お客様のニーズの多様化に対応しながら、開発効率向上や製品の低コスト化を実現するために、SCMにおいて開発・設計は重要な役割を担っています。リコーグループでは調達から回収・リサイクルまでのサプライチェーンの各ステージをトータルにとらえた設計プロセスの改革に取り組んでいます。
「プラットフォーム&モジュール型開発」では、シリーズ機種を対象とした商品企画、後継モデルも視野に入れた開発構想を行い、仕様に幅をもったモジュールの開発・設計を行います。
シリーズ機種の後継機種の開発にあたっては、原則的に、前身機で開発したプラットフォーム・モジュールの固定、あるいは仕様向上に対応するための最小限のモジュールの入れ替えにとどめます。その結果、品質の向上、開発の効率化などが図られ、より競争優位な技術の獲得に開発リソースを振り向けることが可能となります。加えて、このような開発により、新機能を設計した数世代先の製品にも、回収されたリユース部品を繰り返し利用することができます。
ΣEシステム
電子部品選定の効率化、調達コスト削減、在庫削減を実現する「ΣEシステム」を1996年から2006年にかけて構築しました。これにより、従来35,000点にも上った部品点数を3,000点にまで絞り込み、認定電子部品データベースに登録するとともに、部品認定の専門組織によって、常にQCDE(品質・価格・納期・環境)が保証される仕組みを構築しています。その結果、設計上流での部品選定作業の効率化と設計品質確保、部品購買コストと工場在庫の削減などが実現しました。