リコーグループでは、「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」をマテリアリティとして位置づけ、「リコーグループの環境目標(2030年、2040年、2050年目標)」を設定し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。リコージャパンでは、脱炭素ソリューションや再生複合機販売などによるお客様への価値提供とともに、リコーグループの環境目標を踏まえ「2025年目標CO2排出削減率40%(2015年度比)」を設定し、事業を通じた環境負荷削減に取り組んでいます。また、生物多様性保全活動やステークホルダー協働による森づくりなど、地球の再生能力の向上と地域コミュニティへの貢献にも継続して取り組んでいます。
リコーグループは、2050年にGHG排出ネットゼロを目指しています。2040年目標は、スコープ1、2においてGHG実質排出ゼロ、事業活動で使用する電力の再生可能エネルギー比率100%としています。2030年目標は、スコープ1、2、3において、地球の気温上昇を1.5°C未満に抑える水準と整合した目標としてSBT1.5°C認定を取得しています。
リコージャパンでは、リコーグループの脱炭素目標達成に向けてスコープ1、2の削減に取り組んでいます。スコープ1、2におけるCO2排出は事業所での電力使用が約33%、営業車のガソリン使用が約65%と全体の98%を占めており、この2つのエネルギー削減に向けた取り組みが重要となります。そのために、脱炭素社会の実現に向けた活動方針である「徹底的な省エネの展開」と「再生可能エネルギーの積極的な利活用」を進め、リコージャパンの2025年目標CO2排出削減率40%の達成を目指します。
リコー グループ |
リコー ジャパン |
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スコープ1 | 107,417トン | 14,094トン |
スコープ2 | 118,838トン | 6,854トン |
合計 | 226,255トン | 20,948トン |
スコープ3については、リコーグループ排出量全体の中でリコージャパンが対象となるカテゴリと排出量を算定しています。リコージャパンのスコープ3排出量は、リコーグループ全体のスコープ3排出量の約14%を占めています。スコープ3排出の対象カテゴリは7項目となり、排出実績の中で大きなウェイトを占めるCat.1、4、11に対しては、省資源・省エネ型複合機の販売や業界全体で共同配送を進めるなどの取り組みを行なっています。
リコー グループ |
リコー ジャパン |
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スコープ3 | 1,790,000トン | 242,233トン |
リコージャパンのスコープ3 | ||
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Cat. 1 | 購入した製品、サービス | 192,053トン |
Cat. 3 | スコープ1、2 に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 | 4,776トン |
Cat. 4 | 輸送、配送(上流) | 8,920トン |
Cat. 5 | 事業から出る廃棄物 | 158トン |
Cat. 6 | 出張 | 1,483トン |
Cat. 7 | 雇用者の通勤 | 14,526トン |
Cat. 11 | 販売した製品の使用 | 20,317トン |
リコージャパンでは、サステナビリティ目標として脱炭素活動を経営目標に組み込んでいます。自社のCO2排出量の大半を占める電力とガソリン使用量の削減について活動と実績をご紹介します。
サステナビリティ指標 | 2022年度実績 | 2023年度実績 | |
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脱炭素社会の 実現 |
<自社の電力・ガソリン使用によるCO2排出量削減> ・自社のCO2排出削減率(CO2排出量) |
2015年度比 28.8%削減 (22,521トン) |
2015年度比 33.8%削減 (20,948トン) |
CO2排出量内訳(2023年度)
オフィスでの節電対策はもちろん、営業活動におけるエネルギー使用量削減にも積極的に取り組むと同時に事業拠点の最適配置や、自社所有もしくは一棟借りの新たな社屋のZEB化などによりエネルギー使用量削減を進めています。2023年度の電力使用量は、前年比0.9%の減少となりましたが、CO2ゼロ電力メニュー(実質再エネ)への切り替えが進んだことで電力起因のCO2排出量は前年比14.6%の減少となりました。今後もオフィスでの日々のこまめな節電やZEB事業所の展開などを進めていきます。
電力使用量推移
自社のCO2排出量の約65%を占めるガソリン使用量の削減に力を入れています。営業車のエコドライブの徹底に加え、EVやPHVの導入や大都市圏では電動アシスト自転車や電動バイクの導入を進めています。さらにカーシェアリングの活用やリモート営業活動なども取り入れながらガソリン使用量の削減を図っています。2023年度のガソリン使用量は、エコドライブの実施や積極的な低燃費車への入れ替えなどを進めたことで前年比1.8%の減少となりました。
営業車両のガソリン使用量推移
事業活動におけるエネルギー使用量削減や脱炭素(CO2削減)を目的として、移転や新設事業所におけるZEBの認証取得を推進しています。LED照明や高効率空調システムの導入、断熱建材、断熱・遮光ガラスの採用、自家消費型太陽光発電の設置などさまざまな工夫により、エネルギー効率と快適性を両立したオフィス環境は、全国のお客様にも脱炭素の実践事例として紹介しています。
ZEB : 省エネ(50%以上)に加え、創エネで100%以上の一次エネルギー消費量の削減を実現している建物 |
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和歌山事業所、帯広事業所、宮崎事業所 |
Nearly ZEB : 省エネ(50%以上)に加え、創エネで75%以上の一次エネルギー消費量の削減を実現している建物 |
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岐阜事業所、熊本事業所、上田事業所、つくば事業所、東濃事業所、郡山事業所、所沢事業所 |
ZEB Ready : 省エネで基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量の削減を実現している建物 |
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明石事業所、掛川事業所、大館事業所、松本事業所、福井事業所、松江事業所 |
島根支社松江事業所では「県下での認知度向上、地域に開かれたオフィス」を目指し、2022年10月に「Reborn島根支社」を掲げ全面改装プロジェクトをスタート。2024年4月に完成しました。建物や家具は約25年経過し、改装を機に社員の働く環境の改善、そして脱炭素の取り組みである「ZEB化」にもチャレンジ。既存壁を増幅し断熱材と二重窓の導入、高効率空調や自動制御システムの導入によりコストを抑えながらZEB Ready取得に成功。改修でのZEB化はリコージャパン全国で初となり、多くのお客様に参考にしていただける前例を作ることができました。施工の総指揮はグループ会社であるRCS(リコークリエイティブサービス)が務め、リコーグループワンストップでプロジェクトを完遂しました。オフィスのコンセプトは「ReCo-LABO」。ワークスタイルの研究所として、成功や失敗から得たノウハウすべてをお客様へ共有していきます。全社員が常駐する2階ではコロナ後の新たな働き方を発信、1階はお客様と一緒に利用できるフロアとして、大幅なレイアウト変更ができるエリア、Web配信スタジオ、レンタルルームも新設。今後はお客様、学校、自治体など多様な人々とのご縁を結び、島根になくてはならない企業を目指していきます。
事業活動による脱炭素社会と循環型社会の実現に向けた取り組みは環境マネジメントシステムをベースに進めており、継続的な改善活動を行なっています。
事業の中で環境に関わる活動の継続的な改善のための仕組みを構築し、日常業務の中において環境負荷を低減する「環境パフォーマンスの向上」、環境コンプライアンスのための「法規制および要求事項遵守」、社内外に向けた「コミュニケーションによる円滑な運用」の3つを軸に効率的かつ効果的な取り組みを進めています。主な改善活動として、省エネ推進のために電力使用量やガソリン使用量など事業活動で必要となるエネルギーの削減と事業所から排出される廃棄物の削減、有価物化促進などを進めています。また環境リスク管理の活動として、各拠点に関わる環境コンプライアンスの実施や自社から排出された産業廃棄物について廃棄物処理委託業者の協力を得て処理状況の確認を行なうなど、法令対応の強化を図っています。これらの取り組み強化と実践のため、各拠点での省エネ実践やエコドライブ、コンプライアンスに必要なことを周知する環境関連情報を毎月社内に発信、また社員向けの取り組みガイドとして環境ハンドブックを制作しています。
環境行動計画 国内販売、保守活動のエネルギー起源CO2排出量の削減(前年度比) | ||
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2021年度実績 | 2022年度実績 | 2023年度実績 |
3.8%削減 | 1.1%削減 | 14.6%削減 |
重点施策 排出物の抑制と有価物化による廃棄物量の削減(前年度比) | ||
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2021年度実績 | 2022年度実績 | 2023年度実績 |
3.2%増加 | 13.8%増加 | 5.7%削減 |
JQA-E-70001E
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