プリンタや複写機の組み込みソフト開発では、用紙搬送制御を模擬するシミュレータを利用した開発が主流になっている。しかし、既存のシミュレータは、複雑なシステムでの用紙搬送制御を高速にかつ高精度に検証することはできなかった。そこで、開発プロセスの上流から下流まで利用可能なメカとソフトの協調シミュレータである“TIMES(Tool forInnovation of MEchatronics and Software co-development)”を開発した。TIMESは高精度な用紙搬送シミュレーションと、本体と数種類の周辺機とから成る複雑な組合せのシステムの検証を実現し、用紙搬送制御検証の効率を大幅に向上させるツールである。本論文では、実際にTIMESをプリンタや複写機の組み込みソフト開発に適用した事例を示し、その有効性を確認した。
交流高電界を用いた世界初の転写技術「AC転写技術」を開発した。本技術では、交流高電界を用いてトナーの往復運動を発生させ、トナー間に物理的・電気的相互作用を与えることによってトナーの付着力を低下させる。この効果を利用して、放電の発生しない直流電界成分でトナーを転写させることができ、テクスチャ紙のような凹凸紙でも、濃度の均一性に優れた画像が実現される。AC転写技術は、2013年6月に発売のカラープロダクションプリンター「RICOH Pro C5110S/5100S」に搭載されている。