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Digital Strategy

デジタル戦略部(藤山)
リコーインダストリアルソリューションズBU(喜多)
リコーグラフィックコミュニケーションズBU(緒方)

藤山 遼太郎 / 喜多 信介 / 緒方 茜

創業100周年を迎える2036年に向けて、リコーは「“はたらく”に歓びを」というビジョンを策定した。働く人の想像力を支え、ワークプレイスを変えるサービスの提供のために、これまでのMFP(複合機)などを中心とした会社から、デジタル技術を使ってお客さまの課題を解決するデジタルサービス主体の会社へと、生まれ変わろうとしている。その取り組みが評価され、デジタル技術によってビジネスモデルなどを変革しDXに取り組む企業を選定する「DX銘柄(デジタルトランスフォーメーション銘柄)2022」に選ばれた。

一方で、社員の業務効率化などを実現させるため、社内のDXにも注力している。社内外のDXを加速させる取り組みに対し、中心を担う存在が「デジタル戦略部」だ。今回はデジタル戦略部のメンバーと他部署の若手社員を集め、リコーのデジタルサービスとはなんなのか、また、デジタルサービスの会社へと変革していくために社内ではどのような動きが起きているのか、話を聞いた。

DXを加速させるために。社内外の課題にどう向き合っている?

Q:そもそも、どうしてリコーではデジタルサービス主体の会社へと舵を切ったのでしょうか。

藤山:これまでリコーは、OAメーカーとして、コピー機などの事業をとおしてオフィスで働く人々の課題を解決してきました。しかし、働く場所の変化やペーパーレス化など時代が変化してきています。そのため、これまで培った技術力やノウハウを活かしながら、従来よりもさらにデジタルサービスに注力してお客さまの業務の効率化や生産性の向上を実現していく必要があります。働く人がより付加価値のある仕事に取り組めるよう、デジタルサービス主体の会社へと変革を進めているのです。

デジタル戦略部 藤山 遼太郎(2014年入社)

Q:デジタル戦略部とは、どのような目的で立ち上げられた部署なのでしょうか。

藤山:デジタル戦略部は、リコーがデジタルサービスの会社へと変革を加速させるために立ち上げられた部署です。その目的を達成するために、5つの重要な要素を定めています。

まず、グループ社員の意識・企業風土の変革、デジタル人材の育成・強化を図る「企業風土・人材」。続いて、共創プラットフォームでデジタルサービスの基盤を整備する「デジタル基盤」。次に、データを可視化して集まった情報を活用する「データ利活用」。4つ目は、ワークフローの最適化などを進めていく「社内プロセス変革」。そして最後が、デジタル技術とデータを使いこなしてつくる「顧客価値創造」です。私たちデジタル戦略部はこれらすべてに取り組んでいます。

前述の内容を表した画像
変革を加速する5つの重要要素

Q:デジタル戦略部は社内のDXにも重要な役割を担っていると思います。具体的にどのような取り組みを行なっていますか。

藤山:リコーでは開発する商品やサービスごとに5つのBU(ビジネスユニット)があります。各BUがどのような事業を展開していて、どんな課題があるのか、個別で動いているとほかのBUの情報がわからなくなってしまいます。そこでデジタル戦略部では、それぞれのBUで行なっている実践事例や課題を全社で共有し、最大の相乗効果が出せるようハブのような役割を担っています。

前述の内容を表した画像
各BUのミッションとデジタルサービスへの貢献

Q:喜多さんと緒方さんの部署は、一見するとデジタルサービスとはあまりつながりが無いように感じられます。デジタルサービスや社内のDXに対する施策について、実感していることがあれば教えてください。

喜多:私の所属するリコーインダストリアルソリューションズBUのIMS事業部では、食品や物流などで使われるラベルなどの「サーマルメディア」を開発しています。DXに向けた取り組みを行なう際には、ほかのBUやデジタル戦略部と連携していて、まさに実際の業務でデジタル戦略部の価値を実感しています。ほかにも、外部のコンサルティング会社とも連携する場合があります。必要に応じて、外部の力も利用しながらプロジェクトを進めていますね。

リコーインダストリアルソリューションズBU IMS事業部 (設計開発) 喜多 信介(2020年入社)

緒方:私が配属された人事戦略室では、人事異動やそれに付随する申請や手続きなどの業務を行なっています。入社1年目ということもあり、DXについてはまだまだ勉強中ですが、デジタル人材の育成についてはデジタル戦略部と連携もできるので、働く現場の生産性やお客さまへ提供する価値の向上など、ビジネスに貢献できるよう取り組んでいきたいと思います。

リコーグラフィックコミュニケーションズBU 人事戦略室(人事) 緒方 茜(2022年入社)

お客さまが直面した「現場に行けない」課題をDXで解決

Q:リコーのデジタルサービスには、具体的にどのようなものがありますか。

藤山:代表的なものとして、360度画像やクラウド、AIを利活用したサービスがあります。

コロナ禍で、不動産業では対面接客ができない、建築業では現場に行けないなど、状況把握が困難になってしまうケースが出ていました。そこで、ワンショットで空間全体を簡単に撮影・キャプチャーできるリコーの360度カメラ「RICOH THETA」と、誰でも簡単に360度コンテンツの制作・公開を可能とするクラウドサービス(THETA 360.biz)でふたつの業界が抱える課題にアプローチしました。

「RICOH360 Tours」

溝口:藤山の話に補足をすると、不動産ビジネス向けサービス「RICOH360 Tours」では、物件を見に行かなくてもオンラインの360度画像であたかも現場にいるような臨場感を体験できるバーチャルツアーを提供しています。また、建設ビジネス向けサービス「RICOH360 Projects」では、建設現場の状況を360度画像でもれなく共有することを可能とし、現場業務を効率化しました。

このような取り組みが評価され、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定するDX銘柄2022に、当社が選ばれたんです。

藤山さんの上司の溝口 雄大(2013年中途入社)さん。今回は取材の応援にかけつけてくれた

学習プログラムや有志での勉強会で、DXへの学びが深められる

Q:リコーがデジタルサービスの会社へと変革するために、デジタル人材の育成も積極的に行なわれていると聞いています。若手社員である喜多さん、緒方さんは会社の制度などを使って、学んでいることはありますか。

喜多:社内で勉強会が活発に開催されており、私はAWS(アマゾン ウェブ サービス)の勉強会によく参加しています。ほかにも「画像処理プログラム勉強会」など有志で開催されている勉強会にも参加しています。わからないことをみんなで解決しようとする、主体的な活動が盛んに行なわれていますね。

私が直近で取り組んだ例としては、部署内の出勤管理においてExcelとOutlookで二重に管理されていた部分を、Excelに出勤入力をすると自動でOutlookに反映されるようシステムを組んで改善しました。また、在宅勤務を始めるときにチャットツールで勤怠コメントを入れなければいけないのですが、パソコンを起動すると自動でbotがコメント入力してくれる仕組みもつくり、入力の手間を省いています。自分のデジタル知識・技術が、業務効率化に役立つのは嬉しいですね。

ほかにも、リコーデジタルアカデミー(全社員がデジタル人材を目指して自律的にスキルを磨き続けられる社内研修プラットフォーム)が提供するオンライン講座のUdemy Businessも活用できるので、知りたい技術や業務に直結する資格の勉強もでき、とても便利です。

緒方:Udemy BusinessではDXに関する学習も一からできるので、私も利用しています。入社前は知識があまりなかったため、社内で学べる環境があるのはとてもありがたいです。

人事の業務ではExcelでの細かい作業などがあります。社内の制度を積極的に活用しながらデジタル知識をもっと吸収して、効率的に進められる方法を模索したいと考えています。業務効率化によって創出された時間で、アイデアが必要な業務にもっと注力していきたいですね。

デジタル戦略部のノウハウを吸収し、実際の業務に活かす

Q:喜多さんの部署では、デジタル戦略部とどのように連携しているのでしょうか。

喜多:実現したいデジタルサービスを考えるにあたり、それをどう具体的なかたちにすればよいのか迷っているときなどに相談しています。アドバイスをもらいつつ、アイデア出しや市場調査なども実行していて。デジタル戦略部から学んだことを活かしながら、将来的には自分たちだけでデジタルサービスをつくっていければと考えています。

藤山:デジタルサービスを生み出すためには、デザイン思考やアジャイル開発などのノウハウが必要になります。喜多さんは私たちとやりとりするうちに、いつの間にかそのノウハウを身につけているのではないかと、いまのコメントから感じました。BUに対してデジタルサービス開発のサポートを行なうときに、私たちデジタル戦略部のメンバーが自ら実践しているんでしょうね。

Q:藤山さんはデジタルサービスやDXの中心となるデジタル戦略部に所属し、成長したと感じる部分はありますか。

藤山:私の主な業務のひとつに、デジタルサービスやDXに関する課題に対して、徹底的に解決策を考える会議の取りまとめ役があります。

会社の戦略と照らし合わせ、さまざまな人の意見を集めながら、課題解決に向けてどのように進めていくべきかを検討していく役目です。こうしたプロジェクトの進め方はとても勉強になりますし、自身の成長も感じています。

また、このような会議には多様なバックボーンの人材が集まっており、文化もコミュニケーションの仕方もそれぞれ異なります。そうした人たちと関わっていくには会話だけでなく、伝える手段や方法も重要です。図式化したり、ビジュアル的に表現したりすると、コミュニケーションロスを防ぐことができます。柔軟にやり取りを続けながら、周囲に良い影響を与えていきたいですね。

最優先はお客さまの課題解決。デジタル人材として実現したいこと

Q:最後に今後の目標や実現させたいことを教えてください。

喜多:直近の目標になりますが、デジタル戦略部と協力しながらチームメンバーと一緒に、新たなデジタルサービスをつくりあげていきたいです。とはいえ、新たなサービスを「つくる」ことがゴールではなく、あくまで目的はお客さまの課題解決です。その目的を達成するためのツールとして、デジタルサービスがあることを忘れないように取り組んでいきたいと思います。

緒方:人事として社員をサポートしていくなかで、DXによって業務効率化を図りながら、アイデアを生み出す仕事に関わりたいです。社員から業務をするうえで困っていることなど相談を受けたときに、「こんな方法がありますよ」と提案ができるように、これからも多くのことを学んでいきたいと考えています。

藤山:まずは、デジタル戦略部の取り組みやデジタルサービスの会社への変革を進める戦略や活動、事例をリコーグループ内に発信することで、社員が次の行動を起こすきっかけをつくりたいと思っています。そして次のステップは、戦略そのものを企画・立案できるようになること。情報発信だけでなく、戦略部分でもリコーに貢献できるデジタル人材に成長していきたいですね。

採用で求める人物像

リコーではデジタルサービスを加速・創出させる人材として、「デジタル人材」「自律型人材」「リコーウェイの価値観に共感し、体現できる人」を求めています。

前述の内容を表した画像

ここでいうデジタル人材は、IT技術に携わる人たちのことだけではありません。喜多さんや緒方さんの話にある通り、一見デジタルとは無縁そうな仕事や事業でも、デジタルに関する取り組みをしていたり、他部門と連携してデジタル活用を進めたりする場面があります。マーケティングやエッジデバイス、バックオフィスなどそれぞれの役割や立場で、デジタルサービスをはじめとする新たな価値の創出に貢献する人 ―それがリコーのデジタル人材です。

あなたもリコーで未来を創ってみませんか?

※インタビュー内容や社員の所属は取材当時(2022年10月)のものです。

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