世界的な人口増加に伴う資源枯渇や海洋プラスチックごみ問題から、「サーキュラーエコノミー」への関心は高まっており、企業にはステークホルダーと連携して資源消費に依存しないビジネスモデルへの変革を進めることが求められています。
リコーグループは、目指すべき持続可能な社会の姿を、経済(Prosperity)、社会(People)、地球環境(Planet)の3つのPのバランスが保たれている社会「Three Ps Balance」として表しています。「環境負荷削減と地球の再生能力向上に取り組み、事業を通じて脱炭素社会、循環型社会を実現する」というリコーグループ環境宣言のもと、地球環境分野では、循環型社会の実現をマテリアリティ(重要社会課題)の1つに位置づけ中長期目標を定めてグループ一丸となって取り組んでいます。
Three Ps Balanceまた循環型社会実現のコンセプトとして1994 年に「コメットサークル™」を制定。コメットサークルのコンセプトに基づき、ライフサイクル全体で環境負荷の削減を進めています。昨今の社会情勢も踏まえ、より具体的な取り組みを推進するため「省資源方針」「プラスチック方針」を制定しています。
リコーグループでは、製品・包装材のプラスチック方針を定め、事業活動を進めています。
リコーのサーキュラーエコノミーに関する取り組みはリコーグループサーキュラーエコノミーレポートを参照ください
環境・社会・ガバナンス分野におけるリコーグループの中長期的な課題を経営レベルで継続的に議論していくため、CEOを委員長とするESG委員会を2018 年5 月に設置しました。四半期に一度開催される委員会では経営幹部参画の元、循環型社会に関する取り組み状況や課題・投資判断など経営上の重要なテーマとして位置づけ審議を行っています。審議内容は定期的に取締役会へも報告されESG経営を高次元で実現する執行の監督を行っています。
2020年には、従来から連携していた調達・設計・生産・QA・販売に加え、ESG部門のメンバーが参加する部門横断ワーキンググループを設置・活動することで、環境目標(省資源分野)に沿った指標や施策が事業戦略や商品戦略に統合する仕組みを構築しました。
循環型社会の実現に向けて、製品の新規資源使用量削減、化石資源由来バージンプラスチックの代替・削減や使用済み製品の有効活用などの活動を加速するため、今後も経営レベルと現場の活動が一体となった活動を推進していきます。
また、回収・リユース・リサイクルの取組は、欧州・日本・米州・アジア・中国の自社拠点でグローバルに進めています。排出した廃棄物が信頼できるパートナーによって確実かつ適正に処理されるよう、各国の事情に合わせ、グループ各社で産業廃棄物処理業者の選定基準(ISO14001,9001,R2,e-Stewards認証の取得など) を設定し管理しています。
リコーグループは、環境目標として2050年に製品の新規資源使用率を12%以下にすることを目指し、徹底した省資源活動や再生材の積極的な利活用を推進しています。
リコーグループ環境目標(資源分野)
2030年目標
●製品の新規資源使用率*1: 60%以下
2050年目標
●製品の新規資源使用率*1: 12%以下*2
*1 新規資源使用率:総投入資源量に対する新規資源使用量の割合
*2 独立行政法人 物質・材料研究機構発表文献引用「持続可能な資源利用には 2000年当時の資源に対して資源使用総量の1/8化が必要」との考えから設定
リコーグループでは、2020年にプラスチック方針および目標を定め進捗を管理しています。
実績 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
実績値における補足説明 |
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画像製品におけるプラスチック回収材使用率 |
8.6% | 16.2% | 32.1% |
主力複合機・プリンターへの使用効果が表れ始めました。サプライ製品への使用も順調に増加しています。 |
製品包装における「化石資源由来バージンプラスチック」削減 |
+5.1%*1 | +5.3%*1 | -26.6% |
画像製品のプラスチック包装材削減活動に取り組んでおり、2023年2月に発売のプラスチック包装材を大幅に削減したA3フルカラー複合機の販売台数増加による削減効果が表れています。 |
*1 2021年度・2022年度の製品包装における「化石資源由来バージンプラスチック」削減数値は2023年度からの算出範囲拡大に伴い修正(2024年6月)
• 材質表示と単一素材化については、2021年、環境適合設計方針書への反映、及びルール化完了。目標通り、2025年に材料表示と単一素材化が完了できる見込み。
循環型社会の実現には、使用済み製品の循環量を高めることも重要です。そのため、使用済み回収製品のリユース・リサイクル率目標、単純焼却・埋め立て率目標を2023年に新たに設定しました。
実績 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |||
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合計 | 内訳 | ||||||
本体/周辺機 | サプライ | パーツ | |||||
使用済み製品の回収量 (t) | 47.843 | 47.705 | 51.158 | 39.407 | 26,791 | 10.947 | 1.669 |
リユース・リサイクル・エネルギーリカバリー量 (t) | 46.627 | 46.221 | 49.888 | 38.976 | 26.619 | 10.699 | 1.658 |
リユース・リサイクル率 | 84.4% | 84.1% | 83.9% | 77.5% | 93.5% | 37.1% | 86.0% |
エネルギーリカバリー率 | 13.1% | 12.8% | 13.6% | 21.4% | 5.9% | 60.6% | 13.4% |
単純焼却・埋め立て率 | 2.5% | 3.1% | 2.5% | 1.1% | 0.6% | 2.3% | 0.6% |
※2023年度より海外データの集計方法を一部変更し、精度向上を図りました
目標:排出量を前年度実績未満に削減する(2024年度目標値:<56,366t)
データ収集範囲:リコー(生産・非生産事業所)、国内外生産関連会社
実績 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
---|---|---|---|---|
総排出量 (t) |
58,813 | 61,752 | 65,784 | 56,366 |
*データ精度向上に伴い2022年度のデータを修正しています。(2024年6月)
その他、循環型社会の実現に関する実績はこちらをご覧ください。
リデュース・リユース・リサイクルを考慮した製品設計
製品の小型・軽量化による資源の有効活用
包装材の使用量削減、資源循環
マテリアルリサイクルの拡大
環境負荷低減を実現する新規事業製品の紹介
リユース・リサイクルのプログラムとネットワーク
廃棄物の削減
製品再生・部品再生事業
産業廃棄物業者監査