※所属・役職はすべて記事公開時点のものです。
宮澤さん:リコージャパンのヘルスケア事業部に所属し、「リコーけあマルシェ」や「リコーみまもりベッドセンサーシステム」の事業開発をグループリーダーとして担当しています。元々、リコーのヘルスケア事業の部署で介護市場向けの見守りシステムの商品開発・事業開発を担当していたのですが、2021年に販売機能と商品企画、商品開発機能を統合することになり、販売会社であるリコージャパンに組織機能が統合され、現在に至っています。
株式会社リコー
販売部門
宮澤 利夫さん
展示会の様子
宮澤さん:川崎市に手話通訳者として登録しており、川崎市に在住の聴覚障がい者等からの依頼を受けて、指定された場所で手話通訳の業務を行っています。聴覚障がいをお持ちの方が聴覚障害者情報文化センターに手話通訳者の派遣依頼をし、手話通訳者はそこから派遣依頼を受けるという流れです。主に土日に活動を行っており月に1回程度の活動です。場所は、学校・保育園での面談やイベント、警察関係、会議、地域のイベントなど様々です。また、聴覚障がい者の社会参加や手話通訳制度の拡充・発展のための検討会などにも委員として参加しています。これまでにも、救急車の要請時に手話通訳が派遣される緊急派遣制度や、災害発生時に通訳者がどのように動くのかのマニュアル作りなどを行っています。また、防災イベントなどに参加し聴覚障がい者の理解を深めるための活動なども行っています。
参考:「川崎市聴覚障害者情報文化センター」
https://www.joubun.net/dispatch.html
手話通訳研修会の様子
宮澤さん:リコー社内に手話サークルがあり、そこに参加して手話を覚えるようになりました。でも実は、元々興味があったというわけではなく、たまたま会社のお花見のイベントで手話サークルの人に出会った当時の上司が勧めてくれたこともあって、サークルに入りました。その後、地元の川崎市で手話通訳者になるための養成講座に通うなど学習をして、手話通訳者の試験に合格し活動を始めたことがきっかけです。
宮澤さん:通訳活動だけでなく、聴覚障がい者が暮らしやすくなるための制度作りや、啓発活動など多岐にわたる活動を通して、地域とのつながりができたこと、また自身の視野が大きく広がったことです。本業の仕事で、訪問したお客様に聴覚障がい者がいらっしゃったことがあり、手話を使って直接コミュニケーションができたこともありました。具体的には、お客様担当の営業から「商談の場に聴覚障がい者がいらっしゃるので、同席してほしい」と依頼され対応したことがあります。
マンションでの防災設備説明会
宮澤さん:会社や家族の理解もあり副業をする上で苦労したことはありません。ただ、手話通訳という仕事自体はなかなか難しく苦労することも多いです。例えば病院への通院同行の例ですと、センシティブな内容もあり、正しく通訳するために事前に病気のことを調べたりします。また講演会の通訳の際には、講師のことを事前に調べ、著作を読んで予習することもあるのですが、難しい分野の場合は苦労します。毎回、終わると反省ばかりです。
宮澤さん:本業のみでは出会うことがなかった方々との出会いや視野が広がったことで、本業の事業開発や企画をするうえでも、いろいろな発想をすることに活かされています。そして、手話通訳という仕事は社会課題の解決にもつながっているので、それに貢献していると思うとやりがいがありますし、本業の方でもモチベーションがアップしているのを感じます。また、手話通訳をやるようになってコミュニケーションの大切さ、難しさを再認識しています。手話がわかるというスキルと、通訳するというスキルには大きな差があります。例えば“うなずき”は、手話言語では、日本語の「肯定」以外にも意味があり、どう理解するかはとても難しいです。本業においても同様ですが、働く上での基本はコミュニケーションなのではないかと思います。
宮澤さん:ぜひ今後も継続をしていってほしいですし、社外副業をする方がもっと増えていくといいですね。まったく違う分野の副業であっても、間違いなく新たな気づきや学びがあり、本業の方にも良い影響があると確信しています。
介護福祉施設のご利用者それぞれに最適なセンサーやカメラなどのデバイス・システムを選択し、その情報から、離床・排せつ・睡眠などの状況や生活リズムを把握。ご利用者の生活に合わせた、介護サービスを提供する統合見守りシステムです。
ベッド上の利用者様の状態をセンシング。利用者様ごとに離床タイミングや生活リズムを把握し、最適なケアをサポートします。