2024年11月
メッセージ オフィスリニューアルは経営課題を解決する手段となる
RICOH BIL TOKYOで体験できるデジタルを活用した次世代ワークプレイスとは
"体験と対話"から生まれたお客様のアイデアや未来構想の具現化を支援するRICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO(以下、RICOH BIL TOKYO)は、来場者との共創の場として、様々な仕掛けが施された空間設計となっています。
そんなRICOH BIL TOKYOの場を共創してきたのが、リコージャパンのワークプレイスデザイン事業のチームです。
リコージャパンはRICOH Smart Huddleというコンセプトで、自社の強みである様々なデジタルサービスを組み合わせ、オフィスにおける課題や経営課題そのものを解決する為の「あたらしい働き方」を提案しています。
そこで今回はワークプレイス事業を推進する、リコージャパン デジタルサービス企画本部 スマートコミュニケーション企画センター スマートハドル企画室 室長 岸 宣之、同室事業戦略グループ リーダー 柳瀬 美幸が、RICOH Smart Huddleがオフィスづくりにおいてどのような価値提供を行っているのか、また昨今のワークプレイスに求められることや今後の展望について語りました。
デジタルを組み合わせ、次世代のワークプレイスに求められる価値創造に取り組むRICOH Smart Huddleとは
── RICOH Smart Huddleとは何なのかを教えていただけますか?
岸:リコーは創業より複写機メーカーとして成長してきましたが、アナログからデジタルに移り変わっていく中で、デジタルサービスの会社へと変化しています。そして、我々が所属するスマートコミュニケーション企画センターでは、デジタルデバイスを用いたコミュニケーション領域における価値提供を行ってきました。
リコーグループとしては1990年代よりワークプレイス事業を展開してきており、お客様が求める理想のオフィスづくりを支援してきました。時代の変化を経て、あらためてお客様の”はたらく”の変革を支えるという視点で、トータルにデザインし考えていこうと生まれたのがRICOH Smart Huddleです。
RICOH Smart Huddleでは「次の “はたらく” のあたりまえを創る」というメッセージを掲げ、ワークプレイスデザインを行ってきたノウハウ、そしてリコーが持つ様々なデジタル領域での強みを活かし、これからの時代に求められるワークプレイスの新たな価値をご提案しています。
柳瀬:従来までのオフィス移転は、組織規模が大きくなり、手狭になったから移転をするというケースがほとんどでした。しかし、昨今はコロナ禍を機にオフィスに出社するという当たり前が当たり前ではなくなり、リモートワークが進んでいったことで、オフィスの意味が見直されています。
そこで、あらためてオフィスをどのように活用していくか、オフィスでどのようなコミュニケーションを取り、どのような価値創造が行われるのが理想であるかといった視点から、オフィス移転やリニューアルは経営課題を解決する手段として捉えられるようになりました。
例えば、今までは移転先で使う家具などを揃えて、従業員が心地よい空間をつくるということを意識するだけで良かったかもしれません。しかし、経営課題の解決という視点で考えたときに、デジタルサービスを活用してオフィスでのDX実現を進めていくといった新たな視点を持つことが求められます。
そうしたときに、デジタルサービスの会社として成長してきたリコーの強みを活かしながら、ワークプレイスデザインによって経営課題を解決していくのがRICOH Smart Huddleです。
写真右:スマートハドル企画室 室長 岸、写真左:スマートハドル企画室 事業戦略グループ リーダー 柳瀬
── デジタルサービスとワークプレイスデザインの両輪での課題解決に取り組まれているとのことですが、具体的にはどのようなソリューションを提供されているのでしょうか?
岸:経営課題というと高尚な話のようにも聞こえますが、企業が抱える課題によって提供するソリューションは様々です。
例えば採用課題を抱えている企業であれば、企業ブランディングを目的にエントランスだけを部分的にリニューアルするというケースもありますし、必要に応じて採用ページのリニューアルも行うなど、課題に対してトータルでの支援を行っています。
特に私たちリコージャパンは販売会社の位置づけではあるものの、仕入れて売るということだけでなく、それらをインテグレーションして価値提供を行うことを大切にしています。例えばお客様の潜在的な課題を捉えるため経営者や従業員にインタビューを行うなど、予算の中でどういったことが提案できるかを考え、パートナー企業と協力して幅広い選択肢の中から最適なソリューションを提案していけるのが我々の強みでもあります。
そして、ただデジタルサービスを提供するだけでは意味がなく、いかにワークプレイスでの体験をつくっていくかが重要です。
以前RICOH BIL TOKYOに訪問いただいた経営者の方に、オフィス内にあった植物に対して「これは本物か、それともフェイクなのか」といったご質問をいただいたことがありました。経営者の中にはそうした本物の植物を置くことを大切にされている方も多くいらっしゃいます。
それはリモートワークで家でも仕事ができる時代だからこそ、いかに「ここならではの居心地の良さをつくるか」ということもワークプレイスデザインに求められる視点で、我々もデジタルサービスを提供しつつも、アナログな部分、体験の部分をどうつくっていくかを大切にしています。
柳瀬:昨今は出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークを採用するケースが増えています。そうした中、リモートワークであっても臨場感のあるコミュニケーションを実現するためのデバイスであったり、LEDビジョンを用いてよりリアルに近い会議システムだったりに興味を示されるお客様は多くいらっしゃいます。
そしてリコーとしても、「オフィスは生産性を追求する空間から、創造性を発揮する空間へ」様々な新しい会議の形をご提案しています。
RICOH Smart Huddleのフラッグシップな場所としてRICOH BIL TOKYOがありますが、RICOH BIL TOKYOでは来場されたお客様と一緒に体験し、対話をして創造していくための動線設計を大切にしています。
たとえば、お客様との商談の中で一番本音をうかがえる瞬間というのは、商談後にエレベーターホールまでお見送りする時間だったりします。そこでRICOH BIL TOKYOでは会議室を出てエレベーターホールへ向かう途中に、その日の対話を振り返る体験ができる空間を設置しました。
来場いただいたお客様からは、こうしたリコーならではのデジタルを活かした機能や動線づくりから生まれる演出に共感いただいております。
「中長期的な提案ができるフラッグシップな場所」RICOH BIL TOKYOを起点に社内外との新たな共創が生まれている
── RICOH BIL TOKYOとSmart Huddleの関係性について教えてください。
柳瀬:リコーはこれまでに、たくさんのオフィスの課題を解決してきた歴史があります。RICOH Smart Huddleという名称になる前からも、デジタルサービスとワークプレイスデザインを組み合わせたご提案というのはこれまでも行ってきました。
そして全国の私たちの支店をLiveOffice「ViCreA(ヴィクレア)」という、リコージャパンのワークスタイル変革へのチャレンジをお客様にご体感いただく空間としてお見せしてきています。
そうした中、リコーが持つデジタルサービスとお客様の発想の融合によって新たな価値を生み出す共創の場所としてRICOH BIL TOKYOが誕生したわけですが、RICOH BIL TOKYOの最初の共創パートナーとして一緒にこの空間づくりを行ってきたのがリコージャパンのワークプレイス事業のチームでした。
岸:これまでの「ViCreA」ではなかなかお見せできなかったような、10年、20年後を見据えた提案ができるフラッグシップな場所がRICOH BIL TOKYOだと考えています。
RICOH BIL TOKYOでお見せしているものは顧客企業で体現できないことも多くあるかもしれませんが、リコーが持つデジタル技術を用いたこだわりが多く詰め込まれています。
RICOH BIL TOKYOは、こうした規模のものをつくりあげていくため100人以上が関わるプロジェクトだったのですが、事業分野をまたぎ、高いレベルでの相乗効果が生まれるような、まさに私たちにとっても共創プロジェクトでした。
── RICOH BIL TOKYOが誕生したことで実現できたことは具体的にどのようなことがありますか?
柳瀬:たとえば音声解析技術を用いて会議の発言を分析するような仕組みであったり、AIや大きなLEDビジョンを通じてインタラクティブな体験を実際の来場者にお見せできるようになったのは、RICOH BIL TOKYOだからこそ。
そして技術的な課題や予算の都合上、現段階ですべての機能をお客様に提供することは難しいかもしれませんが、「DXを進めていく上で中長期的にこういったことができるのだ」ということをご提案できるようになりました。
また、リコーは会社規模も大きいため、これまでは部署を横断して新たな価値創造に取り組むということが容易ではありませんでした。
しかしRICOH BIL TOKYOを起点に、お客様とだけでなく社内の他部署とも交流が生まれ、「リコーとしてこんなこともできるのだ」と気付かされることも多くあります。RICOH BIL TOKYOができたことで、まさに社内外との新しい共創が実現できるようになったと感じています。
そして「共創する」という価値基準で集まっている人たちとだからこそ、あらためて「社会に役に立てることはなんだろうか」という本質的なことを考えられますし、リコーが掲げる「“はたらく”に歓びを」というビジョンを形にしやすい場所だと思っています。
人間が働き続ける以上、ワークプレイスは続いていく。多くの人が仕事や会社を楽しいと思える社会づくりに貢献したい
── あらためて、これからのワークプレイスはどのように変わっていくとお考えですか?
岸:まず、人間が働くということは今後もなくならいでしょうし、人間が働いている以上、ワークプレイスというのはずっと続いていくものだと考えています。
そうした中ワークプレイスに求められるものというのは、インテリアを変えるというような話で留まるものではなく、その時々の「働く」ということをいかに支援する場所であるかが求められるでしょう。
現在RICOH Smart Huddleとしては、デジタルサービスを軸にお客様企業の「働く」ということを支援していますが、デジタルサービスはあくまでも手段でしかありません。数年後には私たちがデジタルサービス以外のソリューションを提供している未来もあるかもしれませんが、「働く」を支援するリコーという会社の姿は変わらないと思っています。
そうした未来に、これからもお客様が「働く」という中で感じている課題に向き合い、一緒にあるべき姿を考えてご提案していければと思います。
── 最後に、今後の展望をお聞かせください。
柳瀬:RICOH Smart Huddleとして、まずはリコーグループ内での認知をもっと広げていき、様々な事業部門と共創していくことで、より多くの会社の働き方を良くしていけるような支援を行っていきたいと考えています。
そして全国のお客様に「次のはたらき方をリコーと創る」と思っていただけるようになり、多くの働く人たちが幸せになれる社会に繋がっていけば嬉しく思います。
岸:リコーの創業者である市村清が提唱した三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」ということを体現していき、自分たち自身がワクワクするような仕事をつくっていきたいと思っています。
人生において仕事の時間というのは長いからこそ、朝起きて「今日も会社に行きたい」と思えるような人が多い社会のほうが良いと思いますし、「仕事が楽しい」「会社が楽しい」と思える人が増える未来であってほしいと思っています。
そして私たち自身が夢中になって楽しく働くことで、そのワクワクがお客様にも伝わっていい仕事に繋がっていくと思います。
感動を届ける仕事をするためにも、自分たちの心が動く仕事をして、これからも「"はたらく"に歓びを」提供していきたいと考えています。