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共創 介護の経験を、誰かの力に ― 社員同士の支え合いを生み出す活動の原動力とは

2026年11月4日
  • “はたらく”に歓びを
  • DEI
介護の経験を、誰かの力に

※所属・役職はすべて記事公開時点のものです。

社内副業制度を活用して、有志メンバーが介護に関する情報発信や座談会、勉強会などを社員向けに継続的に実施。新たな気づきや価値創造にもつながっています。

現在の担当業務や働き方について教えてください

金子さん: 現在は社内システムのリリースや保守運用管理を担当しています。出社は週1日程度で、それ以外は在宅勤務が中心です。休日はマラソンや草野球を楽しむほか、町内会活動や地域の医療・介護に関する活動にも参加しています。

相澤さん: 技術者向けイベントの企画・運営や情報発信、表彰制度や認定制度の事務局業務を担当しています。リモートワーク中心の働き方で、休日はヨガや茶道の稽古、ミュージカル鑑賞を楽しんでいます。

並木さん: 設計開発に関する課題解決のための分析技術開発を担当しています。技術者育成や技術伝承も役割の一つで、長年、開発現場を支える仕事に携わってきました。

柳沼さん: 技術情報を扱う企業図書館の運営および資料購入を担当し、出社とリモートワークを組み合わせながら、利用者とのコミュニケーションを大切にして業務を進めています。 今年度はこの活動チームのリーダーも務めています。

柳沼 妙子さん

株式会社リコー
技術戦略部門
柳沼 妙子さん

金子 勝さん

株式会社リコー
IT部門
金子 勝さん

相澤 奈保子さん

株式会社リコー
技術人材開発部門
相澤 奈保子さん

並木 章代さん

エトリア株式会社
設計開発部門
並木 章代さん

皆さんが取り組んでいる活動について教えてください

柳沼さん: 私たちは、全社員を対象に、介護に関する情報発信や座談会・勉強会の開催、社員同士が交流できるコミュニティづくりなどを行っています。現在、メンバーは11名、全員が社内副業の制度を活用しています。介護は本当に幅広いテーマです。制度のこと、お金のこと、家族との関わり方など、人によって悩みも状況もまったく異なります。そのため、経験者の体験談や予備知識から得られる気づきがたくさんあります。また、話してみるだけでも気持ちが整理されることがあります。私たちは、困りごとを抱えた人が安心して声を上げられる場をつくりたいと考えています。

金子さん: 現在は、介護情報サイトの運営や自治体・医療関係者との連携にも取り組んでいます。活動を続けてきて面白いと感じるのは、社員支援から始まった活動が、社外とのつながりや新しい価値創造の可能性へと広がっていることです。介護というテーマを入口に、社内外で新たなネットワークが生まれています。

社外との共催セミナー

社外との共催セミナー

なぜ本業以外の活動に参加したのですか?

金子さん: きっかけは、自身の介護経験でした。約20年間、私は両親の介護と仕事の両立に苦労してきました。社内にも同じような悩みを抱えている人がいることを知り、自分の経験を活かせるのではないかと思ったんです。今振り返ると、予備知識がほとんどない状態で向き合った父の介護と、活動を通じて知識やネットワークを得た後の母の介護では、負担感がまったく違いました。「知っているだけで助かることがたくさんある」、その実感が、この活動を続ける原点になっています。

相澤さん: コロナ禍で久しぶりに帰省した際、両親に軽い認知症の症状が見られたことがきっかけでした。そこからデイサービスの利用やWebカメラを活用した遠距離介護が始まりました。さらに、財産管理や遺言の準備など、介護そのもの以外にも多くの課題と向き合うことになりました。当時の経験は、これから介護に向き合う方の参考になるかもしれない。そう思い、自分の経験を共有する立場として活動に参加しています。

柳沼さん: 私はこれまで、育児や療育、夫の闘病と実母の在宅介護・施設入所のサポートなど、さまざまな経験をしてきました。振り返れば、その時々に悩みや迷いがあり、多くの方々に支えていただきました。だからこそ今度は、私自身が誰かの力になれたらと思っています。特別なことをしているというよりも、自分が経験してきたことを少しずつ共有しているような感覚です。

並木さん: 私の場合は少し違っていて、もともとは設計開発以外のことにも挑戦してみたいという思いから活動に参加しました。介護経験がない上に、身近なところにも介護をしている人がいなかったので、「本当に誰かの役に立てるのだろうか」という不安もありました。でも、その不安を抱えながら活動に飛び込んだからこそ見えたこともたくさんありました。今では、あの時参加してよかったと思っています。

介護施設訪問

介護施設訪問

介護施設訪問

この活動を通じて、どんな変化がありましたか?

並木さん: 活動に参加するまでは、介護について深く考える機会はほとんどありませんでした。ところが座談会を重ねる中で、介護と仕事の両立に悩んでいる人が想像以上に多いことを知りました。座談会を開催すると、ほぼ毎回のように「参加してよかった」「参考になった」という言葉をいただきます。活動を始めた頃は、自分に何ができるのか分かりませんでした。でも今は、人と人をつなぐことや、安心して話せる場をつくることにも大きな価値があると感じています。また、活動を続けている間に両親を見送る経験もしました。活動を通じて介護の知識を得ていたことで、不安はずいぶん少なかったと思います。

相澤さん: 活動を通じて最も変わったのは、人との向き合い方かもしれません。以前は、介護に関する困りごとがある方に対して何か有益なアドバイスをしなければと思っていました。でも座談会を重ねる中で、その方が本当に求めているのは、必ずしも解決策だけではないことに気付きました。むしろ、「自分の気持ちを分かってほしい」「まず話を聞いてほしい」という方が多いです。後日、「気持ちが楽になった」「家族と話し合うきっかけになった」というご連絡をいただくことがあります。そのたびに、まず話を聞くこと、共感することの大切さを実感します。今では、傾聴や共感も立派な支援の一つだと考えるようになりました。相手の声を丁寧に聞く姿勢は、この活動と本業の両方に共通していると感じています。

柳沼さん: 座談会に参加された方から、「前向きに介護に向き合えるようになった」というメールをいただいたことがあります。また、「悩みが整理でき、その後の挑戦にも前向きに取り組めた」というお話を伺ったこともありました。そうした言葉に触れるたび、自分が経験してきたことにも意味があったのだと感じます。以前は、自分の経験は自分だけのものだと思っていました。しかし、活動を通じて、その経験が誰かの安心や支えにつながることを知りました。支える側として活動しているつもりでも、実際には私自身もメンバーから多くを学ばせてもらっています。経験を共有し合うことで、自分自身も成長できていると感じています。

金子さん: 活動を通じて改めて実感したのは、「現場を知ること」の大切さでした。自治体や施設、医療関係者の方々と関わり、実際に現場へ足を運んで話を聞くと、それまで見えていなかった課題が見えてきます。現場の声を知ることが、どれほど重要なのかを改めて学びました。これは本業にも通じています。現在はシステム運用や要求分析に携わっていますが、良い仕組みを考えるためには、まず現場を知ることが欠かせません。もう一つ、大きな変化として感じているのは、人とのつながりに対する見方です。活動当初は、なかなか認知度が上がらず苦労していました。しかし、自治体や医療関係者とのセミナーやイベントを重ねる中で、新たな協力者が社内にも増えてきました。活動を始めた頃より、ずっと広い視野でこの活動を捉えるようになりました。

社員向けオンラインセミナー

社員向けオンラインセミナー

今後、この活動を通じて実現したいことを教えてください

金子さん: 社員の困りごと支援に加えて、医療や介護の現場と技術開発をつなぐ役割も果たしていきたいと思っています。現場の声を新しい価値創造につなげていきたいですね。

相澤さん: 介護には正解がありません。だからこそ、過去の事例や経験から解決のヒントが得られる仕組みをつくっていきたいと思っています。

並木さん: 今後も座談会や勉強会を継続しながら、介護で困っている方の役に立ちたいと思っています。気軽に参加できる場を増やしていきたいですね。

柳沼さん: これからも、自分の経験やスキルを活かしながら、仕事と家庭、そして介護との両立に悩む方に寄り添っていきたいと思います。少しでも安心して前へ進めるお手伝いができたらうれしいです。

社外との共催セミナー

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