リコーグループは、目指すべき持続可能な社会の姿を、経済(Prosperity)・社会(People)・地球環境(Planet)の3つのPのバランスが保たれている社会「Three Ps Balance」として表しています。この目指すべき社会の実現に向け、経営理念・中期経営計画・ステークホルダーからの期待を反映したマテリアリティを特定し、3か年ごとの中期経営戦略の策定に合わせ見直し、設定しています。
【マテリアリティ】
【戦略的意義】
事業を通じた社会課題解決
“はたらく”の変革
Creativity from Work
人とデジタルの力で、はたらく人やはたらく場をつなぎ、お客様の“はたらく”を変革するデジタルサービスを提供し、生産性向上・価値創造を支援する
地域・社会の発展
Community and Social Development
技術 x 顧客接点力で、地域・社会システムの維持発展、効率化に貢献し、価値提供領域を拡大する
脱炭素社会の実現
Zero-Carbon Society
バリューチェーン全体の脱炭素化に取り組み、カーボンニュートラルへの貢献を通じたビジネス機会を創出する
循環型社会の実現
Circular Economy
自社および顧客のサーキュラーエコノミー型ビジネスモデル構築によりビジネス機会を創出する
経営基盤の強化
責任あるビジネスプロセスの構築
Responsible Business Process
サプライチェーン全体を俯瞰してビジネスプロセスのESGリスク最小化を図り、ステークホルダーの信頼を獲得する
オープンイノベーションの強化
Open Innovation
社会課題解決型の事業を迅速に生み出すために、自前主義を脱却し新たな価値創出プロセスへの転換を図る
多様な人材の活躍
Diverse and Inclusive Workforce
多様な人材がポテンシャルを発揮できる企業文化を育み、変化に強い社員・会社へと変革する
事業を通じた社会課題解決
マテリアリティ | 2030年目標 | 注力事業 | 21次中経 ESG目標 (2025年度末) |
2023年度実績 | 2025年度目標達成に向けた進捗と取組 | |
---|---|---|---|---|---|---|
“はたらく”の変革 |
価値を提供するすべての顧客の“はたらく”の変革に貢献 |
|
①顧客からの評価*1 | 29% |
|
地域間の好事例共有と⽔平展開 |
地域・社会の発展 |
3,000万人の生活基盤の向上に貢献 |
|
②生活基盤向上貢献人数 | 2,000万人 | 1,794万人 | 計画どおり進捗 |
脱炭素社会の実現 |
GHGスコープ1,2の63%削減およびスコープ3の40%削減 使用電力の再生可能エネルギー比率50% |
|
③GHGスコープ1,2削減率(2015年比) | 50% | 50.6% | |
④GHGスコープ3削減率(2015年比) | 35% | 38.5% | ||||
⑤使用電力の再生可能エネルギー比率 | 40% | 33.6% | ||||
⑥削減貢献量 | 1,400千t | 1,059千t | ||||
循環型社会の実現 |
バリューチェーン全体の資源有効活用と製品の新規資源使用率60%以下 | ⑦製品の新規資源使用率 | 80% 以下 |
78.9% |
*1:デジタルサービスの会社としてご評価いただけたお客様の割合
*2:中南米はソリューション顧客を対象にした調査
*3:GEMBA:オフィス以外(店舗・倉庫等)を対象とした保守・サービス事業
経営基盤の強化
マテリアリティ | 21次中経 ESG目標(2025年度末) | 2023年度実績 | 2025年度目標達成に向けた進捗 | |
---|---|---|---|---|
責任あるビジネスプロセスの構築 |
⑧CHRBスコア*4 | ICTセクタートップ | セルフアセスメント実施完了 | 特定された優先課題の確実な改善活動の実施 |
⑨NIST SP800-171準拠自社基盤事業環境カバー率 | 80%以上 | 保護すべき情報の特定およびアセスメント実施中 | 保護すべき情報の特定およびアセスメントの早期完了 | |
⑩低コンプライアンスリスク グループ企業比率 | 80%以上 | 高リスク組織に対してパルスサーベイ実施完了 | 計画どおり進捗 | |
オープンイノベーションの強化 |
⑪共同研究・開発契約のウェイト | 25% | 23% | |
⑫デジタルサービス特許出願比率*5 | 60% | 54.7% | ||
多様な人材の活躍 |
⑬リコーデジタルスキル レベル2以上の人数(国内) |
4,000人 | 2,855人 | |
⑭プロセスDXシルバーステージ認定者育成率*6 | 40% | 21% | ||
⑮エンゲージメントスコア*7 |
|
|
||
⑯女性管理職比率 | グローバル:20% (国内:10%) |
グローバル:16.5% (国内:7.7%) |
*4:Corporate Human Rights Benchmark:機関投資家とNGOが設立した人権関連の国際イニシアチブ
5セクター(農産物,アパレル,採掘,ICT,自動車)のグローバル企業から約250社を選定して評価
*5:特許出願数に占めるデジタルサービス貢献事業に関する特許出願数の割合
*6:プロセスDXの型に基づいたプロセス改善実績のある人材の育成率(母数は各ビジネスユニットの育成対象組織総人員数)
*7:Gallup社のQ12Meanスコアを採用
STEP1:課題抽出
中期経営戦略の検討にあたり、気候変動や人権対応要請など、環境・社会動向の変化による自社の事業活動への影響、および自社の事業活動が環境・社会に与える影響を、リスクとビジネス機会の観点で評価し、対処すべき課題を抽出します。
STEP2:課題の優先順位付け
抽出した課題に対して、SDGs CompassやGRIスタンダード、ダブルマテリアリティの考え方など国際的なガイドラインを踏まえ、経営理念、経営戦略・事業戦略、外部ステークホルダーからの意見、リスクマネジメントシステムに沿った重点経営リスクなどを踏まえて優先順位付けを行い、マテリアリティおよびESG目標の素案を作成します。
STEP3:経営の意思決定
マテリアリティおよびESG目標は、 CEOを委員長とし、全社内取締役、執行役員で構成されるESG委員会にて審議・決定し、中期経営戦略の財務目標とともに、取締役会にて承認の上、開示します。
STEP4:実績開示
ESG目標に対する年度毎の実績は、ESG委員会で経営と確認の上、毎年開示します。
参照したステークホルダーの意見
参照したガイドライン
リコーでは、ESGの取り組みや目標達成に対する経営責任を明確にするため、2020年度より役員報酬にESG指標を組み込んでいます。取締役については、賞与算定式のESG指標として「DJSI*年次レーティング」を設定しています。また、執行役員の報酬については、事業業績目標および重点施策の達成度合いに加え、マテリアリティ紐づいて設定されたESG目標の達成度合いが評価指標に組み込まれており、この評価結果によって毎年の報酬が決定されます。
リコーグループは「ESGと事業成長の同軸化」を方針に掲げ、ESGを非財務ではなく、数年後の財務につながる「将来財務」と位置づけています。 「事業を通じた社会課題解決」として特定した4つのマテリアリティを特に重要なビジネス機会と捉え、自社の強みを活かした取り組みによってさらなる事業成長へつなげていきます。事業を通じて社会課題解決に貢献するリコーグループの取り組みをご紹介します。