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創造力を解き放つ AIやデジタルの力で“はたらく”を変革する リコーの目指す未来 「機械にできることは機械に任せ、人はより創造的な仕事をするべき」という考えのもと、“はたらく”の変革に取り組むリコーが注力する2つの領域とは。

2025年4月23日
  • DX
  • AI

本記事は、日経BPの許可により日経ビジネス電子版2025年4月21日-5月27日に掲載した広告を転載したものです。
Ⓒ Nikkei Business Publications, Inc.,
※所属・役職はすべて記事公開時点のものです。

デジタル技術の進化により、働き方は大きく変わりつつある。企業は生産性向上や業務効率化を図るだけでなく、従業員の働きやすさや創造性を最大限に引き出す環境づくりが求められる時代になった。1977年に「機械にできることは機械に任せ、人はより創造的な仕事をするべき」というOA(オフィスオートメーション)の概念を提唱し、「"はたらく"の変革」を支援し続けてきたリコーは、デジタルやAIの力で働き方をどう変えていくのか。リコーデジタルサービスビジネスユニットプレジデントの入佐孝宏氏に話を聞いた。

働く人が創造力を発揮できる環境を提供

「リコーにはお客様のお困りごとには何でもお応えしたいという文化があります。しかし、デジタルの世界はスピード勝負ですから、何でもやるのではなく、何でお客様の課題を解決するのかを見極めないと、リコーとしてお客様にお役立ちできません。その見極めにおいて弊社のビジョン『"はたらく"に歓びを』に立ち戻りました。

未来の『はたらく』はどういう行為なのかを考えたとき、働く人が単純作業から解放され、人ならではの創造力を発揮し、達成感や充足感を得られる行為になっていてほしいと私たちは思っています。このような未来では、『はたらく歓び』は『生きる歓び』に繋がっているはずです。長年お客様の『はたらく』に寄り添ってきた私たちは、そんな『"はたらく"の未来』をつくっていきたい。

このビジョンを実現するため、事業ドメインを再定義し、業務プロセスの最適化を通じてタスクを削減する『プロセスオートメーション』と、デジタルの力を活用して、働く人がより創造力を発揮する環境づくりを支援する『ワークプレイスエクスペリエンス』の2領域に注力することに決めました」

株式会社リコー リコーデジタルサービスビジネスユニット プレジデント
入佐 孝宏氏

一つ目のプロセスオートメーション領域では、AIの力を活かすことで業務全体の質を高め、さらなる価値創出に取り組んでいる。2024年4月にはドイツのnatif.ai社を買収し、AIを活用した先進的な画像認識やOCR(Optical Character Recognition:光学式文字読取)の技術を獲得。これにより、紙文書や手書き文書などからのデジタル化と情報抽出機能を強化した。

「例えば、スキャナーでアナログ文書を取り込めば、AIが意味と内容を理解して整理してくれます。デジタルの知識があまりない人でも、スキャナーのボタン1つ押すだけで業務負担を大幅に軽減できます。それにより生まれた時間で新たな価値を生み出す仕事をやっていただける、というのがプロセスオートメーションの目指す姿です」

プロセスオートメーションにおける強化領域

リコーが提供するプロセスオートメーションにおける強化領域の図。左から「Scan & Send」「Extract」「Store・Workflow」「Understand & Action」「Linkage」まで5段階で構成され、各ステージに対応する技術・サービス(PFU、DocuWare、AXON Ivy、RICOH kintone plusなど)が示されている。AIと機械学習(Machine Learning)による分析部分は自社開発、それ以外はM&AやOEMによる獲得技術。

プロセスオートメーションの一つであるインテリジェント文書処理(IDP)では、Al、機械学習光学式文字認識(OCR)、自然言語処理(NLP)、およびその他の自動化ツールを組み合わせて、様々な文書からのデータのキャプチャ、抽出、処理を自動化する

また、二つ目のワークプレイスエクスペリエンス領域に注力した背景には、コロナ禍をきっかけとした働く環境の急激な変化も関係している。

「コロナ禍によって、一気にWeb会議の需要が爆発し、『いつでもどこでも働ける』を実現するサービスが求められました。いつでもどこでも働けることは、結果的に創造力の発揮につながります。しかし、グローバルにこういったサービスを直接かつ均一に提供できる会社はそう多くありません。そこでリコーの出番です。これは絶対にやらないといけないビジネスだと思いました。

リコーの技術を使えば、ワークプレイスにある様々なデジタルデバイスを監視・モニタリングするだけでなく、いつでも安全に使える状態にすることが可能です。例えばカメラではなくセンサーを使うことで、人のプライバシーを守りながら、部屋の中に何人いて、そのうち何人が話しているのかまでわかりますし、それによって利用度が低いミーティングスペースの改善をしようといった判断ができます。リコーはこういった技術を用いて、快適に働く空間づくりをお手伝いしています」

「オフィスは生産性を追求する空間から、創造性を発揮する空間へ」をビジョンとして、新しいオフィスの形を提案。RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYOでは、2人の生成AIと壁打ちができる次世代会議室「RICOH PRISM」のKABEUCHIを体験できる

蓄積された暗黙知や属人化されたノウハウをAI技術で活かす

この2つの事業領域を支えるAI活用においても、リコーは自社のドキュメント関連事業で培った知見を基にした独自のアプローチを展開している。

「AIの学習にはデータが欠かせませんが、現在公開されているデータはほとんど活用し尽くされているといわれています。では、AI技術を更に活用するために今取り込むべき学習データはどこにあるかというと、企業の中にあります。蓄積された暗黙知や属人化されたノウハウが、企業がAIを更に活用するための学習データになるのです。これらの企業データというものは、"秘伝のタレ"のように社内で保管され、公には出てきません。日本は100年以上の歴史を持つ長寿企業が世界で最も多く、それらの企業が積み上げてきたデータは膨大で、非常に価値があります。AI技術を駆使してこれらを活用できれば、企業の成長につながります。

そのための第一歩は業務を可視化することです。業務内容を可視化し、非効率な作業をAIなどで改善することで、今ある仕事を少し減らせます。リコー社内でもGGプロジェクトという業務改善、業務効率化のためのプロジェクトを1,000人規模で実施しましたが、既に13%の改善効果が見られました。今後最終的には、20%改善まで持っていく予定です。非効率な仕事を改善すると、時間が生まれます。そこでやっと、生み出された時間を使って、AIを活用して新しい価値を生み出すことに挑戦できます。

しかしながらここで難しいのは、特に日本企業に限っていうと、図や絵を用いたデータが多いということ。従来のAIはテキストデータの活用は得意でも、図や絵といったデータを扱うのは苦手です。そこでリコーは、図や表組・画像なども読み取ることができるマルチモーダルLLMの開発に力を入れており、このテーマで経済産業省による国内生成AI開発力強化プロジェクト『GENIAC』にも採択されています。鋭意開発中ですが、お客様にご利用いただける日も近いと考えています。ぜひご期待ください。

このように、日本の長寿企業がAIをはじめとするテクノロジーでそれぞれが持つ"秘伝のタレ"をうまく活用すれば、企業の永続にも貢献でき、結果的に日本も元気になるでしょう。企業の働き方を変えることでも、働く人のお役に立ち続けていきたいです」

挑戦するマインドを育てテクノロジーカンパニーへ

業務プロセスの最適化だけでなく、創造力を発揮できる環境づくりを通じて、単なるデジタル化にとどまらず、働き方そのものの進化を後押しするリコー。入佐氏は未来の働き方に関して次のように語った。

「2年後は今のように連日『AI、AI』と騒がれている状況ではないでしょう。AIを使うのは当たり前で、AIを用いてどうやって価値創出するかの議論が中心になっているはず。スマートフォンの登場が社会インフラや私たちの生活を変えたように、十年単位で社会システムが一変するのが現実です。そう考えると、未来の働き方は想像しにくいですが、リコーのビジョンにもある通り、誰もが働く中で人ならではの創造力を発揮して、それによって歓びを得られる仕事をしていてほしいと思います。

私たちリコーに関していえば、生成AIの出現のように劇的な変化が十年ごとに起きたとしても、常に新しいことにトライし、その分苦労したとしても『また新しいことに挑戦しよう』と奮起する――そのような集団を目指しています。実際に、新しいことにチャレンジしようとする前向きな社員が多いですね。お客様に寄り添う精神が根づいているので、お客様を助けるために新しい挑戦にも自発的に取り組める。日本に限らず、世界のどこに行ってもそんな社員がいることが我々の資産です」

そうした人材の力を最大限に引き出す基盤となるのが、リコーが長年にわたり培ってきた知見と技術だ。これらを社会にどう活かしていくのか――リコーの目指す未来像について伺った。

「OA(オフィスオートメーション)の概念を提唱し業務効率化を追求してきた長年の知見や、1990年代から取り組んでいるAI開発、データ活用の技術力は、デジタルサービス領域にも活かされています。こういった知見や技術力は、これからもリコーの強みであり続けます。

この強みを活かして、日本企業が長年培ってきたナレッジを暗黙知のままに終わらせず、形式知として整理し、デジタル技術を活用して組織で共有可能にして、イノベーションを生み出す。これにより企業は持続的な成長を遂げ、より大きな価値を生み出すことができるでしょう。デジタル技術を活かし、人がより創造力を発揮して働くことを支援することで、『はたらく歓び』に満ちた社会の創造に貢献していきたいです」

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