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企業・IRサイト共通 “ごみ”が“資源”へ変わる瞬間が、現場の意識を変えた | 響環の森(リコー環境事業開発センター)

“ごみ”が“資源”へ変わる瞬間が、現場の意識を変えた

目次

課題は「見えていなかった」。サステナビリティ推進の中で見つけた新たなテーマ

愛知県長久手市に本社を構える電気設備総合メーカーの日東工業株式会社では、2023年にサステナビリティ推進室を立ち上げ、本格的なESG経営や環境課題への対応を進めていました。立ち上げメンバーでもある室長の林様は、「実は当初、軟質プラスチックに大きな課題があるとは認識していませんでした」と振り返ります。従来から廃棄物・廃棄コストの低減には取り組んでいたが、サーキュラーエコノミー*1や資源循環の視点での活動は限定的でした。
転機となったのが、愛知県が推進する「 あいちサーキュラーエコノミー推進プロジェクトチーム*2 」(以下、愛知プロジェクト)への参加です。その中で、日東工業はプラスチック資源循環チームに参画。静岡県にある自社の樹脂成形工場での廃棄物の有効活用について検討を始めました。時を同じくして、同社のDX部門を通じてリコーとの接点が生まれます。リコーが開発を進めていた「 資源循環デジタルサービス*3 」と「樹脂判別ハンディセンサー*4」の構想を聞き、工場から排出される軟質プラスチックの再資源化について具体的かつ実現性の高い仕組みを知ることになります。

サステナビリティ推進室 室長 林 悟 様

一社では解決できない課題に、仲間とともに挑むことに決めた

実証開始前、リコーの担当者は静岡県内の工場を訪問し、実際の廃棄物を現地で確認。分別状況や素材構成を一緒に調査しながら、資源循環スキームの可能性を検証しました。
林様が特に印象的だったと語るのは、リコーの姿勢です。
「一生懸命な姿は単なる技術検証ではなく、社会全体の資源循環を変えていこうという強い意思を感じました」
当時、日東工業は先述の愛知プロジェクトで資源循環の検討を進めていました。そこで、リコーはそのプロジェクトへ合流し、行政・事業者・リサイクラーを巻き込んだ形で具体的に活動を推進します。個別企業の取り組みではなく、社会課題の解決を目指すプラットフォーム型のアプローチを提示しました。さらに、環境省の実証事業*5として展開されることも後押しとなりました。
「日東工業単独では実現が難しい規模の取り組みでも、リコーが資源循環スキームの構築を支援し、自治体、他の参画企業という志を同じにした仲間と協力することで社会実装につながる可能性が高まると感じました」
こうして日東工業は排出事業者として資源循環の実証事業に参加し、軟質プラスチックの回収・再利用に向けた活動が本格的にスタートしました。

樹脂判別ハンディセンサーで判別し集められた回収前の軟質プラスチック

最も大きな成果は、工場現場の“意識の変化”

今回の実証事業では、これまで処理費用をかけて焼却していた軟質プラスチックを、複数の排出事業者からまとめて回収。一定量を確保することで有価物としての取引につなげ、再生原料を経て、資源ごみ袋などの製品として再利用する資源循環を実践しています。リコーは、この仕組みを構築し、関係者間の調整や、資源循環に必要な情報の収集・整理を支援しています。
実証開始当初、工場にとって分別作業は負荷の増加を意味していました。生産性や品質向上が最優先の製造現場では、新たな分別業務の追加は容易ではありません。工場側に出来るだけ負担をかけないよう配慮をしながら、サステナビリティ推進室のメンバーと現場の責任者で協力をして限定的な運用をしていました。
しかし、回収された軟質プラスチックで再生された自治体指定の資源ごみ袋を工場の人たちに見せた時、彼らの表情が変わりました。自分たちが分別した廃棄物が、社会の中で新しい価値として循環していることを実感できたのです。これを潮目に、その後現場から、「この材料も回収対象にならないか」「この廃棄物も再利用できるのではないか」といった提案が自主的に寄せられるようになりました。
これまでの環境活動は「廃棄を減らす」「コストを削減する」といったマイナスをゼロに近づける取り組みが中心でした。一方、今回の実証では、「自分たちの行動が社会に役立っている」というポジティブな意識が生まれたのです。林様は、この従業員の行動変容こそが、実証期間を通じて驚きであり、最も大きな成果だったと語ります。

軟質プラスチックから再生された資源ごみ袋

資源循環を全社へ広げる次のステージへ

日東工業の今後の動きとして、社内浸透の観点では直近で、この活動で再生された資源ごみ袋1,500枚を社員へ配布する取り組みを開始しました。配布にあたってはアンケートも実施し、会社として資源循環の取り組みの認知向上や行動変容の促進につながればと考えています。
また、対象拡大として、今回の実証で得られた知見を生かしながら、軟質プラスチック以外で利用が多い硬質プラスチックやその他の廃棄物についても資源循環の可能性を検討しています。そして、水平リサイクル*6やアップサイクル*7といった手法も含め、グループ会社への展開可能性について模索していく考えです。
一方で課題もあります。現状の資源循環スキームは分別作業に一定のスキルや教育を必要とするため、作業者ごとの差異が発生しやすい側面があります。そのため日東工業がリコーに期待することは二つあります。一つは、樹脂判別ハンディセンサーをはじめとするデジタル技術を活用し、「誰もが同じ品質で分別できる仕組み」へと進化させること。もう一つは、資源循環の対象拡大と社内外への展開に向け、引き続きパートナーとして伴走することです。資源循環を通じて企業・自治体・地域社会をつなぐ新しい価値創造の挑戦として、日東工業の取り組みは次のステージへ進もうとしています。

樹脂判別ハンディセンサーを手にとりながら今後のお話を伺いました
日東工業瀬戸工場にて実証を実施中

企業概要

会社名
日東工業株式会社
本社
愛知県長久手市蟹原2201番地
設立
1948年11月24日
事業内容
高圧受電設備、分電盤、ホーム分電盤、光接続箱、金属製キャビネット、樹脂製ボックス、システムラック、ブレーカ、開閉器、電気自動車(EV・PHEV)用充電器シリーズ、熱関連機器などの電気機械器具製造・販売および発電・売電事業
※本資料に掲載のその他の会社名および製品名、ロゴマークは各社の商号、商標または登録商標です。
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