事業の状況、業績の状況等に関する事項のうち、株主・投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現時点で未知のリスク・重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、事業等のリスクは、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、OAメーカーからデジタルサービスの会社への変革を目指しておりますが、事業構造の転換が進まず、印刷ボリュームの減少による業績影響を受けるリスクがあります。
また事業成長のためのM&A投資の機会を逸し、成長機会を損失するリスクもあります。
当社グループでは、デジタルサービスの会社としての収益構造の移行のために、ポートフォリオマネジメントの意思決定に沿い、
また、M&A人材の可視化と育成の強化を行います。
当社グループは、デジタル戦略の推進加速に向け、本社機能と各ビジネスユニットが一体となり、デジタル人材の育成・強化、データコンテンツの整備・利活用推進と技術基盤の強化、デジタルを活用した既存事業の深化と価値創出の仕組整備・実践、あらゆるデジタル技術を活用し自らの業務プロセスを改善し続ける活動等、様々な取組みを行っておりますが、
等により当社グループの業績、成長に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、グローバルでの競争激化の中でレジリエンスを高めていくために、デジタル戦略の推進加速が重要であると考えており、次のような更なる強化に努めております。
当社グループでは社内カンパニー制を導入しておりますが、顧客・市場の理解促進の一方で、技術開発の分散により技術投資効率低下及び中長期的市場への技術対応能力の低下のリスクがあります。
またAI応用等でのELSI*1対応力不足での企業信頼失墜・事業機会損失発生のリスクもあります。
当社グループでは、研究開発投資ポートフォリオのモニタリングを継続し、技術戦略に基づく開発実行計画の合意形成を推進してまいります。
技術倫理については、推進体制を整備し、倫理保証機能の一部を試行しております。また、技術倫理感の在り方に関する規定を公開し倫理啓発の実践を進め、更なる強化を図ってまいります。
当社グループは、デジタルサービスの会社への転換に向け、様々なデジタルサービスの活用・提供、自社業務のデジタル化の実践等を行ってまいります。その上で、情報セキュリティを確保する体制・運用を重視し取組んでおりますが、以下のようなリスクがあります。
当社グループは、各国、国策レベルで対策が求められてきている中、変化し続ける情報セキュリティ情勢を常に把握した上で、グローバルに活動拠点のある当社グループにとって適切な対策を検討・推進していくことを、最重要課題の一つと位置づけております。
当社グループがデジタルサービスの会社への事業変革を成し遂げ、中長期的に成長を続けることは、人材に大きく依存し、高度専門性の獲得や事業戦略に即した人的資源の再配置を継続して行わなければ、当社グループの業績、成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループでは、
ESG/SDGsへの対応は、当社グループの事業活動に対して中長期的影響を及ぼす新興リスクであり、特に以下の項目を優先して取り組むべき重要な課題と捉え活動しております。
これらの課題への対応を競合に遅れることなく進めていかないと商談機会の損失等ビジネスへの悪影響にとどまらず、社会的信用の失墜、ブランド価値の毀損等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。
当社グループでは、ESG/SDGsリスクへの対応を強化しており、
当社グループはグローバルで事業活動を行っており、各国・各地域における政治的・軍事的・社会的な緊張の高まりは事業に大きな影響を及ぼします。
また、各国の法規制強化、国家間同士の牽制等の地政学リスクにより、ビジネス機会を損失するリスク等が考えられます。
当社グループでは、予防・対応プロセスを強化しております。各国法規制情報収集の強化、重要部品別に複数仕入先の選定等今後も円滑な事業活動を行うため、経営にて審議し、迅速かつ適切な対応に取り組んでまいります。
大規模地震、津波、洪水、感染症の拡大、サプライヤーの供給停止及び地政学リスクによる不測の事態により、
等が発生し、ビジネス機会を損失するリスクが考えられます。
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の急速な世界的拡大と長期にわたる継続を踏まえた予防・対応プロセスを強化しており、
を実施しております。
また、机上訓練のみならず一定の実践を常態的に行い、対応策の有効性の確認と改善を継続的に行ってまいります。
当社グループでは、国内外で発生する大規模な自然災害・事件・事故において、人的/物的被害が生じ、経営に著しい影響を及ぼすリスクを想定しております。
当該リスク対応において、以下のような対策を行っております。
国内
海外
新型コロナウイルス感染症によるパンデミック、ロシア・ウクライナ情勢、サプライチェーンの混乱、止まらない物価上昇、歴史的な円安等、この3年で想定外・想定以上の事象が現実的に起きております。
予兆感知による事前の対策や、発生時のリカバリー対策は常に打っているものの、今後も想定外の新たな事象が発生した際、グループ業績に影響を及ぼすことは避けられません。
当社では、月次業績のモニタリングを毎月の経営会議とビジネスユニットごとの事業運営会議で実施し、予実績の要因把握と挽回の対策検討を経営陣で行っております。
また、コンティンジェンシープラン*7のプロセスを構築しており、プロセスに則った施策判断を実施しております。2022年度は本社資産売却を判断し実行しました。
2023年度以降も現状のプロセスを継続するとともに、環境変化に影響しないレジリエントな生産・供給体制の構築を進めてまいります。
当社グループでは、人事関連の各種コンプライアンス違反が発生し、社会的信用を失墜するリスク等が考えられます。
当社グループでは、
社内外の環境変化が激しい時代において、健全な成長を維持するためにグループガバナンスの強化が非常に重要であると考えています。本社のガバナンスが適切に機能していない場合、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
グループガバナンスのリスクを低減するために、当社では、本社機能とビジネスユニット、グループ会社のガバナンス体制を再設計しております。再設計にあたっては、迅速な意思決定と一体的な経営、そして実効的なグループ会社管理等の必要性を総合的に勘案し、分権化と集権化の最適なバランスを検討しながら進めています。また、本社主管管理部門によるグループ会社のガバナンスについても、個別事業の特徴やリスクマネジメントの成熟度に応じて、適切な指導及び管理監督が行われるよう検討しております。2023年度からは、テクノロジーを活用し、本社のリスクマネジメント部門にて、グループ全体で発生したコンプライアンス違反や不正行為、内部通報等からの傾向分析を行い、各組織に対しデータに基づく、より効果的な対応アクションを提案できるよう準備をしております。
オフィス向け複合機やプリンター市場において、リモートワークの増加やペーパーレス化に伴いプリント出力が減少し、業績に影響を与える可能性があります。
オフィスサービス分野においてリモートワークやペーパーレス化を支援するサービス、商品を強化し、本分野でのストック収益を上げることでオフィスプリンティング領域のリスクヘッジを図っております。
プリント出力量の変化に応じた関連人員数の調整等による利益確保に努めております。
他社との協業含めた開発、生産コストの低減に取り組んでおり、利益率の向上によるリスクヘッジを行っております。
当社グループが目指すデジタルサービスビジネスへの事業構造転換の主となるオフィスサービス領域では戦略的買収が中期経営戦略財務目標の達成要件の一つとなっております。
一方で市況の変化や対象企業の業績不振により想定していた投資対効果を得られない可能性や、将来において適切な対象企業を発掘、獲得できず事業戦略遂行に影響を与える可能性があります。
GMCの諮問委員会である投資委員会にて、買収企業群の業績及び投資回収進捗状況を常時モニタリングし、想定外状況に対し適切な対策を実施する仕組みを構築しております。
本社経営企画部内にM&Aを専門とする部門を設置しコンサルタント他外部との連携による案件発掘、及び世界各地の地域統括会社での探索活動強化により、対象領域での戦略的買収遂行確度を高めております。
高速印刷機で安価に印刷業務を受注するプリントサービスプロバイダへのプリント出力量の集約・統合や文書のデジタル化加速により、商用印刷事業領域における企業内印刷事業の業績が下振れするリスクがあります。
企業内印刷事業での業績下振れリスクを低減するために、未開拓の欧米代理店や新興国の開拓を進めるとともに、事業ポートフォリオマネジメントの実施により今後も市場成長が見込まれている商用印刷事業・産業印刷事業へのリソース投入強化、事業構造転換を進めております。
サーマル市場は堅調に成長しているものの、コモディティ化が進行しております。当社は、発色感度、印字精細性、画像保存性による品質差別化を図っておりますが、低中グレード需要が高まれば、低価格競争に陥り、市場シェアと収益性を下げ、事業業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
低中グレード需要が高まる地域では、製品原価の低減と、社会課題解決への商品ポートフォリオの見直しを実施しております。
また当社の強みである、感熱処方技術、生産技術を活用し、現場(物流・流通・製造等)のお客様へデジタルサービスを提供するビジネス転換を進めております。
当社グループは、企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。
これらの資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、資産の取得に際して、投資金額及び内容に応じた所定の手続きを実施し、投資対効果の検討等様々な点を考慮し実行の是非を決定しております。
また、外部への投資案件は、GMCの諮問委員会である投資委員会にて、財務、戦略、リスク視点での妥当性を審議し、GMCへ見解を上申しております。決裁された投資案件に関して、同委員会が進捗モニタリングを定期的に行うことによりリスクへの対策を講じていく仕組みを構築しております。
当社グループは、税効果会計を適用し、将来減算一時差異及び繰越欠損金等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、事業計画を基礎とした将来の課税所得に対して回収可能性を検討しております。将来の課税所得の見積りが、現在の課税所得の見積りよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、繰延税金資産の評価にあたり、繰延税金負債の実現予定時期、将来の課税所得の見積り及び税務戦略を考慮しております。将来の課税所得の見積りに関しては事業計画を基礎として、各ビジネスユニットが業績の進捗をモニタリングし、計画の達成を阻む要因があれば、自律的かつ迅速に対応できる体制を構築しております。
当社グループは、知的財産権を重要な経営資源と捉え、現在及び将来の自社事業とそれを支える技術等の保護、差別化とその拡大のために、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を獲得しておりますが、競合他社が同等の技術等を開発して独自性が低下するリスクや、各国特許庁の審査で狙いどおりの権利獲得ができず十分な保護が得られないリスクがあります。
また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害するとして、第三者から、販売の差し止めや損害賠償金の支払い等を求める警告を受けるリスクや、訴訟を提起されるリスクがあります。
更に、当社グループの新規事業立上げで、他社との協業、共同研究や共同開発が活性化していることに伴い、知的財産権に関する契約が増えておりますが、当該契約でトラブル等が発生すると、自社事業に悪影響を与えるリスクが大きくなります。
当社グループでは、特許等の出願前に先行技術調査を徹底するとともに、各国の知的財産に係る法律、審査基準やプロセスを把握し、知的財産権獲得の精度向上に努めております。
また、自社製品・サービスを市場に提供する前に、第三者の知的財産権の調査と、自社製品・サービスと第三者の知的財産権との対比検討を徹底しております。第三者の知的財産権を侵害するリスクがある場合、外部の弁護士や弁理士による鑑定、必要であれば設計変更、ライセンス交渉やライセンス取得を行い、第三者との係争リスクを低減しております。
当社グループでは、「知的財産権の保護」を業績に影響を及ぼすリスクとして重要視し、過去に発生した、知的財産権に関する契約トラブル事例を形式知化し、トラブルの予防とリスク低減をしております。
当社グループが製造・販売する製品に、
等が発生することで、お客様の信頼や社会的信用を失墜させ、企業ブランドや製品ブランドが毀損され事業継続が困難になるリスクが考えられます。
当社グループでは、「製造物責任」に対する予防・対応プロセスを強化しております。
当社グループの事業活動を行う中で、
等の要因により会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。
当社グループでは、
当社グループの事業活動を行う中で、独占禁止法/競争法の違反が発生した場合、課徴金(行政処分)の負担や刑事罰、官公庁との取引停止、社会的信用の失墜によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。
当社グループでは、独占禁止法及び各国競争法の遵守徹底のため、各地域の法務部門が主導し教育活動及び発生時対応の強化に努めております。
当社グループの事業活動を行う中で、各種環境・労働安全衛生関連法の違反が発生した場合、行政処分等による生産への影響や課徴金の負担、刑事罰、社会的信用の失墜やブランド価値の毀損によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。
当社グループでは、環境マネジメントシステムを構築し、定期的なアセスメントによる環境関連法の遵守徹底とともに、規制変化等のタイムリーな把握・対応に努めています。
加えて、M&Aにおいても環境デューデリジェンスを適切に実施しリスクの未然防止に努めています。
また、環境関連情報の公的な開示要請に対しては、収集している環境パフォーマンスデータを透明性をもって開示すると共に主要データに関しては第三者検証を受ける等信頼性の高い環境情報の積極的な開示を進めています。
当社グループでは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国等その他地域で行っており、事業活動において為替レートの変動による影響を受けます。
等がリスクとして考えられます。
当社グループでは、
確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいて当社グループはこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。
現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。
当社グループは、政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討、実施しております。
緊急度、影響度、リスクマネジメントレベルの詳細については、リスクマネジメント「重点経営リスク」の決定プロセスを参照ください。