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スペシャル 「未来志向で、挑戦を現実に」女子プロゴルファー・河本結が語る、自分らしい進化

2025年11月21日
  • “はたらく”に歓びを

※所属・役職はすべて記事公開時点のものです。

リコー所属の女子プロゴルファーとして、着実な成長を続けてきた河本結選手。今季はすでに2勝を挙げ、賞金・ポイントともに年間ランキングの上位につけるなど、世代を代表するゴルファーに成長。そんな河本選手に「自身の挑戦」について振り返ってもらった。(取材:2025年10月27日)

ゴルフを始めた少女時代、プロ入り後に訪れた試練

—— まずは河本選手のゴルフを始めたきっかけ、そしてゴルフにのめり込んで行った分岐点について教えてください。

私の両親、特に母が大のゴルフ好きだったこともあり、5歳からゴルフを始めました。当時は、弟(※河本力選手。現在も共にプロゴルファーとして活躍)と2人でゴルフスクールに通っていました。練習は厳しかったのですが「1人じゃなかった」ということが、かなり大きかったですね。

努力した甲斐もあり、小学4年生の頃には西日本のゴルフ大会で初めて優勝。それがすごく嬉しくて、その頃からプロゴルファーを意識し始めました。

—— その後、大学進学を経て2018年にはプロゴルファーに。2019年の国内ツアー初優勝後、2020年にはアメリカツアーへの挑戦、2021年には撤退も経験されました。その当時の挑戦と苦悩について教えてください。

アメリカ挑戦に対しては「まだ早い」という声もあったのですが、私自身が挑戦したいと強く思ったから、渡米しました。

ただ、私はそこで自分のスイングや球筋など、ゴルフスタイルを変えてしまったんです。その結果、自分にはうまくはまらなくて、方向性も見失って、ご飯も喉を通らなくなって……という状況でした。

もしかすると私が日本に帰ってくることは、周りから見れば「諦めて帰ってくる」という格好悪いイメージだったかもしれません。それでも自分の中では「ゴルフで生きていくには、この諦めも大事かもしれない」という気持ちが芽生え、帰国を決断しました。

無我夢中に突き進む中で、見つけた自分のあり方

—— 帰国後、ゴルフの向き合い方に変化はありましたか。

今までよりもがむしゃらに、ゴルフをするようになりましたね。辛いし辞めたいし、やりたくないけど、もう私にはゴルフしかない。さまざまな誘惑をすべて断ち切って、ゴルフに100%向き合う覚悟を決めました。

だから帰国してすぐのうちは、めちゃくちゃ練習したんですよ。でも、今振り返ってみると「私にはゴルフしかないからやらなきゃ…」「やらないといけない」というネガティブな感情でトレーニングをしていた感覚ですね。

—— 河本選手が結果を追い求める中で、2023年から新たに挑戦したのがメンタルトレーニング。導入後に自身の中で変わった部分はありましたか。

ゴルフへの向き合い方、接し方とか、自分のあり方がガラッと変わった気がします。自分のことを見つめ直して再発見できたのが「ゴルフを通して、少しでも多くの人に感動、元気、笑顔とか、ちょっとの幸せを届けたい」という思いだったんです。

またメンタルトレーニングを始めてからは、こうしなきゃいけないというより「したいから、する」とか「こうなるために、自分は今こう過ごしている」というポジティブなメンタルへ変わりましたね。

それから、何かをコントロールできるのは、今ここに居る自分だけ。そこに気持ちを向けるようになりました。他人の行動や環境など、コントロールできないことに気分を持っていかれるのではなく、「自分の機嫌は自分で取る」ことを大事にしています。

—— 河本選手がこれまで挑戦してきた結果、手に入れたものとは何でしょうか。

やっぱり、多くの人の愛ですかね。 事務所の方、家族、サポートしてくれるスポンサーの方、懸命に応援してくれるファンの方々だったりと、どんなに苦しいときでも私から離れることなく、そばにいてくれる方がいて、愛をすごく感じました。

スポーツの世界って、成績が出なければ契約を切られてしまうことが普通なんです。成績が伸びないときにも支えてくれる人がいるのは、もうその人たちの愛でしかないな、と心から思いましたね。

彼女が体現する「ゴルフ愛」、次世代へつなぐバトンとは

—— 河本選手を語る上で欠かせないのが、華やかなファッションやYouTube、SNSを通じた発信活動。多忙な中でも、さまざまな分野で挑戦を続けてきた理由について教えてください。

一緒にプレイしていた憧れの先輩方が引退されていく姿を見て、先輩たちが今の時代を作ってくれたんだなと思ったんです。だから、今度は次の世代に幸せな環境を繋いでいくことが、私たちの役目だと考えています。

YouTubeでの発信や子どもたちへのファンサービスに力を入れるのも、「ゴルフをしてみたい、私もこういう選手になりたい!」と感じてくれる方が1人でも増えてほしいから。そういう子たちが次の世代で入ってきてくれて、女子ゴルフの世代を築いてくれたらいいなと思います。

ビジネスパーソンに伝えたい"挑戦のコツ"

—— これまでゴルフの世界において、新たな挑戦を続けてきた河本選手。新しいことをする際に、躊躇してしまうことはないのでしょうか。

私は「今日が一番若い」と思って生きています。1時間後、明日には現在よりも歳をとっていく。今が一番若いから、できることをしようと。これが何年か先の自分の肥やしになっていく。そう思うと、勝手に体が動きますし、それが習慣化されて、億劫じゃなくなっていきますね。

—— 最後に挑戦を続けるすべてのビジネスパーソンにメッセージをお願いします。また、これから始まる「2025 JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(11月27日〜30日)」の意気込みも教えてください。

私が送りたいメッセージは「現実に生きず、未来の自分のイメージに生きてほしい」ということです。

私自身、ここ数年は年間女王になってる自分をイメージして、日常生活を送っているんです。「年間女王になっている自分なら、こういう選択をするよね。こういう意見を取り入れるよね」という風に、その目標をイメージするだけじゃなくて、自分がまさにその立場になっていると思って、過ごしてみると、勝手に体が動くのだと思っています。

そういった意味でも、リコーカップはもちろん優勝したいと思っています。自分ができることを全力でやって、ゴルフができる歓びをプレーやそれ以外の部分も通じて伝えていきたいですね。

未来を見据え、自分の挑戦を歓びに変えていく河本結選手。彼女の姿勢は、リコーグループの使命と目指す姿「"はたらく"に歓びを」とも響き合う。 リコー所属アスリートとして挑戦を続ける彼女から、これからも目が離せない。

挑戦を愛そう

はたらくって、挑むこと。失敗も成功も、感謝も情熱も、そのひとつひとつが未来を動かすアクションになる。
これからもリコーは、世界中の"はたらく"を応援します。

挑戦を愛そう

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