1つの技術を、特許権を駆使して守る仕事
入社を決めたきっかけは“知財担当者”の仕事に就くチャンスをいただけたこと。それでも迷いのあった私の背中を押したのは、“人”でした。就職活動の中で出会った社員は数人で、時間も限られていたので直感に近かったと思いますが、その直感は間違っていなかったと仕事で新しい人と出会うたびに実感します。現在は主にプロダクションプリンティング(PP)の光学系、プロジェクタの光学系に関する知財業務(出願、権利化など)を担当。1つの技術を、1件の特許権だけで保護することは難しいため、戦略的な出願・権利化活動を行い、多数の特許権からなる特許群を形成することもあります。私たち自身がモノをつくるわけでもなければ、お客さまへモノを届けるわけでもありませんが、新製品を発売するまでには何種類もの知財活動が必要です。そういう意味では、知財担当の仕事は、ある製品に価値を生み出したり、ある製品による変革を支えたりする「黒子」と言えると思います。
取得した特許権により、さらなる利益を生み出す
いまだに実務面で成長を感じられる点が、この仕事のやりがいです。2,3年前の自分の仕事に対してさえ、「今の自分なら」と思うことも多く、積み重ねてきたことが確実にスキルアップにつながっていると実感しています。中でも大きなステップは、入社3~4年目に担当した超短焦点プロジェクタの発売を通した経験でした。リコーにとって新規事業分野であったうえ、リリースする製品は今までにない形状の縦置き型のプロジェクタ。私にとっても新しい担当技術だったこともあり、プロジェクタに関する本や各社の出願を読み込み、技術的な知識、先行技術に関する知識を一から身につける必要がありました。さらに、限られた時間の中で、プロジェクタ事業参入に必要な知財活動を進めることも求められ、発売直前はとにかく大変でした。しかし、無事に発売できたことでその苦労も達成感に。この製品が使われている街中のサイネージを見に行ったりもしました。今後は、取得した特許権をどう生かしていくか、どの技術領域に特許権を持っていると利益につながるのか、といった現在の業務の前後の視点から、特許権を扱う業務にも携わりたいと考えています。