「自分が何をしたいのか」を探り続けた
- どんな学生時代を過ごしましたか?
- 大学では生命工学を学び、大学院ではケミカルバイオロジーと呼ばれる、有機化学とバイオの融合領域に関する研究を行なっていました。
また、「将来自分が何を仕事にしたいのか」を見つけるために専攻以外にも自由選択科目の講義を受講していました。そのなかで、知的財産の講義に出会い、「技術を法律に沿って、言葉で表現する」という文理が融合した点に興味を持ちました。そこで講師をされていた弁理士の先生にお話をうかがったり、資格の勉強をするなかで、知的財産に対する理解を深めていきました。 - リコーに入社しようと思った決め手は何ですか?
- 就活の時期になり、「知的財産職での採用を行なっている会社」を軸に企業を探しました。リコーでは採用方法に総合採用だけでなくジョブマッチ方式(職種ごとに採用を行なう選考)も採用していて、新卒から知的財産業務に携わることが可能だったので、そこで興味を持ちました。ほかにも知的財産職での専門職採用を行っている会社はありましたが、リコーはプリンターなどの機械分野、トナーやインクなどの化学分野、さらにはバイオなどの多岐にわたる研究をしているので、さまざまな分野の技術に触れられると思い、入社を決めました。
客観的な視点から、技術の革新性を見出す
- 普段の仕事内容を教えてください。
- 主に知的財産のなかでも、「特許」の出願から権利化までを行なっています。
出願では、技術者の頭のなかにある発明の種を言語化し、書面(明細書)にまとめるのが仕事です。特許とするためには新規性(新しいこと)と進歩性(簡単には思いつかないこと)を満たす必要があります。私たち知財担当は、技術者と相談しながら、どのように発明の新規性や進歩性を主張するのかを考えて、明細書の構成に落とし込んでいきます。
権利化業務は、出願した発明を特許として特許庁に認めてもらうための仕事です。特許出願の多くは、特許庁より「この技術は新規性及び / または進歩性の点で特許にできません」という拒絶理由を指摘され、企業には応答の機会が与えられます。そこで、指摘事項が解消できるように権利範囲を調整したり、ときには特許庁からの指摘事項が妥当ではないと受け答えをしたりすることで、リコーの事業に貢献できるような発明の権利化(特許化)を行っています。 - 仕事をするうえで心がけていることは?
-
「技術の本質を追求する」こと。そのために「技術者と密にコミュニケーションを行う」「当たり前を当たり前と思わない」ことを心がけています。
技術者の頭のなかにある技術は、どこが新しくて優れているのか、といった客観的な視点が抜けている場合があります。私は知財担当として、第三者からの視点で、ときには当たり前にも思える質問を投げかけていきます。そうすることで、どこが新しいのか、何が優れているのかといった、彼らが思ってもいなかった「技術の本質」を見いだせるように心がけています。
- 仕事をとおして、お客さまにどんな価値を提供したいですか?
- 発明を「価値が高い特許」として、権利化することだと考えています。「価値が高い特許」とは、他社牽制となることで自社のビジネスを成功に導けるようなものや、ライセンス収入、特許売却につながるものです。そのために、つねに自社・他社のビジネスやライセンスの状況を踏まえ、どのような権利範囲の特許が必要なのかをしっかりと把握し、そのニーズに応えられるよう心がけています。
社員の個性に合わせた柔軟な働き方がパフォーマンスを上げる
- リコーのいちばんの魅力を教えてください。
- 社員が優しいところだと思います。知財担当にとって、技術者とのコミュニーションは必要不可欠であり、最も重要です。私がこれまで接してきたリコー社員は、打ち合わせを重ねても嫌な顔ひとつせず、簡単な質問にも丁寧に回答してくれるので、知財担当として非常に働きやすいと感じています。
- リコーならではの強みはどこにあると思いますか?
- 社員それぞれに合わせた柔軟な働き方ができる点です。私は、出社して業務を行なうよりも、在宅で業務をしたほうが仕事の効率が上がり、より能力を発揮できるタイプです。一方で、出社したほうが効率の良い社員ももちろんいます。それぞれに適した働き方が選択できるので、個人のパフォーマンスが最大限発揮されますし、結果として、リコーの強みになっていると思います。
- 就職活動中の方へメッセージをお願いします!
- 私は就職活動中に、さまざまな企業の説明会で出会った知財志望の就活生たちとLINEグループをつくって友達の輪を広げたり、企業研究や説明会をとおして、「世の中にはこんなものやサービスを提供している会社があるんだな」「この会社とこの会社ってこういう風に繋がっていたんだな」と知見を深めたりと、「せっかくなので楽しもう!」という気持ちで臨んでいました。いまでも就職活動は良い経験だったと思っています。 企業の人から、自社のことを丁寧に説明してもらえる機会も、就職活動が最初で最後だと思います。就活生のみなさんにも、楽しみながら、良い経験となるような就職活動をして欲しいと思います。応援しています!