リコーの植松勇一郎、廣井貴史、松浦和摩がAI(人工知能)を用いたデータ分析・機械学習の国際的なコンペティションプラットフォーム「Kaggle(カグル)」において2024年1月10日から4月9日にかけて開催された「HMS - Harmful Brain Activity Classification」でGoldメダルを獲得しました。
本コンペティションでは、記録された脳波信号データとそれを2次元(時間、周波数)のグラフで表示した画像(スペクトログラム画像)から、てんかんなどの有害な脳波パターンを予測するAIモデルの精度が競われました。3名は社外の2名とともに参加し、2,767チーム中5位となり、Goldメダル*を受賞しました。これにより、廣井はKaggle Master(2024年5月時点でKaggleの参加者は約1,800万人、Kaggle Masterは約2,700人)に昇格しました。
医師は脳波信号に対して、生波形だけでなく、スペクトログラム画像などさまざまな形で可視化された情報を見て、総合的に脳活動を診断します。AIで予測するときも、同じように多様なアプローチをして判断しないといけないところが難点でした。メンバーはそれぞれの観点で予測を行い、それを統合して最終的な予測とし、精度を上げました。
「今回のように、1次元信号を扱うタスクには過去に参加したことがあったので、そこで得た知識を使うことができました。社外の参加者とチームで参加したのは初めてでしたが、我々と異なるアプローチで問題を解いていて、非常にためになりました。初めてGoldメダルを獲得できたので、今後も継続的に参加してGrand Masterを目指していきたいです。」
リコーは、「OAメーカーからデジタルサービスの会社への変革」を進めており、今後の事業成長に向けてAIは最も重要な技術のひとつと位置付けています。AIの取り組みとしては、2017年に「AI応用研究センター」を設立して、製品へのAIの搭載や、社内業務改革への適用などに取り組んでいます。2018年10月には社内でデータサイエンス塾(現データサイエンスコミュニティ)を発足し、ハイレベルのデータサイエンティスト育成と現場におけるデータ活用の促進を目指してきました。植松、廣井、松浦はその参加者であり、他の参加者とともに「Kaggle」のコンペティションへの挑戦を通じてデータ分析やAI技術の向上に日々取り組んでいます。リコーはお客様に質の高いデジタルサービスを届けるため、今後もAI技術への取り組みを強化していきます。