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AIコンペティション表彰実績

リコーの松浦 和摩がAIの世界的なデータ分析コンペ「Kaggle」で「Kaggle Master」に昇格

2020年10月27日

株式会社リコーの研究者であるイノベーション本部 光システム応用研究センター センシングAI研究室の松浦 和摩が、2020年10月27日に「Kaggle」上のコンペティション「RSNA STR Pulmonary Embolism Detection」で4位となり、Goldメダルを獲得しました。松浦は過去にもKaggleにおいてSilverメダルを2回獲得しており、今回のGoldメダル獲得により昇格の条件を満たし、Kaggle Masterの称号を獲得しました。

「Kaggle」はAI(人工知能)の機械学習を用いたデータ分析技術の国際的なコンペティションプラットフォームです。2010年以降さまざまな課題に対するコンペティションが実施されており、企業などから提供された実データを含んだ課題を機械学習を用いて分析/モデル化し、予測精度を競うものです。コンペティションにはインターネットを通じて無料で参加できるため、世界各国から多数の技術者・研究者が参加し、腕を競いあっています。

松浦が参加したコンペティションは、胸部CT画像から肺血栓塞栓症(PE:Pulmonary Embolism)を予測する医療分野の課題でした。松浦は、複数枚のCT画像を時系列データと捉えたアプローチに加えて、attentionメカニズム(複数のCT画像のうち病変の検出に特に重要な画像を重く見る方法)を用いた独自ネットワーク構造を用いるなどの工夫を行い、高い正答率を導き出したことによりGoldメダル獲得に至りました。世界各国から784のチームや個人がオンラインで参加した中、松浦は単独参加で4位にランクされました。

松浦はメダルを獲得した3回のコンペティションで、業務で培った画像系AIの知見を活かし、静止画や動画など、画像に関する幅広い課題で優秀な成績を修めています。

リコーは、「OAメーカーからの脱皮」と「デジタルサービスの会社への転換」という方針を掲げ、今後の成長に向けてAIを5Gと並んで最も重要な技術と位置付けています。2017年に「AI応用研究センター」を設立して、製品へのAIの搭載や、社内業務改革への適用などに取り組んでいます。2018年10月にはデータサイエンスに関する社内塾を発足し、ハイレベルのデータサイエンティスト育成と現場におけるデータ活用の促進を目指してきました。松浦はその参加者であり、他の参加者も「Kaggle」などのコンペティションへの挑戦を通じて、データ分析やAI技術の向上に取り組んでいます。リコーはお客様に質の高いデジタルサービスを届けるため、今後もAI技術への取り組みを進めてまいります。

松浦 和摩
Kaggle Masterに昇格した
松浦 和摩