Skip to main content Skip to first level navigation
Breadcrumbs

Share

Main content

お知らせ

トナー粒子の1粒ごとの帯電状態を解析

~ 印刷画像の高精細化に寄与する基盤技術を理研、東北大と共同研究 ~

2014年4月1日
株式会社リコー

株式会社リコーは、理化学研究所、東北大学との共同研究プロジェクトで、電子写真方式の複合機/プリンターに用いるトナーを検証対象として、電子線ホログラフィーによる微小絶縁体粒子(トナー粒子の1粒ごと)における帯電分布の解析に成功しました。

インクジェット方式と並んで、複合機/プリンター方式の印刷方式の主流である電子写真方式では、静電気を帯びて帯電したトナーに作用する静電気力を利用して画像を形成しています。そのため、高画質化を実現するためには、トナーの帯電特性やその帯電分布把握といった帯電メカニズムの解明が重要になります。

しかしながら、帯電したトナー粒子一つひとつの帯電量を正確に直接計測することは技術的に極めて難しく、現状では多数の粒子に対して計測した平均値の情報を基にして、画像形成プロセスの設計や制御を行っています。帯電した1粒のトナー粒子の電位計測を高精度に行うには、電磁場を定量的に解析できる電子線ホログラフィーが有効な手法のひとつです。しかし、測定対象が複合機/プリンターに使われるトナーのような絶縁体の場合には、測定に不可欠な電子線そのものが、測定対象の帯電に影響を及ぼしてしまうため、観測したい対象物本来の帯電に由来する電位を高精度に測定することの妨げになっていました。

本研究では電子線を分離して照射する方法と、対象物であるトナーに対して電子線が直接当たらないように、マスクを用いて電子線を遮蔽する技術を組み合わせることで、絶縁体であるトナー粒子の測定が可能となりました。リコーは、この微小絶縁体粒子の帯電電位の測定において、検証用のモデルトナーを作製し、それらを提供することで、実環境を想定した実験データの収集と解析を可能とし、帯電状態の解析に大きく貢献しました。この研究成果は、リコーにとっても複合機/プリンター機器内でのトナー粒子の挙動解析に向けて極めて有効な知見を得ることとなりました。

リコーは、すでに2005年から東北大学とトナーの帯電についての共同研究を開始し、これまで学会発表なども行ってきました。2013年度からは、国の科学技術政策の下に展開されている最先端研究支援プログラム(FIRST)「原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡の開発とその応用」(中心研究者:故外村彰日立製作所フェロー、中心研究者代行:長我部信行日立中央研究所所長、支援担当機関:(独)科学技術振興機構)の事業の一環で行われました。また、「物質・デバイス領域共同研究拠点、物質創製開発研究領域(東北大学)」の支援を受けました。

本研究成果は米国の科学雑誌「Applied Physics Letters」オンライン版(3月31日付け:日本時間4月1日)に掲載されます。

私たちは2014年度においても、理化学研究所の上記共同研究拠点に引き続き参加し、主力事業である画像機器のさらなる高画質化プロセスの解明に本研究成果を活かしていきます。


| リコーグループについて |

リコーグループは、オフィス向け画像機器、プロダクションプリントソリューションズ、ドキュメントマネジメントシステム、ITサービスなどを世界約200の国と地域で提供するグローバル企業です(2014年3月期リコーグループ連結売上は2兆1,956億円・国際会計基準)。
人と情報のかかわりの中で新しい価値を生む製品、ソリューション、サービスを中心に、デジタルカメラや産業用の製品など、幅広い分野で事業を展開しています。高い技術力に加え、際立った顧客サービスや持続可能社会の実現への積極的な取り組みが、お客様から高い評価をいただいています。
想像力の結集で、変革を生み出す。リコーグループは、これからも「imagine. change.」でお客様に新しい価値を提供していきます。
より詳しい情報は、下記をご覧ください。
http://jp.ricoh.com/

このページの内容は発表時のものです。
既に販売終了になっている商品や、内容が異なっている場合があります。