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松屋銀座様 × リコー 対談

「銀座の百貨店でスーツを誂える」
時代を超えて愛されるエグゼクティブの流儀は
デジタルの融合によりさらなる高みへ

銀座に受け継がれる一流のおもてなし、特別なものを誂(あつら)える文化、手仕事を重んじる伝統。その発信拠点である老舗百貨店、松屋銀座様とリコーが共創。デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めています。

その第一弾として、エグゼクティブのための会員組織「松屋メンズクラブ」に音声採寸ソリューションを導入。DXで百貨店の接客は変わるのか、デジタルとアナログの最適なバランスとは?時代を超えて愛される価値観と未来に向けた変革を追求する中で、キーワードとなったのは・・・。

「デジタルの引き算」で考える
銀座の老舗百貨店に相応しいデジタルトランスフォーメーション

沼田:松屋様にRICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE Tokyo(以下RICOH BIL Tokyo)へお越しいただいたのは2018年の10月末、翌年に創業150周年をひかえ、いろいろな準備を進められているタイミングでした。

佐藤様:松屋が大きな節目の年を迎える中、社会ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が大きな話題となっており、私たちとしてもデジタルへのシフトを非常に意識しているところでした。正直に申し上げると、以前のリコーさんには少し保守的なイメージがあったのですが、最近はSDGsの積極的な推進をはじめ他社に先駆けた取り組みも多いですよね。ですから、リコーさんと一緒にどんなことができるかとても興味があって、当時の課題や考えていることをざっくばらんにお話しさせていただきました。

株式会社リコー
デジタルビジネス事業本部
(現:リコージャパン株式会社)
プロジェクトマネージャー
沼田宏章

沼田:幅広いお話を伺った中でも、松屋様の考えるDXについて「デジタルの引き算」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。あえてアナログな部分、手間暇をかける部分を大切にしたい、と。

佐藤様:はい。もともと百貨店にはOne on Oneのコミュニケーションを重視する文化があります。それに加えて松屋には、この規模だからこそITに依存し過ぎない身近に感じていただけるサービスを提供できる良さもあります。DXを意識する一方で、こうしたデジタルでは割り切れない部分こそ大事にしたいと考えていました。

沼田:リコーも創業80年以上の歴史があり、紙を中心とするアナログからデジタル分野へ移行してきましたので、その感覚はよくわかります。そこで、アナログの良さも活かした松屋様のDXを進めていくにあたり、方向性を見極めるため、いくつか商品を見ていただきました。特に音声ソリューションに興味をお持ちいただきましたが、どのような点に惹かれたのでしょうか。

佐藤様:BONX社のデバイスを紹介いただいた際、コンパクトなツールで社員同士がフレキシブルにつながるような、スマートなコミュニケーションが思い浮かんだんです。催事、婦人靴売り場、それからECのささげ業務※など、いろいろな可能性を思いついた中で、まずは松屋メンズクラブに導入してみたいと思いました。

株式会社松屋
経営企画部
システム課長
佐藤洋一様

黒岩様:松屋メンズクラブは2017年に立ち上げたクローズ型の会員組織です。松屋銀座の近隣には日本を代表する企業が多いのですが、スーツは作業着として考えている方が多いのに少し驚きました。仕事で同僚や部下、取引先やお客様とお会いする時に第一印象を上げる。サイズがきちんとあっていて清潔感があり、着ることで気持ちが高まり、仕事を後押しするような最高のスーツをお召しいただきたいと、パターンオーダースーツを中心に”身だしなみ”の提案をしています。カウンセリングにはじまり、生地選び、熟練スタッフによる採寸、デザイン・仕様の選択まで、「銀座の百貨店でスーツを誂える」という体験全体を楽しんでいただきたいので、完全予約制として「アトリエメイド」へ来店いただくスタイルにしています。
 おかげ様で大変好評をいただいておりますが、その一方で、より多くの方にご利用いただくための販売体制や工場へのスムーズな発注が課題となっていました。特に採寸工程は、お客様一人に対して最低でも採寸する人とその内容を記入する人の2名が必要となるため改善が必要でした。

沼田:その解決策として、採寸する音声をテキスト化し伝票に自動入力できないか、というところから今回のプロジェクトがスタートしたんですよね。

田中様:はい。「音声」という点がポイントでした。以前に、採寸してワンタッチでデータ入力まで完結できる他社製品を検討したことがあるのですが、これだと効率化はできても熟練スタッフならではのメジャーさばきをお客様にお見せできないことが松屋メンズクラブのサービスには馴染まず、導入を見送ったことがあります。その点、音声をデータ化する方法ならいつもどおりの採寸作業に組み込めるのではないかという期待がありました。

黒岩様:極端な話をすれば、オンラインでスーツのオーダーも完結できる時代です。ただ、銀座という場所で熟練スタッフに採寸してもらうというのは非日常の体験となり高揚感が全く違うと思います。採寸時にはシュッというメジャーをさばく音がして、その音にもプロフェッショナルの仕事を感じていただけると思うのです。採寸する熟練のスタッフがお一人お一人の体型を見極め調整する箇所を確認したり、細かなご要望を伺いながら形にしていく、そんな銀座ならではの「誂える文化」を求めてお客様は松屋銀座へ来店されます。世の中では効率が優先され、誂える機会が少なくなっている今だからこそ、松屋メンズクラブが提供する価値への期待も大きいように感じます。

株式会社松屋
銀座本店 事業推進部
黒岩真一様

沼田:デジタル化し過ぎるとお客様の期待する価値、オーダースーツの醍醐味が失われてしまうということですね。私もシステムをテストする過程でスーツをオーダーさせていただいたのですが、自分のために採寸いただける満足感は格別でした。誂えていただいたスーツは着心地も良く、仕事への意欲が高まります。こうした手仕事ならではの良さをどのようにデジタルと共存させていくか。まさに「デジタルの引き算」がプロジェクトのキーワードとなりました。

熟練スタッフがいつもどおり採寸作業を行う裏側で、
最先端のシステムを走らせる

沼田:音声をデータ化するシステムを詰めていくにあたり、スタッフの皆様にヒアリングをさせていただきました。驚いたのは専門用語の複雑さです。

黒岩様:同じ採寸位置でも、採寸する者によって「ウエスト」「胴回り」「中胴」などいろいろな呼び方があるんです。それにパターンオーダーですのでいつも実寸を言うのではなく、基本の型から何cm出す・詰めるという言い方もします。何十年も同じ言い方をしているスタッフが、音声認識のために言葉を統一するのは難しいですよね。使い慣れない言葉だと採寸作業がぎこちなくなりお客様に不信感を持たせてしまいます。それで、リコーさんにどの言い方でも正しく認識されるように相談しました。

沼田:実は、複数の言い回しを想定しておらず、そこに対応するのはなかなか難しいオーダーでした。でも職人の迷いのない所作があってこそ、お客様の信頼感・安心感につながるわけですから、ここはこだわって開発しよう、と。作戦会議を重ね、音声認識分野で強みを持つアドバンスト・メディア社の技術を組み込んで改良しました。

田中様:採寸以外に、音声認識の対象をどこまで広げるかもディスカッションしたポイントでしたよね。ボタンや衿の形の選択も音声認識させるのか、ここはお客様と対話しながら一緒に画面を見て確認する方が良いのか。アナログの部分をどこまで、どのように残すか迷うこともありました。

沼田:デジタルとアナログのバランスは、プロジェクトの焦点ですので特に時間をかけて丁寧に進めたところです。各専門分野で優れた技術をもつパートナー企業とも連携し、モックアップやプロトタイプでイメージを共有。最初は手探りだったところから何度もブラッシュアップを重ね、最終的には音声採寸だけではなく、個別で運用されていた既存の顧客管理システムや発注システムとデータ連携させることで、予約管理から採寸、工場への発注までプロセス全体の効率化につなげました。

株式会社松屋
経営企画部システム課
田中牧子様
BONX Gripを装着し、従来どおり採寸作業を行い数値を読み上げると、音声がテキスト化されiPadへリアルタイムで自動入力される。
ボタンなどの選択はお客様との自然な対話を優先し、音声認識ではなくiPadの画面をタッチして入力する仕様に。

銀座の「誂える文化」をさらに進化させる
ニューノーマルにも対応した新しい接客スタイル

沼田:2021年1月に本格稼働がスタートしました。効果はいかがでしょうか?

田中様:これまで2名以上必要だった採寸作業を一人で行えるようになり、その分、多くのお客様へのおもてなしを充実させることができるようになりました。熟練のスタッフたちも新しいツールに関心を持ってくれています。
 また、採寸時の密が緩和されるので新型コロナウイルス対策としても役立たせたいと考えています。マスクを付けていても正確に音声認識されるのは助かります。

黒岩様:書き間違いのリスクが少なくなったことも大きな効果です。採寸するスタッフの声を聞いて紙のオーダーシートに記入、さらに工場への発注画面に転記する従来の流れでは、転記ミスがゼロではありません。音声採寸では、音声からダイレクトに数値が入力されiPadでお客様と一緒に確認し、工場への発注時に使用するオーダーシートの印刷とも連携しているので音声をテキスト化した採寸データをそのまま工場へ送信できるようになります。長く紳士服に携わってきて当たり前だと思っていた採寸から工場発注までの工程を、こんな風に効率化できるとは思っていませんでした。

田中様:これまでは既存のシステムの中から比較検討した上で導入したものをカスタマイズすることが多く、今回のように一から作るのは稀な経験でした。現場でのヒアリングからスタートして、松屋銀座に最適なシステムをつくりあげていく、まさに誂えていただいた、という印象です。

佐藤様:今回の共創を通じて、デジタルの引き算を常に意識していくことが、松屋のDXだと改めて感じました。デジタルへのシフトといっても、やっぱり心と心のやりとりや感覚、フィーリングでしか表現できない価値があります。今回は共創の第一歩。今後もお互いにアイディアを出し合って両輪を回すようにDXを進めていきたいですね。

沼田:お客様と課題を共有し一緒に考えていけるのが共創の良さですね。今回も松屋様の大切にされている価値観や、採寸作業の複雑さ、職人の技術力を教えていただいたからこそ、アナログの良さや銀座の誂える文化と共存する形で、新しい価値を創造できたのだと思います。
 ぜひ引き続き共創を進めていきましょう。そして、これまでにない価値、感動を提供できるようなDXを実現していけたらと思っています。今後もどうぞよろしくお願いします。

導入前

採寸→数値を手書きでオーダーシートへ記載→工場への発注システムへ改めて手入力。

採寸する者と数値を紙のオーダーシートへ書き込む人の2名が必要だった。
さらにお客様が帰られた後、工場への発注時に使用するオーダーシートに改めて手入力する必要もあるため、書き間違えや入力ミスのリスクがあった。

導入後

採寸→採寸データがiPadへリアルタイムに入力され、工場への発注時に使用するオーダーシートとも連携。

従来どおり採寸作業を行い数値を読み上げると、耳に装着したBONX社のデバイス(A)が音声を拾い、アドバンスト・メディア社の音声認識システムがテキスト化、採寸データがiPad(B)へリアルタイムに入力される。採寸データは工場への発注時に使用するオーダーシートとも連携しているため、音声をテキスト化したデータをそのまま工場へ送信できる。

さらに、顧客管理システムともデータ連携することで、予約管理から採寸、工場への発注時に使用するオーダーシートまでの一元管理が可能となり、プロセス全体を効率化した。

お客様情報

株式会社松屋様

1869年横浜で創業し、1925年に銀座へ進出。1950年代からデザインの重要性に着目し、幅広い分野のクリエイターが所属する日本デザインコミッティーとの協業を開始。150周年を迎えた2019年には改めて「デザインの松屋」を打ち出し、売り場や接客スタイル、イベントなどあらゆる場面でデザインを起点とする独自性を発信されています。

■松屋メンズクラブ
松屋銀座様では2017年より、一流企業で働くビジネスマン、エグゼクティブの成功をサポートするクローズ型会員組織「松屋メンズクラブ」を展開。企業とのお取り組みにより、B to B to Cのビジネスモデルを形成。百貨店ならではのクオリティで、ビジネスファッションから日々の生活における様々なシーンに役立つ情報まで経験と実績に基づいて提案。完全予約制のパターンオーダースーツは上質な国内外の生地を豊富にそろえ、カウンセリングから採寸、ディテールの選択まで、業界に精通したプロフェッショナルがOne on Oneで対応。スーツのクオリティはもちろん、クローズならではの価格、さらに銀座の百貨店でスーツを誂えるという体験も含めて、会員の皆様から高い支持を集めています。
ご興味のある方は松屋メンズクラブ担当までお問い合わせください。
→松屋銀座 03-3567-1211(大代表)

外観
店内
リコーのデジタルサイネージ
スーツのオーダーは会員画面からのご予約後、松屋銀座5階にあるドレスアップラウンジ「アトリエメイド」へご来店ください。重厚感のある店内でこだわりの詰まった最高の一着をオーダーしていただけます。