リコーの取り組み リコーのDEI推進と国際女性デーイベントをリードするローナ・ヘルナンデス氏に聞く

2024年12月27日
  • DEI

※所属・役職はすべて記事公開時点のものです。

ローナ・ヘルナンデス氏は17年前にリコーに入社し、現在リコーラテンアメリカの人事責任者を務めるとともに、リコーのグローバルDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)カウンシルのリーダーも務めている。プエルトリコ出身の彼女は、現在、フロリダ州南部を拠点として活動している。

今回、ローナ氏に、グローバルDEIカウンシルの活動、これまでの成果、そして将来への抱負について語ってもらった。

ローナ・ヘルナンデス氏
リコーラテンアメリカ 人事責任者

DEI推進に関する活動にどのぐらいの時間を使っているか教えてください

私は常に、DEIの推進に力を入れています。リコーラテンアメリカの人事責任者としてだけでなく、個人としても積極的に取り組んでいます。具体的には、毎週数時間を使って、アイデア出しやリサーチ、イベントに関するミーティング、他の地域や同僚との意見交換を行っています。DEIについて話し合わない週はありません。

現在推進しているDEIの取り組みにはどのようなものがありますか?

リコーのグローバルDEIカウンシルは、DEIに関連するテーマのイベントを推進・サポートし、地域ごとにDEIに特化したグループが活動しています。例えば、北米やヨーロッパでは、黒人歴史月間やヒスパニック遺産月間、プライド月間など、DEIに関連した特別な日を祝うイベントが開催され、従業員向けのPodcastやウェビナー、記事の発信、さらには顧客を招待するイベントなど、多彩な取り組みが進められています。

リコーラテンアメリカでは、国際女性デーやプライド月間を祝うイベントがあります。また、最近ではすべてのリーダーが「インクルーシブリーダーシップ研修プログラム」を修了し、様々な違いを尊重し、それを活かすことができるリーダーとなるための教育とトレーニングを受けました。

リコーがDEIを重視する理由は?

理由はさまざまありますが、その中の1つが人事や人材の観点です。現在多くの人々は、インクルーシブであり、公平であり、多様性を尊重する環境で働きたいという高い意識をもっています。彼らは、組織内で自分が尊重されていると感じられる環境を重視しています。

また、リコーがビジネス課題に取り組む上でも、DEIは非常に重要です。リコーはビジネスパフォーマンスを強化し、顧客の求めるデジタルサービスを提供することが求められています。そのためには、多様性、公平性、包括性のある環境を整えることが欠かせません。

さらに、このような環境を整えることが、さまざまなバックグラウンドを持つ優秀な人材を惹きつけることにもつながります。DEIを効果的に推進することは、結果的に企業と人材の双方にとって「ウィンウィン」の状況を生み出します。

リコーのDEIの活動はどのように変化してきましたか?

リコーは、創業の精神である、三愛精神「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」のもと、これまでも多様性を大切にしてきました。これらが、現在のDEI推進の指針となっています。

最近の変化としては、より一貫したグローバルなアプローチを取るようになった点です。地域ごとにDEIに関するニーズや市場の優先事項は異なるため、実はこれは簡単なことではありません。しかし、リコーはグローバルな視点で共通の課題に取り組む方針を決定し、たとえば、女性のキャリア開発や職場での多様性の推進といったテーマに焦点を当てて取り組んでいます。

リコーはどのように国際女性デーを祝っていますか?

私が一番思い入れがあるのが、この国際女性デーの活動です。リコーでは2017年から国際女性デー(3月8日)を祝うようになり、現在ではその月を通してイベントを行っています。最初のきっかけは、リコーラテンアメリカのパートナー企業で開催された国際女性デーイベントへの参加でした。その活動に大きな刺激を受けた私は、このようなイベントをリコーでも実施したいと考え、その意義やポジティブな効果を提案しようと決意しました。

このイベントは、組織内での女性の活躍を様々な角度から見直す機会にもなります。特に、職場における女性の役割や地位に関するギャップを埋めるため、意識を高めることが大切だと感じ、こうした取り組みを始めました。

イベントの主な目的は、女性を祝福し、職場だけでなくコミュニティや社会全体における女性の貢献を認めることにあります。また、このイベントを通じて、女性にとってより良い環境を作るために必要な行動を加速させる方法を議論し、振り返り、新たなアイデアを生み出す場にもしています。

国際女性デーのロゴ

国際女性デーイベント

たとえば、リコーラテンアメリカでは最初のイベントの一つを開催した後、私たちはリーダーシップポジションにおける面接で、候補者を選ぶ際に、男性と女性の候補者をできるだけ均等に選ぶという方針を取り入れました。

女性がリコーの職場において重要な役割を果たす理由は何ですか?

女性を組織に参加させない、含めないことは、チームの半分だけで活動しているようなものです。女性は世界人口のほぼ半分を占めており、国連も女性の権利の確立と自立支援がSDGs(持続可能な開発目標)を達成するために非常に重要だと強調しています。

リコーでもまったく同じ課題があります。どうすれば多様性を実現できるのか?女性は職場でさまざまな形で貢献でき、異なる視点を提供し、さまざまな課題を解決することができます。これは、顧客やパートナーにとってもメリットとなります。

しかし、重要なのは、単に女性を代表者として配置することだけではありません。女性が組織に参加し、リーダーシップの役割を担い、会社の意思決定に関わることが大切です。そのために、女性にしっかりと機会を与えることが必要です。

これまで関わったプロジェクトの中で、最も誇りに思うものは何ですか?その理由は?

私は関わったすべてのプロジェクトに誇りを感じています。その理由は、人々に実際に影響を与えることができたと心から感じているからです。従業員から非常にポジティブな影響を受けたという話を聞くと、大きな充実感と誇りを感じます。

しかし、もし一つ選ばなければならないとしたら、それは間違いなく国際女性デーです。これは、私のキャリアや人生の中で本当に支えてくれた人たちへの感謝の気持ちを示す方法でもあります。個人的には、他者を支援し、味方となることは非常に重要で、それが組織にも大きな利益をもたらすことを、自分の娘にも示せると考えています。

私は彼女にとって良いロールモデルでありたいと思っています。まだ若い彼女は、職場や人生で多くの挑戦に直面するでしょうが、私は彼女がインスピレーションとモチベーションを与えてくれるロールモデルに触れ、学んでほしいと思っています。

リコータイランドにおけるDEIと国際女性デー

リコータイランドのStrategy and Support Services部門のゼネラルマネージャーであるチャリニー・セナナロン氏にとっても、国際女性デーは特別なイベントであり、女性社員への感謝と尊敬を示す重要な機会となっている。

チャリニー・セナナロン氏
リコータイランド Strategy and Support Services部門 ゼネラルマネージャー

「国際女性デーの活動は、リコーが女性社員を大切にし、サポートしていることを反映しています。」とチャリニー氏は語る。

「性別に関係なく、リコーでは誰もがプロフェッショナルとして成長し、キャリアを進展させることができます。このことは私たちのDEIの取り組みの一環として、高いモチベーションを引き出し、仕事の生産性を向上させ、会社への結びつきを強めることに繋がります。」

今年、リコータイランドは国際女性デーのテーマとして「インスパイア・インクルージョン」を掲げ、理解を深めるためのイベントを1週間にわたって開催。さらに、子宮頸がんの無料検診を推進し、正義と尊厳を象徴する紫色の服を着ることを呼びかけた。

「女性の従業員が積極的に参加している姿を見て、とても嬉しく思いました。彼女たちが自分に誇りを持ち、その貢献が認められ、価値があると感じていることが伝わってきました。」とチャリニー氏は語る。

「リコーには、誰もが学び、成長する平等な機会と、さまざまな視点を受け入れるオープンマインドな文化があります。それが、ポジティブな環境を作ります。」

「チーム全員が仕事に関与し、尊重され、重要であると感じています。自分の貢献がチームの成功の一部として意味があると誇りに思っているのです。これが彼女たちの可能性を最大限に引き出し、情熱を持って仕事に取り組み、チームワークを改善する力となります。そしてそれが、会社の従業員エンゲージメントを向上させ、創造性と革新を通じて競争力を高め、目標達成に繋がります。」

チャリニー氏は、DEIが企業において重要な役割を果たすと確信している。

「性別、国籍、宗教、障害、バックグラウンドに関係なく、すべての社員を大切にする会社で働けることを非常に感謝しています。」と彼女は語る。

「すべての人に、自分らしくいられる平等な機会が与えられ、自分の経験を活かし、考えを自由に共有できる環境が整っていることは重要なことです。これにより、会社はよりオープンになり、協力的なワークカルチャーが生まれ、顧客や組織にとって革新的で創造的な解決策が生まれます。DEIの取り組みが、会社の未来の成功につながると私は信じています。」

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