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創造力を解き放つ 「寄り添う営業」をAIで強くする― リコージャパンが挑む、現場起点の営業DX 営業現場へのAI実装を推進するリコージャパン。提案準備、商談、マネジメント、育成まで──AIは営業の仕事をどう変え、どんな成果を生んでいるのか。

2026年2月9日
  • AI
  • “はたらく”に歓びを
  • DX

本記事は、日経BPの許可により日経ビジネス電子版2026年2月9日~2026年3月9日に掲載した広告を転載したものです。
Ⓒ Nikkei Business Publications, Inc.
※所属・役職はすべて記事公開時点のものです。

複合機・プリンターにとどまらず、AIを活用したICTやデジタルサービスへと価値提供領域を広げてきたリコージャパン株式会社。扱う商材や提案の選択肢が増える中、営業一人ひとりに求められる知識や判断の幅も大きく変わってきた。こうした変化を背景に、同社では営業現場へのAI実装を一気に進めてきた。提案準備、商談、マネジメント、育成まで──AIは営業の仕事をどう変え、どんな成果を生んでいるのか。リコージャパン 取締役 専務執行役員 デジタルサービス営業本部長 脇永勉氏に、現場で起きている変化とその先に描く顧客支援の姿を聞いた。

営業プロセス全体にAIを組み込む

全国に広がる営業網を通じて、長年にわたり顧客と直接向き合ってきたリコージャパン。その最大の強みは、北海道から沖縄まで地域に根差して展開してきた「顧客接点力」にある。全国約1万7000人の社員のうち約7800人を占める営業が日々現場に足を運び、顧客の声に耳を傾けてきた。

一方で、複合機・プリンターを起点としたビジネスから、AIを活用したICT・デジタルサービスへと価値提供領域を進化させる中、営業一人ひとりに求められる知識や提案力は高度化・多様化してきた。経験豊富なベテランと新人との間で提案力に差が生まれやすく、組織的なスキル向上という課題もあった。

「営業は、どうしても新人とベテランで提案力に差が出てしまいます。経験を積んだ人ほど提案の引き出しが多く成果も出しやすい一方で、個々のスキルに依存した状態では、組織としてのポテンシャルを最大限に引き出すことは難しいと考えています」
脇永氏は、営業現場が長年抱えてきた構造的な課題をこう語る。

「顧客に寄り添う」という文化を守りながら、営業品質をいかに底上げし、組織として再現性を高めていくか。その解として、同社が本格的に取り組み始めたのが、営業現場へのAI活用だった。

リコージャパン株式会社 取締役 専務執行役員 デジタルサービス営業本部長
脇永 勉氏

リコージャパンは2024年以降、営業を支える基盤を大きく刷新してきた。SFA/CRMや、社内ナレッジを集約した営業ポータルを中核に、AIによるレコメンドや検索、提案支援を営業プロセス全体に組み込んでいる。

営業が訪問予定の顧客企業名を入力すると、AIが業界動向、同業種・同規模企業での購買履歴、過去の商談データなどをもとに、「この業種でこの規模の企業は、最近こういう課題を抱えやすい」といった仮説を提示する。業界動向や過去の購買・商談データを掛け合わせながら、次の提案テーマやソリューション候補が自然に浮かび上がってくる仕組みだ。これにより、人材不足、セキュリティ、業務効率化といった漠然とした課題からでも、業界特性や企業規模を踏まえた「一歩踏み込んだ仮説提案」につなげられるようになった。顧客企業から「なぜそこまで分かるのか」と驚かれることも少なくないという。

AIによる提案レコメンド機能

さまざまな情報をAIに解析させ、最適な商品・資料を特定し提案する

SFA/CRMに蓄積された顧客セグメント、活動履歴、購買履歴、業界情報などをAIが分析し、ナレッジベースの商品資料や提案書を検索して営業に最適な商材や資料を提示する仕組みの図。AIが自動でレコメンドするプッシュ型提案と、営業が資料検索するプル型提案の両方の流れを示している。

さらに、提案書作成においてもAIが下書きを生成することで、従来は数時間かかっていた準備が数分で完了するケースも増えている。「今まで30分~1時間かけて作っていた提案書のたたきが、AIなら3分で出てくる。これはもう使わない理由がないですよね」と脇永氏は語る。営業は資料作成に追われることなく、顧客との対話や課題深掘りにより多くの時間を割けるようになったという。
こうした取り組みの成果は、数字にも表れ始めている。営業活動における課題の深掘りが活性化し、お客様の課題を捉えたうえで仮説提案し案件化した場合は、7割を超える高い受注率になっている。提案スピードが上がったことで商談数そのものが増えただけでなく、顧客課題に即した提案が可能になったことで、案件単価の向上にもつながっている。

受注率への貢献

顧客課題を捉えて仮説提案した案件は受注率74.5%、課題を捉えない案件は60.5%であることを示す棒グラフ。

課題あり(お客様の課題を捉えたうえで仮説提案し案件化した場合)は、7割を超える高い受注率となっている

商談そのものを進化させるAI

AI活用は、事前準備にとどまらない。現在同社では、お客様から許可をいただき商談内容を録音し、AIで自動文字起こし・要約・次アクション提案まで行う取り組みを進めている。商談終了と同時に議事録が生成され、次に提案すべき内容や確認事項が整理されることで、営業日報や商談記録の負荷は大幅に軽減される。「商談が終わった瞬間に、議事録と次の提案のヒントが出てくる。これは正直、最強のツールだと思っています」と脇永氏は力を込める。

これまで個人の記憶に頼って入力していた情報が、事実に基づき記録、蓄積されるため、マネジメントの質も変わったという。マネージャーはAIが整理した商談データをもとに、より具体的で説得力のあるフィードバックができるようになる。

さらに、商談記録が蓄積されることで、営業の提案の質も変わり始めている。直近のやり取りだけでなく、半年前や1年前の商談内容、過去にどんな課題を話していたのか、どこで検討が止まっていたのかといった履歴を踏まえた提案が可能になった。

過去の商談記録とその他の情報をAIが横断的に捉えることで、「この領域は、まだ十分に提案できていない可能性がある」といった示唆が得られるようになり、これまで見過ごされがちだった提案の余地に気づき、新たな提案につながっている。

活動をAIで解析し、課題を提示

営業活動の結果や顧客の反応を入力すると、AIが内容を解析して想定される課題を提案し、確認して課題を登録。活動情報と課題がデータ連携される流れを示した図。

活動結果・お客様の反応を入力すると、AIが内容を解析し、最適な課題を提案してくれるので、確認し課題を登録。活動と課題が紐づけされる

営業の現場で進むAI活用の実践例

営業活動の成果を支えているのは、提案準備や商談の場面にとどまらない。社員の育成や顧客接点に至るまで、営業の仕事の随所にAIを組み込み、現場での実践として積み重ねてきた取り組みがある。

会話を可視化し、インサイドセールスの質を高める

電話やE-mailを使ったインサイドセールスの領域でも、AI活用は進んでいる。会話内容を振り返ることで、コミュニケーションの改善点を客観的に把握できるだけでなく、感情の変化からカスタマーハラスメントの兆候を察知するなど、リスク対策にもつながっている。

リアル+VRで実践力を高める営業育成

育成面でもAIの活用を進めている。通常業務においては、実際の商談データをもとにした振り返りに加え、「この場面ではこう切り返した方が良かった」「こういった口調のクセは修正した方が良い」といった改善点をAIが提示する。新人教育にはVRを取り入れ、仮想空間でのロールプレイングと組み合わせることで、経験を積むスピードそのものを高め営業の腕前を磨いていく環境を整えている。

VRを使用した新人営業研修の様子

イベント集客も、経験からデータへ

顧客向けイベントやセミナーの案内方法も変化している。かつては誰にどのイベントを紹介するかは個々の営業の判断に頼っていたが、現在は過去の参加履歴や行動データをもとに、「このイベントに参加した顧客には、次はこのテーマが合いそうだ」といったレコメンドが得られるようになった。

成功事例を「月2本」共有するスグマネ事例共有会

AI活用も含めた現場で生まれた成功事例は、個人の経験にとどめず組織の知として共有されている。月に2事例ずつ、部門長から発信される事例共有では、「この業界では、こういう切り口が刺さった」「この規模感では、ここを押さえると話が進みやすい」といった具体的な知見が共有されている。

これらの事例はいずれも、現場での小さな改善を積み重ねた結果だ。「AIを取り入れたからといって、いきなり魔法のように数字が伸びるわけではありません。ただ、提案の近道が見えるようになったのは大きいです」と脇永氏は語る。

社内実践を、顧客価値へ還元する

AI活用を現場に定着させるためにリコージャパンが力を入れているのが「AIエバンジェリスト制度」だ。2024年度から本格化し、現在は約150名のAIエバンジェリストが全国に配置されている。エバンジェリストは、AIの基礎知識だけでなく、業務改善や顧客提案への具体的な活用ノウハウを現場に展開する役割を担っており、社内でのAI活用が自然に広がっていった。実際に、現場発のユースケース提案は数百件にのぼり、その中から実践的な取り組みが次々と生まれている。AIは難しいもの、特別な人が使うものと思われがちだが、「現場で普通に使えなければ意味がない」と脇永氏は強調する。

リコージャパンが目指しているのは、社内で磨いたAI活用の知見を顧客支援へと還元することだ。AIを活用した商談支援や見積作成、インサイドセールスで培ったノウハウは、同様の課題を抱える顧客からも高い関心を集めている。「その営業支援ツールをぜひ導入したい」と声をかけられる場面も増えており、AI実践そのものが新たな提供価値になりつつある。

こうした社内実践の知見を顧客とリアルに共有する場として位置づけられているのが、体験型共創スペース「ViCreA(ヴィクレア)」だ。ViCreAでは、リコージャパンが取り組んできた業務改革やAI活用の事例をお客様が体感しながら、リコージャパンの営業に相談することができる。営業が一方的に説明するのではなく、共に考え、価値を創る顧客接点として活用されている。

体験型共創スペース ViCreA 東京の様子

AIとともに広がる“はたらく”の未来

「AIとデジタルを使えば、営業のやり方そのものを進化させられる。まだまだ、できることは多いと思っています」。脇永氏は前向きに語る。

リコーが掲げる使命と目指す姿は「“はたらく”に歓びを」だ。顧客満足(CS)と社員エンゲージメント(ES)を同時に高める好循環を、AIによってさらに強化しようとしている。人手不足が進む中でも、営業の人数に依存しない生産性と価値創出を実現する。そのためのデジタル営業、デジタルリードの基盤づくりは、すでに動き始めている。現場で培った知恵とデータ、そしてAI。それらを掛け合わせることで、リコージャパンは「顧客に寄り添う営業」を次の次元へと進化させようとしている。

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