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AIコンペティション表彰実績

リコーの植松勇一郎がAIの世界的なデータ分析コンペ「Kaggle」でGoldメダルを受賞し、Kaggle Masterに

2022年6月14日

2022年2月15日から5月24日にかけて開催されたAI(人工知能)を用いたデータ分析・機械学習の国際的なコンペティションプラットフォーム「Kaggle(カグル)」上の「BirdCLEF 2022」でリコーの植松勇一郎が海外の参加者と2名で結成したチームが3位を獲得しました。

鳥の鳴き声の波形(例)

本コンペティションでは、ハワイに生息し、絶滅の危機にある鳥の鳴き声を検出するために、鳥の鳴き声が録音された音データから21の鳥の種類を推定するモデルの精度が競われました。植松のチームは、807チーム中3位となり、上位10チームと0.2%以上に与えられるGoldメダルを受賞しました。これにより、植松はKaggle Masterに昇格しました。

本コンペティションでは、希少種の学習データ数が非常に少なく、鳥の種類によってデータ数の偏りが大きいことが課題でした。植松らはデータが少ないものについてはデータオーグメンテーション(データ拡張)で学習データを増やしたほか、データが少ない鳥・多い鳥の学習モデルをそれぞれ作成し、それに損失関数を組み合わせ、鳥の種類によってモデルを使い分けることで精度を向上させました。

リコーは、「OAメーカーからデジタルサービスの会社へ」という方針を掲げており、今後の成長に向けてAIは最も重要な技術のひとつと位置付けています。AIへの取り組みとしては、2017年に「AI応用研究センター」を設立して、製品へのAIの搭載や、社内業務改革への適用などに取り組んでいます。植松は、リコーの設計開発や生産現場のデジタル化による効率化と品質向上に取り組んでおり、「Kaggle」のコンペティションへの挑戦を通じて、データ分析やAI技術を磨いています。リコーはお客様に質の高いデジタルサービスを届けるため、今後もAI技術への取り組みを進めていきます。

*損失関数:
正解値とモデルによる出力された予測値とのずれの大きさを計算するための関数。この損失の値を最小化・最大化することで機械学習モデルを最適化することができる。