自ら掲げた戦略や事業目標などを組織として機能させ、達成するために、内部統制のプロセスを整備および運用するとともに、「事業機会に関連する不確実性」と「事業活動の遂行に関連する不確実性」の双方を含んだ統合的なリスクマネジメントにも取り組んでいます。
企業倫理と遵法の精神に基づき、経営の透明性を確保しながら、競争力の強化を目指したコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでいます。
取締役会をコーポレート・ガバナンスの中核機関と位置づけ、持続的な成長と企業価値向上を目指し、経営の透明性と公正な意思決定が行なえるよう機能させています。また、重要テーマに関しては、取締役会および経営会議などで議論を尽くし、衆知を集めたうえで意思決定を諮っています。決定した事項は関係各所に共有および周知、そして指示されます。
注1)2016年2月1日付、リコーへ内部監査機能を移管
リスクマネジメントは、企業が経営戦略や事業目的を遂行していくうえで不可欠な活動です。リコージャパンでは、経営リスクを経営幹部と共有し、経営会議での定期的な見直しを行なっています。
経営リスクを識別し、事業活動に付随して起こり得るさまざまなリスクを適切にマネジメントすることで、永続的な事業活動が実現できます。
経営リスクを経営そのものに類する「戦略リスク」と通常の営業活動の中で発生する「オペレーショナルリスク」に分け、それぞれのリスクに対する経営インパクトを評価し、経営への影響の大きさ、リスク対応時の効果や必要な経営資源などを考慮してその対応を決定しています。経営インパクトが大きいという判断から、2024年度より「情報セキュリティ」と「首都直下地震」を戦略リスクに変更しました。
| 2025年度の重点経営リスク | 経営機構 | |
|---|---|---|
| 戦略リスク | 1.デジタルサービスの会社としての収益構造の移行 | 経営会議 |
| 2.⼈材の確保・育成・管理 | ||
| 3.ESG/SDGsへの対応 | ||
| 4.情報セキュリティ | ||
| 5.DX改革の加速 | ||
| 6.首都直下地震(BCP) | ||
| オペレーショナル リスク |
7.不正・コンプライアンス違反 | リスク対応主管区連絡会を経て、経営会議へ
|
| 8.自然災害、大規模な事故、地政学リスク | ||
| 9.製品・サービスの供給 | ||
| 10.パートナーリスク | ||
| 11.販売品質、製品品質 | ||
| 12.ガバナンスリスク |
「万が一の大災害や事故」が発生した場合に、それによる被害を可能な限り抑えるとともに、復旧にかかる時間をできるだけ短縮できるようBCP(事業継続計画)を構築しています。あわせて体制も構築し、それぞれのチーム(商品やサプライ、物流、保守サービス、情報システム、コールセンター、人事、経理、広報など)が被害状況を把握して、早期の対策を実施できる仕組みとなっています。
また、チームごとに業務プロセスを見直して日常的にBCPの視点を盛り込むほか、災害発生時の3つのステージ注1を設定し、それぞれのステージで対応内容を明確化して事業回復の早期解決を図るBCM(事業継続マネジメント)を実践しています。
注1)RTO:Recovery Time Objective(システム障害や災害発生時の業務復旧までの時間目標)
社員一人ひとりが事業活動の基礎となる「リコーウェイ」を実践することにより、「不正・コンプライアンス違反」が起きない組織風土の醸成を図っています。
高い倫理観を保持するためには、「リコーウェイ」の価値観の一つである「ETHICS AND INTEGRITY」のもととなる「リコーグループ行動規範」を浸透させる活動が重要と考えています。コンプライアンス意識を可視化するために全社員の声を反映したコンプライアンスサーベイを毎年実施しPDCAを回すことで、社員のコンプライアンス意識を向上させるとともに、日常業務に定着する風土づくりに取り組んでいます。
| Plan | 各リスク主管区にてコンプライアンスの優先課題を検討 |
|---|---|
| Do | CSR-Weekによる正しい行動への風土および意識づくり |
| Check | コンプライアンスサーベイなどによる浸透状況確認 |
| Action | コンプライアンス向上に向けた学習(eラーニングなど) |
コンプライアンス意識の向上と行動規範の浸透を目的として、リコーグループ全体で展開しているコンプライアンスサーベイやコンプライアンス教育に加え、リコージャパンでは「CSR-Week」を全社員対象に毎月実施しています。「CSR-Week」は、社内で起きた事件・事故の事例の共有やSDGs/ESG施策の展開を目的とし、自らの行動を振り返り、正しい行動を導くためのツールとして活用しています。
社員向けの「ほっとライン」を外部に開設し、法令、企業倫理、社内規則、行動規範に違反するおそれのある、または違反する行為を知った時の相談を受けています。なお、通報した社員は、通報者の保護の観点からプライバシーは保護され、不利益な扱いを受けることはありません。
また、万が一、重大な相談が入った際は人事部門が中心となって社内調査を実施し、事実関係の解明と是正処置が行なわれます。
企業倫理と遵法の精神に基づき、経営の透明性を確保しつつ、競争力の強化を目指した内部統制システムを整備および運用し、その継続的な改善に努めています。活動の指針として、リコーが制定した「リコーグループ経営管理基本原則」の中の「内部統制原則」に沿って活動を展開しています。財務報告の信頼性の確保、業務の有効性と効率性の向上、企業活動に関連する法令や社内ルールなどの遵守の確認、インシデント未然防止の観点で内部監査を実施しています。監査において発見された業務課題については、顧客接点部門および主管管理部門にて改善の検討を行ない、内部統制部門ではその改善策の有効性や継続性を確認することで、内部統制の強化および業務遂行の質の向上を図っています。
デジタルサービスを事業領域とするリコーグループにとって、情報セキュリティへの取り組みはお客様に安心してご利用いただける製品・サービスを提供していくために不可欠な要素です。そのため、全社員が一丸となって、継続的改善を進めています。
情報セキュリティの基本方針に則って、情報の保護と積極的な活用をバランスよく運用し、自律的なリスクマネジメントの実現を目指しています。多様な事業形態や働き方によるリスク、サイバー攻撃による情報漏えいに備え、全員参加のISMS教育・訓練および日々の管理と継続的改善を実践しています。
社員は「情報セキュリティハンドブック」で社内ルールを学習し、組織職は「情報セキュリティマネジメントガイド」でマネジメントを学習しています。また、自律的なマネジメントを実現するための計画から実行に至るPDCAの運用状況は、下図「情報セキュリティの推進サイクル」「情報セキュリティ関連ツール」のように管理ツール上で可視化されています。
ISO/IEC27001認証ロゴマーク
リコーグループでは、サプライチェーン全体で責任ある企業活動に取り組み、ビジネスパートナーであるサプライヤー・パートナーの皆様と相互に持続的な発展を実現することで、社会からの期待に応えることを目指しています。
2019年、リコーは、グローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進するRBA注1(責任ある企業同盟)に加盟しました。サプライヤー・パートナーの皆様に対しては、サステナビリティに関する主要な国際基準に則った「RBA行動規範」に準拠して策定した「リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範」に基づく責任ある企業活動をお願いしています。
リコージャパンにおいては、価値提供領域の拡大に伴い、PCや周辺・ネットワーク機器、ソフトウェアといった他社商品の取り扱いが急増している状況を踏まえ、2022年より取引のあるパートナーのうち、仕入金額の90%に相当する重要パートナー(30社)に対して「リコーグループ サプライヤー・パートナー行動規範」への同意署名を要請しています。また、2024年からは新規パートナーにも署名要請を開始し、すべての重要および新規パートナーから同意をいただいています。今後もサプライヤー・パートナーの皆様との相互的な発展、強固な信頼関係と長期的な協力関係の構築に取り組み、双方向のコミュニケーションによってサプライチェーンにおけるサステナビリティ活動のレベルアップを図っていきます。
| 管理指標 | 2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度実績 | |
|---|---|---|---|---|
| サプライヤー・ パートナー 行動規範署名率 |
既存 (重要パートナー) |
53.3% (30社中16社) |
93.3% (30社中28社) |
100% (30社中30社) |
| 新規 | 対象外 | 対象外 | 100% (7社中7社) |
|
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