戦略

デジタルサービスの会社への変革に向けた成長投資を実行

21次中経の最終年度(2025年度)に掲げたROE目標値の9%超は、当社の必達課題です。企業価値向上プロジェクトに全社一枚岩で取り組むとともに、デジタルサービスの会社への変革に向けた成長投資も実行します。着実な実績の積み上げと、進捗のご報告、真摯な対話を通じてリコーグループの中長期の事業と経営の方向性について理解を醸成し、株主・投資家の皆様の信頼獲得に努めてまいります。

川口 俊

CFO

資金管理の最適化

リコーグループでは「資金の本社集約」と「財務専門組織の集約」をグループ財務方針として掲げ、グローバルレベルで資金の有効活用と資金効率向上に取り組んでいます。資金調達機能を本社財務部門に集約し調達の柔軟性とコストの優位性を確保しながら、キャッシュプーリング、為替取引の集約、グループローンを軸に財務部門が「社内銀行」として資金・為替に関する各種金融サービスをグループ会社に提供し、グループの資金規律確保、金融コストの低減、およびリスクマネジメントの徹底を図っています。

資金の事業計画に基づく必要資金をグループ各社と本社財務部門が協議・合意した上でグループ会社別借入枠を設定して日次で管理し、資金規律・統制を確保しています。キャッシュプールに余剰資金を集約し、借入枠内で流動性最適化を実現しリアルタイムに資金を融通することでグループ全体で外部資金調達や為替のコストを削減しています。

グループ会社間の債権・債務やそれに付随する為替取引はグローバルで「ネッティング決済」を導入し、ネッティングセンターでの資金決済で実施しています。これにより送金件数を大幅に削減するとともに為替エクスポージャーを圧縮し、グループレベルで送金手数料低減と為替リスク最小化を実現しています。各社は為替取引を意識せず、ネッティングセンターに対し現地通貨での支払いや回収を行います。ネッティング以外で発生する外部支払いに係る為替取引もグローバルレベルで集約しており、合わせて年間約2兆円以上の為替取引をネッティングセンターに集約しています。また電子為替取引システムによる入札形式を活用して為替コスト低減を実現しています。

これらの機能は本社財務部門主管の英国金融子会社が担っています。財務戦略は本社財務部門主導のもと英国金融子会社および地域財務機能と連携して効率的かつ高度な財務プロセスを財務専門知見に基づき実現しています。これらの財務施策により、大幅な金融コスト削減に貢献しています。

グローバル資金管理の仕組み

グローバル資金管理の仕組みのイメージ

ROIC経営による事業管理

企業価値最大化に向けて、グループ本部による厳正な事業ポートフォリオマネジメントのもとで、各ビジネスユニットおよびその事業を投下資本利益率(ROIC)や市場性などで評価した上で、合理的な判断・意思決定を行い、経営資源配分の最適化に取り組んでいます。事業ポートフォリオマネジメントでは、「収益性」と「市場性」という従来型のポートフォリオの切り口に加えて、「デジタルサービス親和性」という観点からも評価を行っています。この3つの観点で、各ビジネスユニット・事業を客観的に評価し、成長加速、収益最大化、戦略転換、および事業再生の4つに分類し、経営資源の最適化を図っています。

また、中長期的に目指すROE10%超を継続できる資本収益性の実現に向け、資本コストを上回る収益性を追求するため、各ビジネスユニットおよび部門にてROICツリーを用いた施策管理を実施しています。さらに、それらの主要施策を全社のROICツリーに採用し、また財務数値化が難しいグループ本部の施策についてはKPIとして目指す内容を言語化しています。それらを「リコー版ROICツリー」として定期的にモニタリングし、財務目標と施策のアップデート、KGI*とKPIマネジメントを実施しています。

  • KGI(Key Goal Indicator):重要目標達成指標

「リコー版ROICツリー」の概略

損益計算書(P/L)に加えて、貸借対照表(B/S)も意識したKPIを設定し、個々の組織と全社の両視点でKPIマネジメントを実施

リコー版ROICツリーのイメージ

キャッシュ・アロケーション

成長投資については、20次中計発表時に掲げた5年間(2021~2025年度)の成長投資枠5,000億円から変更はありません。

2023年度はITサービス強化に向けたアイルランドのPFH Technology Groupの買収や、コミュニケーションサービスやアプリケーションサービスなどオフィスサービス事業成長のための欧米におけるM&A投資を進めました。

デジタルサービスの会社への変革に向けて、リスク評価に基づいた適切な資本構成を目指し、投資の原資として負債を積極的に活用しています。オフィスプリンティング事業などの安定事業には負債を積極的に活用し、リスクの比較的高い成長事業には自己資本を中心に配分することで、負債と資本のバランスを取りながら事業に投資していきます。

キャッシュ・アロケーション

キャッシュ・アロケーションによる資本政策(2021 ~ 2025 年度)及び成長投資枠と進捗状況

成長を支える資本政策 資本コストを意識した経営

リコーグループは、ステークホルダーの皆様の期待に応えながら、株主価値・企業価値を最大化することを目指しています。専門家の意見も取り入れながらさまざまな手法、複数の視点で当社の資本コストを把握し、株主の皆様からお預かりした資本に対して、資本コストを上回るリターンの創出を目指します。収益、キャッシュ・フロー、純資産への為替影響、および成長投資の進捗などを総合して検討し、株主還元を機動的に実施しています。

TSR拡大を通じた企業価値最大化を確実に実行する

TSR拡大を通じた企業価値最大化を確実に実行する

株主還元方針

総還元性向50%の方針を堅持し、継続的な増配と機動的な追加還元策によるTSRの向上を図ります。

配当金、追加還元策、一株当たりの推移
  • 2021年3⽉4⽇から2021年12⽉8⽇の期間に1,000億円の自己株式取得を実施しました。2021年3⽉以前に取得していた自己株式とあわせ、2022年2⽉28⽇に自己株式の消却を実施しました。2022年5⽉11⽇から2022年9⽉22⽇の期間に300億円の自己株式取得を実施し、2022年10⽉31⽇に当該自己株式の消却を実施しました。2024年2⽉7⽇から2024年3⽉31⽇の期間に75億円の自己株式取得を実施しました。
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