TCFD のフレームワークに則り、脱炭素社会に向けたリコーグループの取組みについて報告しています。
リコーグループTCFDレポート2023 (36P/7.54MB)
リコーグループTCFDレポート2022(36P/8.15MB)
リコーグループTCFDレポート2021(36P/9.37MB)
「気候変動」は、グローバル社会が直面している最も重要な社会課題の1つです。
世界では「気候危機」という認識が明確になってきています。気候変動対策の国際的な合意であるパリ協定では、「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べ2°Cより十分低く保つとともに、1.5°Cに抑える努力を追求」することを目指しており、そのためには今世紀後半に人為的な温室効果ガスの排出と吸収のバランスを達成する必要があるとしています。
さらに、2021年8月IPCCは、2021-2040年には世界の平均気温上昇が産業革命以前に比べ1.5°C以上に達するとの予測を発表しました。世界の国・企業は気候変動への取組みのさらなる強化が必要となってきています。
リコーグループでは、長年、環境経営に取り組んできましたが、既に地球規模で異常気象が想定を超えて頻発、激甚化しており、脱炭素社会に向けた取組みの強化を進めています。自然災害リスクは、対応を怠ればリコーグループにとって大きな影響が発生しかねない喫緊の課題となっていることから、グローバルな生産拠点を対象に詳細な影響評価を実施し、2020年度末に将来のリスクを見越した対応計画を定め、対策を開始しています。また、脱炭素社会への早期移行を目指し炭素税の導入や消費者・投資家の行動が急速に変化するなど、対応の緊急度が高まっていることから、従来掲げていた2030年の環境目標を見直し、事業に使う電力における再生可能エネルギー比率の2030年度目標を、これまでの30%から50%に引き上げました。
一方、気候変動に対する緩和・適応への積極的な対応は、プリンティング事業において省エネ、省資源技術、サービスなどを活かしたお客様の脱炭素化を支援する商品やソリューションの提供機会をもたらします。また感染症対策につながるソリューションはニューノーマルな働き方への新たな価値提供をもたらし、更には環境・エネルギー分野における事業拡大や新規事業創出が将来の財務効果を生み出す大きな可能性を秘めていることが再確認できました。
リコーグループでは、毎年、TCFDフレームワークに沿って気候変動に伴う事業インパクトのレビューを実施しており、定期的に見直しを実施することで最新の気候変動リスクの把握ならびに機会を捉え、脱炭素活動を推進しています。今後もTCFDレポートの発行を通じてステークホルダーの皆さまとの意見交換を深め、気候変動に対する取り組み及び開示のレベルアップを図っていきます。