リコー、処理速度の高速化など機能強化を実現した3次元ソリッドモデラー
「DESIGNBASE V10」を新発売

2002年3月26日
株式会社リコー

　株式会社リコー(社長：桜井正光)は、WindowsXP/2000/Meで稼働する3次元CAD用のソリッドモデラー(立体の内部データまで表現するソフト)として、処理速度の高速化など各種機能を強化した「DESIGNBASE V10」を開発し、新発売いたします。

製品名	DESIGNBASE V10
標準価格	2万円／1年間の利用権利
発売日	2002年3月27日
年間出荷本数	1万本

*このニュースリリースに掲載されている価格および料金には、消費税は含まれておりません。

*DESIGNBASEのご購入方法は、まずDESIGNBASEホームページからソフトウェア一式をダウンロードしていただき、リコーの企業向けポータルサイト「NetRICOH」からライセンスをご購入いただきます。

　「DESIGNBASE」は、3D化が進むCAD/CAM/CAEシステム用のツールキット(ソフトウエア部品)で、ソリッド(立体)データとサーフェス(曲面)データの統合処理を高レベルで実現しています。高度な自由曲面機能や、ソフトウエアシステムに組み込む際の使いやすさから業界をリードしており、現在国内外約100社とライセンス契約を結んでいます。
　「V10」では、主要機能の高速化を中心に次の点を強化しています。

＜DESIGNBASE V10の主な強化ポイント＞

1.主要機能の処理を高速化しました。

• • •離れた2面間／面線間にフィレット面(指定した半径を保ちつつ2つの面あるいは線を滑らかに接続する曲面)を生成する機能において、ロールボーリング法(フィレット面を生成したい位置にボールを転がした時の軌跡をフィレット面として生成する方法)による処理を従来比で最大6倍に高速化。
  • •対象立体の一部のみが干渉するケースでの集合演算において、高速度モード(特殊なケースを想定した細かいチェックを省略して高速処理するモード)での処理を従来比で最大1.5倍に高速化。
  • •円弧生成などの二次元形状生成機能の処理を従来比で1.3倍に高速化。
  • •局所丸め操作を繰り返し実行する際の処理を従来比で1.8倍に高速化。
  • •表面積、体積計算処理において、内部で利用する関数処理を改良することにより、それぞれ従来比で1.8倍、2.4倍に高速化。

2.丸め機能を強化しました。

• • •指定された丸めの半径が大きいことでフィレット面が穴やボス(出っ張りのような形状)と干渉する場合でも、期待される形状が生成可能に。

3.ポリゴン分割近似機能(曲面を近似した多面体で置き換える機能)を強化しました。

• • •円錐の頂点付近における処理を改良し、画面表示の質を向上。
  • •曲面の境界の形状が複雑な場合の処理でも、ポリゴン生成処理の成功率を向上。
  • •従来比でポリゴン数を12％削減。データ容量を削減。

4.インターフェース機能を強化しました。

• • •IGES(CADシステムで汎用性の高い3Dデータ形式)データの入力時に、面の色属性が自動的に参照され、面塗りの際の色として設定可能に。また、DESIGNBASEで設定した色をIGESデータに色属性として出力可能に。
  • •IGES形式におけるグループ化(複数の形状を一括して処理できるように設定すること)の指定方法が多彩に。従来のLEVEL情報に加え、要素Subfigure Definition、Singular Subfigure Instance(308,408)での入出力が可能に。また入力についてはGroup Without Back Pointer（402 form 7）にも対応。
  • •面単位で、曲面の出力形式(NURBS形式／パラメトリックSpline形式)を制御可能に。

5.曲面機能を強化しました。

• • •近似接合処理における曲面処理を改良。また、近似接合後に接合されずに残っている隙間を検出し、その隙間の幅を得ることが可能に。これにより、続けて近似接合する際に指定すべき近似幅に最適な数値を指定することが可能に。
  • •オフセット面(ある面から等距離の面)を持ち上げる処理において、その面が属している形状の他の部分に干渉してしまう場合、干渉部分を除去することが可能。
  • •面単位の後付け抜き勾配機能(製品の型を作る際、製品を抜き取りやすいように、抜き取る側を若干広げた面を生成する機能)で、入力要素を減らし、操作性を向上。
  • •格子状に縦・横に曲線を配置したメッシュ形状から、B-Spline曲面(CADシステムで広く使われている3次曲線/曲面形式)を生成する機能を追加。