リコージャパンでは、事業を通じた社会課題解決の取り組みを「製品・サービスを通じてお客様と進めるSDGsへの貢献」と捉え、主にお客様の生産性向上、働き方改革、産業の基盤づくり、医療・福祉・教育の質の向上、持続可能な地域づくり、環境負荷削減などの活動を進めています。
社会の変化に伴い、企業を取り巻く経営課題はますます多様化しています。リコージャパンは、お客様の困りごとの本質を捉えながら、課題を解決するためのデジタルサービスを提供しています。
リコージャパンがデジタルサービス主体のビジネスに転換する中で、重要な役割を果たしているのが「スクラムシリーズ」です。中小企業向けの「スクラムパッケージ」と中堅企業向けの「スクラムアセット」により、お客様の経営課題・業務課題の解決をご支援しています。
スクラムパッケージは、業種・業務別にソリューションをパッケージ化し、業務フロー全体を捉えた課題解決策を提供するもので、一部にリコージャパンの豊富な実践事例が活かされています。また、スクラムアセットは、約1,300名のシステムエンジニアのノウハウと最新技術を活用し、お客様のニーズに合わせたカスタマイズソリューションの提案と構築をご支援します。累計販売本数は2026年3月末時点で62万本を超え、多くのお客様から支持をいただいています。
スクラムシリーズは、デジタル技術を活用して業務効率化と生産性向上を実現し、イノベーション創出に貢献します。今後はこれまで得たノウハウをもとに、社会全体のDX推進とデジタルによる社会課題解決、さらにお客様の脱炭素経営に向けて提供価値を拡大していきます。
各業種に向けたスクラムシリーズ例
近年、サプライチェーンを狙ったサイバー攻撃は増加・巧妙化しており、対策が不十分な企業を足がかりとして、被害が取引先全体へ波及するリスクが高まっています。大企業であっても、事業停止や信用低下といった深刻な影響を受けるケースが相次いでおり、サプライチェーン全体でのセキュリティレベルの底上げが不可欠です。こうした状況を受け、経済産業省は企業のセキュリティ対策レベルを星1から星5で可視化する「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS注1評価制度)の検討を進めており、2026年度末ごろからの本格運用が予定されています。また、自社の対応状況を共通基準で取引先に説明できることの重要性も高まっています。一方で、高度なセキュリティ体制の構築・運用には、専門人財の確保や24時間365日の監視体制が求められ、企業にとって大きな負担となります。
リコージャパンは、制度理解から体制整備、多層的な対策、継続的な監視・運用までをワンストップで支援し、組織的対応と技術的対応の両面から伴走します。経営層と現場の連携を促進しながら、コストや人手の負担を抑え、SCS評価制度への対応を通常業務に無理なく組み込めるよう支援し、信頼性の高いIT環境と体制の構築を実現します。
SCS評価制度に対応するソリューションとして、マネージドセキュリティサービスをワンストップで提供
リコージャパンは、NIST(米国立標準技術研究所)のサイバーセキュリティフレームワークに基づき、現状を可視化する「セキュリティ課題診断」をWeb上で無償提供してきました。2025年度は約2,000件の診断実績があり、そのうち約300社にマネージドセキュリティサービスをご利用いただいています。2026年4月からは、SCS評価制度に対応した簡易セルフチェックツールの提供を開始しました。21項目に約5分で回答するだけで、現状の課題と優先事項を把握でき、年間診断件数は6,000件に拡大する見通しです。
次世代ワークプレイスの実現を支援するリコージャパンは、時間や場所に制約されない働き方を実現するためのコンセプトとして、「RICOH Smart Huddle」を展開しています。これは、デジタルサービスとワークプレイスデザインを融合し、フェイス・トゥ・フェイスの価値を活かしながら、社員同士の関係性強化や企業文化・理念の共有を促し、働き方そのものを継続的にアップデートしていく提供モデルです。
「RICOH Smart Huddle」を支える基盤となるのが、スペース(空間)マネジメントです。会議室や座席の利用状況、人の動きなどをデータで可視化・分析し、ワークプレイスを継続的に最適化。このスペース(空間)マネジメントを実現するサービスとして「RICOH Spaces」をリリースしています。
“はたらく体験”を起点とした「RICOH Smart Huddle」の提供価値をデータドリブンで高度化し、お客様の生産性や従業員エンゲージメントの向上、新たな価値創造を支援するとともに、社会課題解決に貢献するサステナブルなオフィス環境の実現を目指します。
デジタルサービス
多様化するコミュニケーションに柔軟に対応する各種サービスを包括的に提供
ワークプレイスデザイン
多様化する働き方に合わせたオフィス環境の構築をワンストップで提供
デジタルサービス × ワークプレイスデザイン
スペース(空間)マネジメント:人の動きやコミュニケーション、施設やデバイス稼働状況などのデータを可視化・分析し、ワークプレイスを最適化
金属焼付塗装などを手がける株式会社セブナ装機様は、老朽化した社員食堂のリニューアルを機に、多目的共創空間「SWITCH room注1」を整備しました。構想にあたり、リコージャパン長野支社のViCreA 松本や山梨支社のオフィスを見学。人が自然に集い、対話が生まれる空間を体感し、「食事にとどまらず、人が集まる居場所にしたい」という想いを形にしました。完成後は、ランチや休憩に加え、打ち合わせ、研修、来客対応など幅広く活用されています。さらに、「RICOH Collaboration Board」の導入により、アイデア共有や議論も円滑になり、コミュニケーションが活性化。対話から新たな価値を育む拠点として生まれ変わりました。
社内実践で蓄積している多種多様なAI活用の知見とノウハウを活かし、お客様の課題に合わせて、最適なAIソリューションを提供しています。
AIを業務に取り入れるための環境整備が進んでいます。専門的なプログラミング知識がなくてもAIアプリを作れる「Dify」に加え、図表・グラフなど多様な情報を同時にあつかえるLMM(マルチモーダルLLM)の進化により、RAG(検索拡張生成)の精度も大きく向上しています。
こうした中、生成AIによる社内ナレッジ活用サービス「RICOH デジタルバディ」を中心とした「ドキュメント活用基盤」への引き合いが、中堅企業を中心に拡大しています。一方で大手企業では、リコーが新たに開発した、企業内に蓄積された言語化されていないノウハウや経験といった「暗黙知(いわゆる『秘伝のタレ』)」を含む情報資産を AIで利活用する企業向けAIプラットフォーム「Hi.DEEN(ヒデン)」への関心が高まっています。リコージャパンは、ドキュメントに強い独自技術と全国の顧客基盤を活かし、大企業から中小企業まで、企業ごとに最適なAI基盤の構築を支援しています。また、AIエバンジェリストを中心に「Dify」や「RICOH デジタルバディ」を活用し、実践で得た知見を活かして、「使える・使いこなせるAI」を提供しています。
金融業、製造業、官公庁、医療機関など、機密情報を多くあつかう現場からは、「生成AIを活用したいが、データをクラウドに上げることは避けたい」というニーズがあります。リコージャパンはこうした要望に応え、リコーが開発した日本語性能の高いLLMをオンプレミス環境で運用しやすい構成に最適化し、社内に設置したGPUサーバー上で稼働させる「RICOH オンプレLLMスターターキット」を提供しています。
本キットでは、ノーコードの生成AI開発プラットフォーム「Dify」をオンプレミス環境で利用でき、クラウド利用時に課題となりがちなセキュリティリスクやAPIの従量課金を回避できる点も大きな特長です。さらに、価格を抑えたミニマムモデル(超小型デスクサイドAI用サーバー)を追加し、用途や規模に応じたスモールスタートを可能にしました。
リコージャパンが目指す「CSのありたい姿」は、誰よりもお客様を深く理解し、最も身近な存在として、デジタルの力で課題解決を支援する「課題解決パートナー」になることです。
リコージャパンは、お客様のビジョン実現に向けた相談相手「課題解決パートナー」になることを目指しています。これは、モノ(製品・サービス)を提供する存在から、「モノの価値」の利活用を通じて生まれる「コトの価値」により、お客様の成功や発展にお役立ちする「課題解決を支援するよき相談相手」になることを意味します。その実現度合いを測るため、お客様満足度調査を毎年実施しています。お客様との関係性を4つに分け、「現在の関係」注1と「期待の関係」注2それぞれについて評価をいただいています。この結果を踏まえ、「現在」と「期待」のギャップを埋めるべくレベルアップを図ることで、お客様の企業価値向上に欠かせないパートナーとしての役割を果たしています。
お客様との関係性(4つの分類)
「お客様の声」が私たちの改善活動の基点となっています。毎年、リコージャパンは自社独自のお客様満足度調査を実施し、日頃の活動に対するお客様の評価を収集。お客様の期待と私たちが改善すべき点を明確にしています。
また、お客様訪問で得たご要望やコールセンターに寄せられた声も含めて総合的に分析し、営業・保守サービスや社内プロセスの改善、商品づくりへの反映などの改善サイクルを回し、さらなるお役立ちに努めています。
全国に拠点を持つリコージャパンは、さまざまな分野や地域でのパートナーシップを活かし、地域社会が抱える課題解決のために最適なソリューションを提供します。
自治体DXの推進、安心・安全なまちづくり、地域共創・人財育成、脱炭素社会の実現、学校ICT教育の5分野において、強固な顧客基盤と導入実績に裏付けられたソリューション提案力で、住民サービスの向上と持続可能な地域社会の実現を支援します。
自治体DXを推進する中で、「DXソリューションを体験したことがないため具体的なイメージが湧きづらい」との声を受け、お客様の庁舎内にて実際にDXをご体感いただくインナーフェアを開催しています。「書かない窓口」を支援する「Caora申請書作成ソリューション」やノーコード/ローコードツール「RICOH kintone plus」などの展示を通じ、お客様の業務課題を丁寧にヒアリング。首長をはじめとした幹部および職員一人ひとりがDXの意義を実感し、知識向上や意識改革につなげるとともに、原課における具体的な活用アイデアや業務改善のヒント創出の場としてお役立ていただいています。
リコージャパン福島支社と郡山市は、2023年に包括連携協定を締結し、地方創生・地域活性化の取り組みを進めています。その一環として2024年にデジタル観光マップの制作に関する実証実験を実施しました。ドローンで撮影した高画質な360度パノラマ画像を活用し、街の魅力を多角的に発信。思わず現地に行きたくなるようなワクワク感と、地域の雰囲気や空気感を事前に体験できる情報発信を実現しました。
こうした取り組みが評価され、2025年2月には「第6回こおりやまSDGsアワード」において、撮影・制作を手掛けたフェイス・ワン株式会社と共に地域貢献特別賞を受賞しました。
さらに翌年には、郡山市を含む17市町村で構成される「こおりやま広域圏注1」へと取り組みを拡大し、各自治体の魅力や空気感をそのまま伝えられるものとして、高い評価をいただきました。2026年度はプロモーション動画の制作を進めており、さらなる展開を図っています。
SNSでは「とにかくリアルできれい」「操作が自由自在で楽しい」などの好意的なコメントがあったほか、市町村担当者からも「観光情報にとどまらず、企業誘致や移住定住相談会などでの活用や、住民にとっても、普段とは異なる視点から地元の風景を見ることで地域の魅力を再発見する機会となる」などの評価をいただき、活用の可能性が広がっています。
デジタル観光マップの画面例
火災や災害の現場では、正確かつ迅速な情報共有が不可欠ですが、従来は音声を中心としたやり取りが多く、伝達ミスが起こりやすいことが問題でした。
リコージャパンは、千葉県四街道市の総合防災訓練において消防DXの推進を支援。IT機器を活用して現場情報を共有することで、本部がリアルタイムに現場の状況を把握することが可能となりました。
具体的には、360度カメラ「RICOH THETA」による動画ライブ配信システム「RICOH Remote Field」を活用し、現場映像をリアルタイムに共有。伝達ミスや遅延の軽減に寄与しています。現在は実証実験段階ではあるものの、現場の被害状況や消火活動の様子を本部へ即時に伝えることで、迅速かつ的確な判断につながる支援を行なっています。
指揮本部において現場映像を確認
360度カメラを使用した現場からの映像配信
少子高齢化と人手不足を背景に、医療・介護分野ではDXの推進が急務となっています。限られた人員で質の高いサービスを維持するためには、業務効率化や情報の一元化、現場負担の軽減が不可欠です。リコージャパンはデジタルサービスの強みを活かし、現場に寄り添った支援を行なっています。
政府が掲げる「医療DX令和ビジョン2030」では、全国医療情報プラットフォームの構築や電子カルテ情報の標準化、診療報酬改定DXを柱に、2030年までに電子カルテ普及率100%の実現を目指しています。これに伴い、政府が認可・認定するクラウド・ネイティブなシステムへの移行や、厳格なセキュリティガイドラインへの準拠も求められています。しかし、院内にICTの専門家がおらず、対応の進め方に悩む医療機関も少なくありません。
リコージャパンは電子カルテメーカーと連携し、PCのセットアップからネットワーク構築、セキュリティ対策まで、医療DXに必要なITインフラをワンストップで提供しています。さらに、問い合わせやトラブルはコールセンターで一元的に受け付け、国の施策やガイドラインの変更への対応策も提案しています。
介護分野においても、2026年4月より介護保険事務システムの標準化対応などが完了した市町村から、順次利用可能となる「介護情報基盤」に向け、オンライン資格確認の実績を活かし、介護施設でのPC機器などの環境整備に取り組んでいます。また、介護人材不足や生産性向上に向けたDX活用にも貢献しています。
全国医療情報プラットフォームの全体像(イメージ)
医療機関では、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃が相次ぎ、診療の継続や病院経営に深刻な影響を及ぼす事案が発生しています。こうした背景から、厚生労働省は令和5年に医療機関のサイバーセキュリティ対策を義務化し、医療法に基づく立入検査で確認される医療機関向けにチェックリストを提供しています。しかし現場では、「具体的に何に着手すればよいのか分からない」という声も少なくありません。
リコージャパンは、同チェックリストに対応した各種ソリューションを組み合わせ、セキュリティパッチの適用、適切なシステムやソフトウェアの選定・導入、アクセスログ管理、ネットワーク接続ルールや承認フローの整備、確実な復旧計画やBCP策定に至るまでワンストップで支援しています。
チェックリストの項目と各ご提案内容
リコージャパンは、センサー、インカム、記録を統合運用する見守りシステム「リコーけあマルシェ」を、電源供給から通信ネットワークの構築まで含めワンストップで提供しています。これにより、介護施設の業務効率化と入居者様のQoL注1向上の実現を支援しています。
当社の住宅型有料老人ホームでは、「リコーけあマルシェ」を導入しています。夜間や緊急時の対応においてスタッフの負担が増していたことが背景にありますが、単なる業務効率化ではなく、入居者様一人ひとりの尊厳に寄り添ったケアと、ご家族に安心いただけるサービスを重視して導入を決めました。
各居室に無線ナースコール、見守りカメラ、センサーを設置し、コールやアラートはスタッフのスマートフォンに即時通知されます。どこにいても映像と音声で入居者様の状況を確認できるため、異変やお困りごとにいち早く気付き、ケアの質を向上させています。同時に、対応の優先順位を迅速に判断できるようになり、不要な訪室の減少にもつながっています。また、ケア内容が映像データとして記録されることで、ご家族とスタッフ双方に安心感をもたらしています。加えて、ソーラーパネルと蓄電システムを設置し、災害時にもこのシステムを維持できるようにしています。
引き続きリコージャパンと連携し、「リコーけあマルシェ」の活用を進化させ、入居者様本位のケアの追求と、地域に欠かせない安心・安全な施設づくりに挑戦していきます。
ガゼル株式会社
執行役員 菱山典昭 様
施設の様子
施設の様子
自ら実践して得た経験・スキルを活かし、リコージャパンならではのSTEPにより、お客様ごとに最適な脱炭素経営の取り組みをワンストップで支援します。
政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に向け、社会全体が大きく脱炭素へと舵を切っています。今後、サプライチェーンでの脱炭素の情報開示が要請されるなど、多くの企業にとって脱炭素化は避けて通れない課題であるとともに、新たなビジネスチャンスの創出につながっています。
リコージャパンでは、お客様の目的統合から可視化、把握、ロードマップ策定、改善・導入、情報開示までのステップを伴走支援する「シン・脱炭素コーディネーター」が、お客様に寄り添って脱炭素経営の実現に貢献します。
| STEP1 | 脱炭素をキーワードとしたセミナーやZEB注1化による脱炭素事業所、カードゲーム「2050カーボンニュートラル」(体験型ワークショップ)、会員制コミュニティを通じて脱炭素経営に取り組む目的理解と統合を図るためリコーのノウハウをご紹介し、カーボンニュートラルの理念浸透のお手伝いをいたします。
|
リコー環境事業開発センター
ZEB事業所 |
|---|---|---|
| STEP2 | 現状のCO2排出量を把握するため、CO2排出量見える化・報告ができるクラウドサービスをご提案します。自社からの排出量のみならず、原材料調達、製造、物流、廃棄といった一連のサプライチェーン全体で排出量を算定し、サステナビリティ情報の報告や開示ができます。CO2排出量を可視化することで「いつ」、「どこから」出ているのかを定量的に把握することが可能になります。 |
CO2排出量見える化ツール |
| STEP3 | 排出量を把握した後は削減のポテンシャルを探り現状分析から具体的な運用改善策、効果的な施策を検討します。 「ウォークスルー省エネ診断」:事業所をウォークスルーで調査し、エネルギーロスや非効率箇所を特定。 省エネ・コスト削減のヒントとして報告。 「リコー AI簡易省エネ診断サービス」:エネルギーデータと設備情報を基にCO2排出割合を分析し、最適な省エネ施策を提示。 |
|
| STEP4 | 「リコー AI簡易省エネ診断サービス」の結果をもとに、経済合理性を分析、設定したCO2削減目標値に向けたロードマップを策定します。 | |
| STEP5 | CO2排出削減に貢献する運用方法や設備更新のための各ソリューションをご紹介いたします。エネルギーを「減らす」「つくる」「選ぶ」「融通する」の観点からお客様の状況に沿ったご提案を行ない、具体的な削減施策に取り組んでいただけます。
|
リコー 太陽光発電O&M注2サービス
定置型蓄電池 |
| STEP6 | 各施策の効果を把握し、外部に情報開示することで企業価値向上につなげます。 | |
いすゞロジスティクス株式会社様は、いすゞグループの2030環境ロードマップのもと、2023年にサステナビリティ推進部を新設し、脱炭素経営を本格化しました。リコージャパンは、「リコー環境事業開発センター」見学をきっかけに、省エネ診断やCO2削減シミュレーションを通じて、現場に即した提案を継続。そこで築かれた信頼関係と、経営層向け提案で示した実効性が評価され、2025年に8拠点へ再エネメニューである「リコーRE100スタンダード」を導入いただきました。再エネ導入はCO2削減だけでなく、環境意識の向上や全社的なサステナビリティ浸透にもつながっています。今後はScope3対応や教育施策にも取り組み、さらなる環境経営の推進が期待されています。こうした中、リコージャパンの提案力と伴走する姿勢、「共に歩むパートナー」としての関係性が、今後の環境戦略を支える柱となることが期待されています。
藤沢物流センター
栃木事業所(大平)
2025年、脱炭素社会の実現に向け、企業・自治体・教育機関を対象とした会員制コミュニティ「カーボンニュートラル倶楽部」を立ち上げました。会費は無料とし、脱炭素経営の実践を支援する6つの会員特典を提供しています。
最新動向や具体的な取り組み方法を学べる脱炭素インナーセミナーの実施に加え、「GXマンスリーレポート」を毎月配信し、継続的な情報提供を行なっています。また、リコー環境事業開発センターにおいて見学会を開催し、リコーグループが実践しているカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの事例を紹介しています。同時に、参加企業様の事例や課題を共有し合う研究・交流の場も設けています。
さらに、「リコー AI簡易省エネ診断サービス」や「リコー 脱炭素化ロードマップ策定サービス」を会員価格で提供し、豊富な施策候補から各社に適した脱炭素施策を提示するとともに、目標値や経済合理性を踏まえた実行ロードマップの作成を支援しています。現在、約1,300社(2026年6月時点)が本倶楽部に参加しています。
再生プラスチックを使用した複合機やリユース部品を活用した環境循環型複合機など、業界トップクラスの環境配慮型製品を提供しています。
2025年に発売した環境循環型デジタルフルカラー複合機「RICOH IM C6000F CE/C4500F CE/C3000F CE/C2500FCE」は、従来機を上回る平均86%(質量比)の部品リユース率を実現しました。また、ライフサイクル全体のCO2排出量を新造機と比べて約59%削減、J-クレジット注2を利用してCO2排出量をオフセットする「RICOH カーボンオフセットサービス」も提供しています。
機能面では、高速出力や直感的に操作できるタッチパネルなど新造機と変わらない操作性です。また、新造機同様の品質を保証しています。加えて、新しい機能をネットワーク経由で追加できる「RICOH Always Current Technology」を再生複合機では初めて採用。さらに、暗号化通信プロトコルTLS1.3に対応しているほか、ICカードを用いた個人認証管理や不正コピー抑止機能などセキュリティ機能も充実させています。
リコーグループは、1997年の再生複合機の販売開始以来、国内ではRC機(リコンディショニング機)の名称で再生複合機を販売してきましたが、環境循環型複合機としてCE機(サーキュラーエコノミー機)に名称を変更し、新造機のみならず再生複合機も大幅に進化させました。
A3カラー複合機「RICOH IM C6010」など7機種16モデルは、前身機(RICOH IM C6000)での再生プラスチック使用率約6%を、A3複合機では世界初注1となる約50%(本体総樹脂量の重量比)に高めています。再生プラスチックの成形は難しいと言われていますが、複数メーカーと材料の開発を進めながら、重量の大きな製品前面パネルでは使用率を約80%にするなどの試行錯誤の結果、本複合機が誕生しました。また、技術革新により、印刷時の電力、スリープモード時の消費電力ともに前身機の約50%に抑えました。「RICOH IM C6010」の場合、ライフサイクル全体でのCO2排出量を前身機よりも約27%削減しています。
再生プラスチック(左)を約80%使用した
製品前面パネルのプラスチック(右)
リコーは1994年に循環型社会実現のためのコンセプト「コメットサークル™」を打ち出しました。これは、リコーグループだけでなく、上流と下流を含めた製品のライフサイクル全体で環境負荷を減らしていく考え方を示したものです。このコンセプトに従って、モノづくりの段階から3R注1設計を積極的に行ない、長期間にわたって繰り返し使えるような製品開発を行なってきました。製品のライフサイクル全体を俯瞰した事業活動を行ない、資源を循環させながら付加価値の最大化を目指すという視点は、現在、社会全体が推進しているサーキュラーエコノミー(循環型経済)の考え方とも共通しています。
循環型社会実現のためのコンセプト
「コメットサークル™」
「コメットサークル™」のコンセプトに基づき、ライフサイクル全体で環境負荷の削減を進めています。
より具体的な取り組みを推進するための方針や目標値を制定。例としては、1993年に策定したリサイクル対応設計方針(現在の環境適合設計方針)が挙げられます。これは製品を再生して使用するために最も重要なことを、リユース・リサイクル・長期使用の視点であらかじめ設計段階から盛り込むとするもので、時代のニーズに合わせ進化を続けています。
この方針に基づくことで環境に配慮し、安心してお使いいただくことができる製品をお客様にお届けしています。
リコーでは環境保全を経営の優先課題の一つとし、使用済み製品やトナーボトル、インクカートリッジなどを回収しリユース・リサイクルを行なっています。
回収後は、品質基準に基づいた再生工程を経て出荷され、リユース部品として生産ラインへ供給するものや、マテリアルリサイクルされるものもあります。より高い再資源化を実施すべく、回収量の確保・回収品質の向上を推進しています。
また、調達困難な部品を再生品で補うBCP(事業継続計画)対応など、再生事業の可能性も広げ、新規資源の使用量を削減することで脱炭素社会・循環型社会の実現に貢献していきます。
製品再生工程におけるリユース・リサイクル技術の実践
限りある資源を枯渇させず、社会を持続可能に発展させるため、資源の付加価値を高めながら効率的に循環させる「循環型社会の実現」を目指しています。
プラスチックは、廃棄後の焼却や埋め立てによる環境負荷が大きく、社会課題となっています。用途や目的に応じてさまざまな種類が存在し、異なる素材が混在すると再資源化が困難になります。そのため、素材ごとに適切に分別することが、資源循環を促す第一歩となります。
「RICOH HANDY PLASTIC SENSOR B150」は、ハンディタイプで持ち運びやすく、特別な知識がなくてもプラスチック素材を判別できます。これまで素材が判別できず廃棄されていたプラスチックの再資源化を可能にし、資源の効率的な循環と脱炭素に貢献します。既に、製造業、建設業、リサイクル業のお客様をはじめ、環境教育の現場でも幅広くご活用いただいています。
起動後は、樹脂に当ててボタンを押すだけの操作で判別が可能
包装材などの軟質系プラスチックは手つかずで焼却処理
包装材などは雑プラスチックに混ぜられて焼却処理
約30%がリサイクルに
リサイクル可能な樹脂に分別
| Before | After | 削減量 | |
|---|---|---|---|
| 年間 廃棄量 |
80トン | 56トン | 24トン |
| 年間CO2 排出量 |
222トン | 155トン | 67トン |
「リコー環境事業開発センター」は、リコーグループのマテリアリティの一つ「脱炭素・循環型社会の実現」に向けた取り組みを実践している拠点です。再エネ100%やZEB Ready注1認証取得などを実現し、これまでに約2万人が来場。現在は関連会社の生産・再生拠点としての役割も担っています。また、環境対応ニーズの高度化を受け、リコー創立90周年を節目にリニューアルしました。実践事例の提示にとどまらず、見学や対話を通じて課題認識を共有し、お客様と共に課題を深掘りしながら、構想から実行までを一貫して支援する「共創拠点」へと進化しました。
新たな社会課題解決型事業を生み出すために、パートナーシップを強化し、新しい価値を提供するソリューションの開発に取り組んでいます。
香川県高松市で、地域に密着し多品種・小ロットの印刷を手がける香川印刷株式会社様。「どの案件を、どの工程で、誰が、いつ対応したのか」をリアルタイムに把握できず、進捗管理や原価把握に課題を抱えていました。
リコージャパンはこの課題に対し、既存の印刷業務管理システムを活かしながら「リコー バーコード工程記録システム」を組み込む形で提案。現場の運用に合わせてカスタマイズし、作業伝票のバーコードを各工程で読み取ることで作業開始・終了を正確に記録できる仕組みを、 香川印刷様と共に構築しました。
これにより、見積りと実績の差異を可視化し、案件ごとの原価や利益を自動集計できるようになったほか、ダッシュボードによる進捗共有を実現。現場の段取り改善や迅速な意思決定につながっています。
大規模投資による一括変革ではなく、現場の声を起点に段階的に仕組みを磨き上げてきた「小さなDX」の取り組みの一つです。
リコージャパンは、 香川印刷様と対話を重ねながら既存システムを進化させ、実効性の高い業務改革を共に創り上げました。
香川印刷様本社
「リコー バーコード工程記録システム」の進捗一覧画面
当社では、1日15~20件の印刷案件を扱っていますが、「リコー バーコード工程記録システム」の導入により、各工程で行なっていた手書きの日報作成や集計、基幹システムへの入力作業が不要となり、現場の負担が大きく軽減されています。また、工程の進捗をモニターで随時確認できるため、現場に滞留しがちな小さなトラブルにも早く気づけるようになりました。その結果、作業の遅延防止だけでなく、想定外の残業の抑制にもつながっています。今後は、アラート機能の導入や工程データの活用により、一層の業務効率化と現場の声を反映した改善に取り組んでいきたいと考えています。印刷業界の先進的DXの知見を有するリコージャパンには、継続的なサポートを期待しています。
香川印刷代表取締役会長 上林幸則様(写真奥)と
同社取締役社長 吉村行雄様(手前)
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