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リコーの取り組み 環境目標を“実行”へ導く拠点。リコー環境事業開発センターがリニューアル

2026年5月21日
  • GX
  • サステナビリティ
  • 社会課題解決

※所属・役職はすべて記事公開時点のものです。

脱炭素の目標は掲げたものの、具体的な施策に踏み出せていない企業は少なくない。社会的要請の高まりを背景に、環境への取り組みは「掲げるもの」から「実行するもの」へと変わりつつある。しかし現実には、その一歩をどう踏み出すべきかに悩む企業も多い。リコーは2026年4月15日、そうした課題に向き合う企業とともに解決策を描き、実行までつなげる拠点として、静岡県御殿場市のリコー環境事業開発センターをリニューアルオープンした。

“見る場所”から、“共に考え、実行へ導く場所”へ。
同センターは、環境経営を加速させる実践型の共創拠点へと進化した。

環境経営の実践拠点から、共創の最前線へ

リコー環境事業開発センターは、1985年に設立した御殿場工場を前身とし、2016年に開所。リコーグループの6つのマテリアリティの一つである「脱炭素・循環型社会の実現」に向けた取り組みを実践してきた拠点だ。再生可能エネルギー100%の実現やZEB Ready認証の取得などを進め、これまでに約2万人が来場。現在は、関連会社であるエトリアマニュファクチャリングジャパンの生産・再生拠点としての機能も担っている。

一方で、環境への取り組みに対するニーズが高まる中、実践事例の提示だけでは顧客の課題解決にはつながらないという課題も見えてきた。こうした背景から同センターは、開所10年、リコー創立90年という節目にリニューアル。顧客とともに課題を深掘りし、構想から実行までを一貫して支援する「共創拠点」へと進化した。

共創とAIで、「実行」まで踏み込む体験へ

今回のリニューアルでは、来場する顧客の課題に向き合い、具体的な施策の検討まで踏み込む体験設計が強化された。

見学ツアーは、事前のヒアリングやプロファイリングをもとに来場者ごとにカスタマイズする。また、環境施策への理解を深めるだけでなく、自社の課題に引き寄せた議論を促す構成となっている。さらに、ワークショップなどの体験型プログラムを通じて、対話をベースにした共創を推進する。これにより、来場者が自社の状況を踏まえながら、具体的な取り組みを検討できる場が用意されている。

こうした体験を支えるのが、AIやDXなどのデジタル技術だ。タブレットやAIツールが、課題の抽出や議論の整理、訪問レポートの作成までを支援し、検討の精度とスピードを高める。単なる理解にとどまらず、実行可能な施策の検討まで踏み込める点が、リニューアルされた同センターの大きな特徴の一つだ。

リコー経営企画本部 環境・エネルギー事業センター所長の釜谷智彦氏は、その狙いについてこう語る。
「実践現場の紹介と体験・対話、そしてAIを活用した課題分析を通じて、お客様の環境経営の高度化を支援します。さらに、対話から新たな環境事業の創出にもつなげていきたいと思っています。」

リニューアルの説明をするリコー 経営企画本部 環境・エネルギー事業センター 所長 釜谷智彦氏

実践の現場から、自社の次の一手へ

見学は、事前のヒアリングとAIによるプロファイリングから始まる。来場者の課題に応じてコースをカスタマイズし、当日はタブレットを活用しながら現場や展示を巡る。終了後には訪問レポートを通じて課題を整理し、次のアクションにつなげる設計だ。

ツアーでは、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに関する取り組みを、実際の現場や体験プログラムを通じて理解できる。リコーの環境事業の背景や将来像を踏まえながら、具体的なソリューションを確認できる構成となっている。

隣接する環境棟では、複合機の再生事業の現場を見学可能だ。リコーが提唱する資源循環の仕組み「コメットサークル」を通じて、リユース・リサイクルの取り組みを体系的に理解できるほか、回収機の保管・運送システムや、リユースを前提とした設計による電子基板の修理工程、ロボットによる本体の自動清掃など、環境への取り組みが現場でどのように実践されているかを具体的に体感できる。

複合機のリユース・リサイクルの流れや考えを実際の製品、部品を使って紹介

対話とAIが、共創を加速させる

センター内には、環境課題の解決に向けたさまざまな実証・ソリューションも展開されている。NAS電池を活用したVPP(仮想発電所)や木質バイオマスの活用、ペロブスカイト太陽電池など、地域と連携した取り組みも進めている。

対話を通じて自社の課題を整理できる体験型コンテンツも特徴だ。脱炭素経営のステップを整理しながら、GX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みを検討できるブースが設けられており、来場者は自社の実態に即した議論を行うことができる。対話を通じたGX推進の支援には、リコージャパンとともに取り組む。

GX推進に向けた気づきや対話を促す体験型ブース

さらに、自社に必要なGXの取り組みを理解するための対話型ワークショップを実施。ここでは、3つのAIがワークショップをサポートする。はじめに、AIアプリケーションの開発ツール「Dify」が、来場者の企業情報をもとに想定課題を抽出。アイディアの図式化や整理が得意な「Miro AI」が、参加者の発言をマイクで拾い、議論を整理する。導き出された結論や新たな課題をもとに、AIエージェントが解決策の検討を支援することで、議論を具体的な施策へとつなげる。ワークショップを通じて、環境経営の一歩を踏み出すための方法や、共創による事業探索のヒントを得ることが可能だ。

対話とワークショップ体験ができるOdyssey R

共創が生む、環境経営の次の一歩

リニューアルしたリコー環境事業開発センターのシンボルロゴには、自然豊かな御殿場の森のモチーフと、「ごてんば 響環(きょうかん)の森」という言葉がデザインされている。「響環の森」というコンセプトには、3つの環境領域(カーボンニュートラル/サーキュラーエコノミー/ネイチャーポジティブ)が響き合いながら進化していく未来への思いが込められている。

業界内でもいち早く、1990年代から環境経営に取り組み、ESGと事業成長の同軸化に取り組んできたリコーは、10年後、創立100周年を迎える。釜谷氏は「リコー環境事業開発センターは、『脱炭素・循環型社会の実現』に向けて、お客様の環境経営に貢献できるリコーの実践事例やノウハウを発信し続けるリコーグループ環境分野の総本山です。この場所を中心に、これからも日本における環境トップランナーとして走り続けていきたい」と話す。

「響環の森」を訪れた人が、対話を通じて自社の環境課題に向き合い、今できることを見つけて未来への一歩を踏み出す——その積み重ねが、社会の変化を実現する。リコーはそんな願いを胸に、未来の社会への思いで響き合える人々とともに、共創を重ねていく。

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