AIコンペティション表彰実績
リコーの平口裕紀、松浦和摩*、廣井貴史のチームが、2022年7月29日から10月28日にかけて開催されたAI(人工知能)を用いたデータ分析技術の国際的なコンペティションプラットフォーム「Kaggle(カグル)」上の「RSNA 2022 Cervical Spine Fracture Detection(北米放射線学会2022頸椎骨折の検出)」で、Silverメダルを獲得しました。また、平口は、この受賞により、リコーで4人目となるKaggle Masterの称号を獲得しました。
骨折を示すラベルと骨折位置データ(例)
本コンペティションでは、頸椎のCTスキャンデータから、頸椎を構成する7つの椎骨それぞれの骨折確率を予測するモデルの精度が競われました。CTスキャン(百枚単位の画像の集まり)ごとに骨折有無のラベルが与えられている一方、画像単位での骨折有無のラベルは与えられていないという問題設定でした。そこで、まず画像単位でそれがどの頸椎なのかを予測。与えられたCTスキャン単位の骨折ラベルと掛け合わせることで画像単位の骨折のラベルを作成し、機械学習モデルに学習させました。さらに、骨と周辺組織のみを拡大し、予測したい画像の前後2枚を重ね合わせた画像を機械学習モデルの入力データとするなどの工夫を施すことでモデルの精度を上げました。これにより、3名は883チーム中26位となり、上位5%以内に与えられるSilverメダルを獲得しました。
リコーは、「OAメーカーからデジタルサービスの会社へ」という方針を掲げており、今後の成長に向けてAIは5Gと並んで最も重要な技術と位置付けています。AIへの取り組みとしては、2017年に「AI応用研究センター」を設立して、製品へのAIの搭載や、社内業務改革への適用などに取り組んでいます。2018年10月には社内でデータサイエンスに関する社内塾(現データサイエンスコミュニティ)を発足し、ハイレベルのデータサイエンティスト育成と現場におけるデータ活用の促進を目指してきました。平口・松浦・廣井はその参加者であり、他の参加者も「Kaggle」のコンペティションへの挑戦を通じてデータ分析やAI技術の向上に取り組んでいます。リコーはお客様に質の高いデジタルサービスを届けるため、今後もAI技術への取り組みを進めていきます。