コメットサークルの考え方に基づき「リサイクル対応設計方針」(現在の環境適合設計方針) を策定し、製品の3Rや長寿命化を推進してきました。例えば、リユースを想定した強度設計、解体・分別性の向上、交換部品やキーパーツの長寿命化など様々な技術開発とノウハウを確立してきました。
環境適合設計方針は適宜見直しを行い、社会動向や市場、社内の活動に合わせた改定を重ねています。設計者は環境適合設計セルフアセスメントを行い、3Rへの配慮は設計手順の一つとして定着しています。 環境適合設計の例を以下に紹介します。
相溶性ラベルは、部品に貼りつけられた状態で溶解・再生をしても再生プラスチックの純度と物性が保たれるラベルです。1994年から複合機やプリンターなどの製品に採用しています。相溶性ラベルの使用によって、複合機再生工程の作業効率が向上しました。
外装カバーの隠しネジや隠し爪は、解体のしにくさや部品破損によりリユース・リサイクルに影響を及ぼします。解体作業効率向上を目的として、2015年に隠しネジや隠し爪の位置を外装カバーに表示することを方針に盛り込みました。
省資源目標達成に向けて、新規開発製品において個別の重量目標を設定することで画像事業製品の小型・軽量化を実現してきました。
2013 年6 月に発売したフルカラー複合機「RICOH MP C6003 / C5503 / C4503 / C3503 / C3003」では、徹底した強度・衝撃シミュレーションを実施し、樹脂や板金の厚さを薄くしつつ、面や隅を補強することで変形を抑制する新軽量フレームにより、前身機比65%以上の軽量化を実現しました。また、用紙の搬送経路などを見直すことで両面ユニットを小型化し、本体内部に収納。占有面積の37%を省スペース化しました。これらの技術は最新の製品*
にも活かされており、更なる小型・軽量化により資源の有効利用や環境負荷の削減を行っています。
*A3フルカラー複合機「RICOH IM C6010 / C5510 / C4510 / C3510 / C3010 / C2510 / C2010」(2023年2月発売)
2013年12月、リコーグループは従来のステープル針を使わない圧着方式ダブル綴じによる「針なし綴じインナーフィニッシャー」を業界に先駆けて開発し、発売しました。
この針なし綴じはステープル針を使用せず圧力で書類を綴じるため、ステープル針の資源が節約できるとともに書類廃棄時の分別の手間も省くことができます。さらに、製品への異物混入に留意する食品や精密機械などの生産現場や、誤飲などの事故防止に配慮する保育施設などでは安全面が評価されています。
資源の削減だけでなく、使いやすさや安全面においても優れており、今後、搭載機種を拡大していきます。
リコーグループでは、1994 年にダンボール資源を節約した「エコ包装」を導入し、包装材の削減に積極的に取り組んできました。2001
年、繰り返し使える樹脂製の包装材「循環型エコ包装」を初めて市場投入し、2018
年には耐久性と循環効率をさらに向上させた「複写機用新循環型エコ包装」を投入しました。
「複写機用新循環型エコ包装」は、従来の「循環型エコ包装」に比べ包装材回収時のスタック性改良により、体積を最小限に縮小し、低コスト、高効率な回収を実現します。また、包装材の胴体部分に高耐久ダンボールを用いることで繰り返し使用時の耐久性と軽量化の両立が可能になりました。「循環型エコ包装」に対し約45%の軽量化を図りました。
製品輸送時に使う包装材は、これまで化石資源由来の発泡スチロール(EPS)の使用が一般的でしたが、リコーグループではこれをリサイクル可能な紙製包装材に切り替える取り組みを行っています。
衝撃吸収の課題克服のため衝撃シミュレーション技術を活用し、EPSよりも硬い紙製包装材でもEPS同等の高い緩衝性能を実現しています。
2021年1月発売のA3モノクロ複合機「RICOH IM 9000 / 8000 / 7000」では、 EPSを段ボール材へ転換することにより、プラスチック包装材重量を前身機比36%削減しました。
また、2023年2月発売のA3フルカラー複合機「RICOH IM C6010 / C5510 / C4510 / C3510 / C3010 / C2510 /
C2010」では、古紙を原材料として金型で成型するパルプモールドに切り替え、プラスチック包装材を前身機比約54%削減しました。
さらに、2023年7月発売のA4モノクロ複合機「RICOH IM 460F / 370F」用オプション「給紙テーブル
PB1200」では、一般の段ボールよりも表面性が優れる白段ボールを使用することで、製品包装に使用していたポリ袋を廃止し、「プラスチック包装材使用量ゼロ*」を達成しています。
※箱封緘テープ、製品固定テープは除く
2021年7月から使用済み飲料用ペットボトルを原料としたリサイクル素材を使用した包装用粘着テープ*を、一部の消耗品や保守部品の梱包に採用しており、順次採用を拡大していきます。
*日東電工ベースマテリアル株式会社様製品
リコーグループでは従来から個々の部品に材質およびグレードの表示を行い、製品回収後、グレードごとに再生することで、再生プラスチックの品質を保っています。これにより、回収した外装材、内装材を同じ高い品質特性(難燃性、耐久性、強度など)が求められる外装材、内装材への水平リサイクルを実現しました。
また、市販のプラスチック回収材*1を原材料とした再生プラスチックを内装用、外装用に開発し、複合機へ搭載しています。
市販のプラスチック回収材で作られた再生プラスチックのトナーボトル*2では、1 本あたりの再生プラスチック使用率は、重量比で約73%になります。
*1 市場から回収したプラスチック材
*2 市場から回収したPET材を使用したトナーボトル
リコーグループでは、東京製鐵株式会社様と共同で高炉鋼板と同等の品質特性をもつ電炉鋼板を開発し、2012 年より電炉鋼板の搭載を業界で初めて開始しました。
それまで電炉鋼板は、強度特性を重視する建築用として利用されることが大半でしたが、両社の共同開発により、複合機で求められる薄板化( 厚さ2 mm以下)
や電気伝導性、加工性などの面で品質性能を確保し、複合機への採用が可能となりました。具体的には、リコーグループが主に複合機に必要な材料特性を特定することで、東京製鐵様が薄板化やめっき薄膜化、電気伝導性向上、プレス加工性向上などに特化した材料開発を行い、加えて同社が持つ高い不純物除去技術や圧延技術により、高性能の複合機用鋼板の開発・生産を実現させました。
開発した電炉鋼板は現在、高速複合機やプロダクションプリンターなどに搭載しています。また、電炉鋼板を適用する部品の拡大も進めており、搭載製品の 拡大と合わせてさらに新規投入資源の削減を図っていきます。
リコーグループでは、1990 年代はじめから「省資源・リサイクル」を環境保全活動の柱の一つと位置づけ、お客様から回収した複合機・プリンター、サプライ製品、消耗部品などのリユース・リサイクルの取り組みを、グローバルで地域別・製品別に展開してきました。
リコーグループでは、使用済み製品の処理にあたり、各国の法律や規制(欧州WEEE指令等)に沿って電気電子廃棄物プログラムを用意し、各国内でのリサイクルに努め、適切な処理を実施しています。また、バーゼル条約のバーゼル禁止改正に従い、OECD 加盟国から非加盟国への電子廃棄物の処分および回収のための輸出を禁止しており、輸出を行っていないことを確認しました。継続してバーゼル条約のバーゼル禁止改正に準拠している状態を維持します。
日本では、回収システムを構築し資源の有効活用を図っています。日本で蓄積したノウハウは、ビジネスモデルの異なる地域でも活かされており、使用済み自社製品を全世界で30万台/年以上回収し、そのうち約5万台/年を再使用・再生製品として販売しています。また、2010 年から画像製品の定期交換ユニットに含まれる機能部品のリユースも行っています。
リコーグループでは、各国の法律と規制に準拠した電気電子廃棄物プログラムを実施しています。
・日本
日本では、
使用済み製品・カートリッジ回収プログラムを実施しています。
・北米
米国では、製品および消耗品のリサイクルシステムを導入しています。一部の州では、MRMシステムや州のプログラム、または契約業者を利用することで、お客様が指定された場所に製品を持参してリサイクルすることができます。さらに、デスクトップ型複合機やプリンター、使用済み消耗品は、リコーが事前に支払ったUPSラベルを使用して簡便に発送し、適切にリサイクルできます。大型の床置き型複合機やプリンターも、リサイクル可能です。詳細については、
リコーUSAのウェブサイトをご覧ください。
カナダでは、米国と同様に、販売中のリコー製品を対象としたリサイクルプログラムを実施しています。詳細については、
リコーCanadaのウェブサイトをご覧ください。
・欧州
欧州では、
Resource Smart Return Programを導入しています。
・アジア・パシフィック
シンガポールでは、小型プリンターはシンガポール政府の回収プログラム
ALBAの対象となります。
中国では、コミュニケーションアプリWeChatを使用して回収拠点の情報を入手し、お客様ご自身で部品や消耗品を持ち込むことができます(但し、サービスの利用には条件があります)。また、郵送による返却も可能です(無料)。
・日本:
使用済み製品・カートリッジ回収
・米国:プロダクトスチュワードシップとリサイクル/Take Back Programs
・欧州:
Resource Smart Return Program
リコーグループでの回収・リユース・リサイクルの取り組みは欧州・日本・米州・アジア・中国に自社拠点を配置しグローバルで進めています。また、自ら排出した廃棄物が信頼できるパートナーによって確実かつ適正に処理されるために、各国の事情に合わせ産業廃棄物処理業者の選定においてグループ各社で基準(ISO14001,ISO9001,R2認証,e-Stewards認証の取得など) を管理しています。
・日本
日本では、保守サービス時に発生する交換済みパーツの回収リサイクルシステムを導入しています。このシステムは部品回収のための配車は行わずSBSリコーロジスティクスによる部品配送後の帰社便に日本全国のサービス拠点から回収されたパーツを積み込みリコーのリサイクル拠点に運送するものです。
・欧州
Ricoh
Europeでは、2012年以降 使用済みサプライ製品の回収量を増やすために、新しい回収スキームを追加しました。欧州全土で、10か国17社の回収業者と提携しており、さらにこのネットワークを拡大する予定です。
・日本
リコーは、一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA*)に参画しており「回収機交換システム」を共同で運用しています。この取り組みを通じてリコーを含む複写機・複合機/デジタル印刷機の製造メーカー各社が営業活動で下取りした他社機を回収機交換センターへ集め、それぞれの製造メーカーへ返却することで、業界全体で製品のリユース・リサイクルを展開しています。北海道から沖縄まで全国35箇所の回収デポと
9 箇所の交換センターを設置し、日本全国をカバーしています。さらに回収物流のみに留まらず、これまでの範囲を超えた多角的取り組みの一環として、再資源化までを共同化する取り組みを行っています。
*Japan
Business
Machine and Information System Industries Association
・欧州
フランスでは Ricoh France S.A.Sを含む事務機器メーカー17 社の共同出資でCONIBI
社を設立し、回収業務を委託しています。CONIBI 社は独自の無料回収システムを形成し、サプライ製品のリユース・リサイクルを促進しています。
お客様から回収した使用済み製品・サプライ製品・部品のリユース・リサイクルを欧州・日本・米州・アジア・中国の自社拠点で進めています。製品の再生には効率的な回収が必要であり、日本では全国に20の回収拠点(2025年2月時点)を設置しています。再生は、エトリア株式会社 御殿場事業所1 か所に集中させ、効率化を図っています。回収された使用済み製品のうち、再生できない製品から必要な部品を抜き取り、サービスパーツや再生機の交換部品、新造機用の部品として有効活用しています。再生できない部品は、できる限りできる限り素材ごとに分解・分別し、マテリアルリサイクルされる仕組みが整備されています。
また、リコーグループでは、再生事業におけるQCD*の最適化のために、「評価技術」、「診断技術」、「分解技術」、「清掃技術」、「洗浄技術」、「修復技術」、「消去技術」、「リサイクル技術」の8つの技術を確立しました。
特に利益創出に重要な技術は、使用済み製品の部品の余寿命評価などから再生可否を判定する技術、そして再生対象となった使用済み製品の状態を診断する技術です。
これらの技術の確立により効率的な再生を可能にしています。さらに、日本のノウハウ・技術は海外の再生拠点にも水平展開され、グローバルで使用済み製品を有効活用しています。
* Quality, Cost, Delivery の略
再生機の提供
リコーグループでは、1997 年に初の再生機を発売して以来、世界の各地域の市場に合わせた対応を実施しながら、再生機販売を行ってきました。お客様と市場の要求に応えるために、複数タイプの再生機を取り揃えています。
新品同様の保証がある高品質な再生機として日本ではRC 機( リコンディショニング機)、
米州・
欧州・アジアではGreenLine
シリーズとして販売しています。
2022 年2 月、リコーグループのGreenLine シリーズ9 モデル( 米州)が、国際エネルギースタープログラムVer.3.1 における“ 再生された画像機器” のカテゴリにおいて、世界で初めて
認証を取得しました。また、再生機では、データセキュリティなど再生機特有の品質保証も必要になります。例えばハードディスクを再使用する場合は、完全にデータを消去しています。
2025年1月、 A3カラー再生複合機「RICOH IM C4500F CE/C3000F CE」を発売しました。 AGVやロボット等、再使用部品の選別、再生、検査を効率的に行う技術を活用し、平均86%の部品リユース率を実現しています。また、ライフサイクル全体の環境負荷を、新造機と比べて約59%削減しています。さらに複合機の内蔵ソフトウェアをバージョンアップすることで、機器に新しい機能をネットワーク経由で追加できる仕組み「RICOH Always Current Technology」に再生機として初めて対応しています。
再生サプライの提供
リコーグループでは、トナーカートリッジ、トナーボトルなどのサプライ製品の再生にも積極的に取り組んでいます。
再生サプライ製品供給のためには使用済み製品の回収が不可欠です。欧州の公共調達などにおいて、再生製品の要求が増加しており、Ricoh Europeでは、2012 年以降、使用済みサプライ製品の回収を増やすために、新しい回収スキームを追加しました。欧州全土で、10か国17 社の回収業者と提携しており、さらにこのネットワークを拡大する予定です。フランスでは、Ricoh France S.A.S.を含む事務機器メーカー17 社の共同出資でCONIBI 社を設立し、回収業務を委託しています。また、Ricoh USでは、使用済サプライ製品の回収を推進するプログラムを提供しています。お客様からの返却を簡易化するため、プリペイド配送ラベルを同梱、購入製品の箱をリユースすることにより、時間とコストを節約するだけでなく、省資源に貢献しています。これらの取り組みにより、サプライ製品の回収量を拡大し、再生サプライ製品の提供を推進しています。
再生トナーボトルの提供
「RICOH IM C7010 / C6010 / C5510 / C4510 / C3510 / C3010 / C2510 / C2010」と、これらの前身機のトナーボトルを、欧州と日本で再生しています。高価な機能部品が搭載されていないトナーボトルは、経済面で再生が成立せず、エネルギーリカバリー処理されることが殆どでした。本シリーズでは回収方法最適化と再生技術開発によって、再生コストを削減しました。 2024 年以降、トナーボトル再生により、新規資源使用量は約190t/年、 CO₂ 排出量は約1200t-CO₂/ 年削減となる計画です(ともに日本での推定値)。
トナーボトル
「RICOH IM C8000 / C6500」及び「RICOH Pro C5310S / C5300S」のトナーボトルでは分解レス再生を行っています。お客様から返却いただいた使用済みトナーボトルの一部を回収し、清掃を行ったのち新しいトナーを充填して再度お客様にお届けする「カラー用トナーボトル再生」の取り組みをグローバルで開始しました。
トナーボトル再生を実現するために、所定の部品の寿命診断技術、分解することなしにトナーボトル内部を清掃する技術を開発しました。トナーボトル再生により、新規資源使用量は約36t/年、CO₂排出量は約210t-CO₂/年削減できます。
RICOH IM C6500トナーボトル補給部
(ドアを開いた状態)