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2020年8月

ワールド UNBUILT TAKEO KIKUCHI様×リコー 対談

働くことをもっと楽しく、もっと自由に。
クリエイティブなワーク&ライフスタイルを発信

#インタビュー

#共創事例

今、そしてこれからの時代、働くことはどう変わるのか?働く人・場・服に求められることは?
それぞれのフィールドで「働く」に寄り添ってきたUNBUILT TAKEO KIKUCHI様とリコーが共創。服やオフィスという枠を超えて、「自由と創造性」をテーマにしたコラボレーションが始まっています。
働くことをもっと楽しく、もっと自由に。製品、サービス、店舗、さらには自分自身の働く姿まで、あらゆる機会を通じてメッセージを発信し、人々の意識やワーク&ライフスタイルにイノベーションを起こしていくことを目指しています。

「UNBUILT TAKEO KIKUCHI SHIBUYA」にて

働く人や空間に、異なるフィールドからアプローチしてきた2社
両社が描くこれからのワーク&ライフスタイルとは?

株式会社リコー
RICOH BUSINESS INNOVATION
LOUNGE Tokyo
ゼネラルマネージャー
菊地英敏

菊地:共創につながる最初のきっかけは、リコーのデジタルサイネージを店舗に導入いただいたことでした。

江口様:リコーさんの担当者に納品してもらった際、UNBUILT TAKEO KIKUCHI(以下UNBUILT)のコンセプトをご紹介したところ、とても共感してくださって、ぜひ会ってほしい人がいる、と。それがRICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE Tokyo(以下RICOH BIL Tokyo)の菊地さんでした。

菊地:話を伺ってすぐ、何よりもUNBUILTというネーミングに共感しました。既につくられたもの=『BUIILT』を追うのではなく、新しいことを提案していく『UNBUILT』というコンセプトは、RICOH BIL Tokyoにも通じます。RICOH BIL Tokyoの印象はいかがでしたか?

野内様:服とOA機器、フィールドは異なりますが、両社ともそれぞれの分野で長い歴史をもち、今、イノベーションを起こそうとしている。その点は共通しています。私たちも新しい発想を求めてRICOH BIL Tokyoへ伺ったところ、菊地さんの熱意に触れ、こういう方がいるなら何か一緒にやってみたいと思いました。

菊地:ありがとうございます。私は、これからの服について伺った際、『自由と創造性』とおっしゃられたことがとても印象に残っています。リコーでも非常に重要なキーワードとなっているので、業界を超えて一致していることに驚きました。

武田:リモートワークが浸透し、『暮らす』と『働く』が溶け合っていく中、リコーではこれからのワーク&ライフスタイルを考える上で、自由と創造性がキーワードだと考えています。そして溶け合うのは、住まい・職場という空間だけではなく、考え方や発想の部分でも融合が進んでいくと感じています。

株式会社ワールド
UNBUILT TAKEO KIKUCHI 屋号長
江口智貴様

江口様:それは服も同様で、ビジネスウエアとプライベートで着る服の境目がどんどん曖昧になっています。
もともとUNBUILTの発想は、服そのものというより、これからのワークスタイルが起点になっているんです。従来のビジネススーツ市場は飽和しており、若い世代の中にはスーツスタイルを好まれない方もいます。さらに、働き方の多様化に加え、AIをはじめとする技術革新によって仕事の在り方自体が変わりつつある。こうした中で、『働く』に求められることを追求していくと、クリエイティブで能動的な発想ではないか、と。そこから『自由と創造性』というキーワードが生まれました。

武田:服という領域を超えて、社会の変化を柔軟にキャッチアップされているのですね。リコーもまさに変革の必要性と対峙しているところです。これまでは、いかに生産性を上げるかが焦点となっていましたが、生産性向上にも限界があります。さらにリモートワークが浸透すれば、オフィスへ出勤しないことが前提となるかもしれない。これからの『働く』を見据えてアプローチしていく必要があります。

菊地:オフィスへの出勤もそうですが、新型コロナウイルスの影響により、当たり前が通用しない時が来たと強く感じています。社内の常識の外側にフォーカスを当てる、ルールの外側に正解がある、そういう意識で共創を進めています。
リコーが100周年を迎える2036年はどんな世界になっているのか。人々がより創造的な働き方をする未来を見据え、100周年へのビジョンとして“はたらく”に歓びを、というメッセージを掲げています。

株式会社ワールド
UNBUILT TAKEO KIKUCHI PR
野内政史様

野内様:UNBUILTも、これまでの概念にとらわれずこれからの時代の働く人々を応援したい、という考えがベースにあり、そのためのツールが服、ということです。
UNBUILTが掲げる『ぼくらの時代の生きかたで。』の背景には『楽しく自由に働く世界を広めていきたい』という想いが込められています。リコーさんと方法は違いますが『働く人』にフォーカスをあて、そこに歓びや楽しさ、自由を届けていこうというゴールは同じということですね。

自由でクリエイティブな発想を社内外へ発信
リコーブラックラムズとのコラボレーション

株式会社リコー
知的財産本部
総合デザインセンターイノベーション&エクスペリエンスデザイン室
イノベーショングループ
デザイナー
武田修一

菊地:共創のスタートと同時に、私自身に大きな気付きがありました。江口さんに『自由と創造性とは縁遠い服ですね』とご指摘いただいたんです。言われみれば、確かにそのとおりだ、と。いつもタイドアップしたスーツに磨き上げた革靴というスタイルでゲストをお迎えしていました。プレゼンにはスーツ、革靴というルールに無意識のうちに縛られていたんですね。これで自由と創造性を語っても説得力がない。早速、UNBUILTでオーダーさせていただきました。

武田:私もセットアップをご提案いただきました。リコーに入社して、仕事で服を提案してもらい服について語ることになるとは、まったく想像してなかったですね。自分自身の意識改革です。菊地とは反対に、普段はもっとカジュアルな服が多いので、UNBUILTの服を着ると、気持ちが引き締まります。

江口様:正直なところ、ご提案するのに勇気が要りました。でも、UNBUILTのターゲットは、主体的に考え働くクリエイティブワーカー、まさに菊地さんや武田さんのような方々なんです。だからこそ『自由と創造性』の発信者になっていただきたいと思いました。

菊地:『自由と創造性』を発信する、ということで思いついたのがリコーの社会人ラグビーチーム『リコーブラックラムズ』です。多くの選手が仕事とラグビーを両立し、多様な働き方と企業価値を発信しています。そんな彼らこそ、社内外への影響力を考えても発信者に一番ふさわしい存在ではないか、と。そこでブラックラムズのメンバーに、オフィシャルスーツとしてUNBUILTを着てほしいと考えました。

UNBUILTが手掛けたリコーブラックラムズのオフィシャルスーツ。選手の多様な体型に合わせてパターンオーダーで製作。スタイリッシュでありながら快適な着心地を実現。

野内様:菊地さんからブラックラムズの話を聞き、こちらとしてもぜひ作らせて欲しいと思いました。仕事で、ラグビーで戦う選手をUNBUILTの服で応援する。これまでにない新しい切り口に共感しました。
体格の大きなラグビー選手の服をつくるのは大変な部分もありましたが、貴重な体験になりました。

武田:ブラックラムズに続く第二弾、第三弾の共創を実現していくため、ワークショップも開催させていただきました。リコーの総合デザインセンターでは、デザイン思考でニーズや課題を掘り起こし、新規事業につなげていくプログラムを社内外で展開しています。今回は、ワークスタイルとライフスタイルの境界線でできることをテーマに、両社から集まった約10名にディスカッションをしてもらいました。リコーが服について語るとは、これまでにない試みですから、どんなアイディアが生まれるのだろうと、企画している段階からすごく楽しみでしたね。

野内様:社内やアパレル業界の方とディスカッションすることはあっても、業界を超えてこれからの服について話す機会はほとんどなかったので新鮮でした。例えば服の概念についても、そういう視点もあるのか、と。いろいろな気付きがありました。
新鮮な意見に触れて考え方の幅が広がりましたし、何よりも共創する楽しさを改めて実感しました。ワークショップを通じて自分自身が『楽しく働く』ことに、さらに一歩踏み出せたように思います。

菊地:ワークショップなどを通じて、今後の共創の方向性も見えてきました。一つは環境です。リコーではバイオマスプラスチックの技術蓄積と実用化に取り組んでいて、例えば服の包装材にも使えるかもしれません。

江口様:サステナブルな視点は、当社としても使命として認識しているところです。UNBUILTは注文いただいてからつくる無駄のない受注生産です。お客様のライフスタイル、ワークスタイルに合わせて一着一着丁寧におつくりし、丁寧にお届けする。それが、お客様の楽しく暮らす、楽しく働くにもつながっていくと思います。

働くことをもっと楽しく、もっと自由に。
アイディアを具現化し、新しいムーブメントの創造へ

野内様:アパレル業界で長く働いていますが、リコーさんとの共創により、改めて新しいことに挑戦できることが、今、とても楽しいです。こうした感覚を思いだけに留まらせず形にしていくためには、もっと突き詰める必要があるでしょう。ここからが本当の共創です。未来の希望を描くことも、それを具現化することも、一緒に取り組んでいきたいですね。

武田様:おっしゃるとおり今後はいかに具体化していくか、というフェーズとなります。ビジネスとして利益を生んでいくことが、より大きなムーブメントにつながると思います。服・デジタルサービスに加えて、何か別の要素を入れても可能性が広がりそうです。

江口様:別の要素としては、食品はいかがですか?衣=UNBUILT、住=リコーさん、そこへ食品メーカーが加われば衣食住がそろいます。衣食住チームで未来の働き方や楽しく働くことについて共創すると、もっと面白いことができるのではないかと思っています。

菊地:話すほどにいろいろなアイディアが生まれてきますね。次にどんな共創が生まれるか楽しみです。
リコーは、OA機器メーカーからの脱却、デジタルサービスを提供する会社への変貌を遂げようとしている時であり、このタイミングでワールド様と共創できることは、新たなチャレンジを誘発するもので、進化の価値を試されていると感じています。
今よりももっと「楽しそうに働く人を増やしたい」。そのゴールに向けて、両社だからこそ生まれる価値観を、これからも発信していきたいですね。

※本ページに掲載されている情報は、2020年8月現在のものです。

お客様情報

株式会社ワールド
UNBUILT TAKEO KIKUCHI様

UNBUILT TAKEO KIKUCHIは、主体的に考え行動するクリエイティブワーカーをターゲットに、カスタムオーダーのセットアップを提案するブランドです。

お客様それぞれの「自分だけの一着」のために、生地、ボタンの素材はもちろん、衿やポケットのサイズ、裏地の色・柄まで多様なバリエーションをご用意。青森県の工場で丁寧に縫製し、最短10日でお客様の元へ。丁寧なモノづくりとスピード感を両立しています。
5月にリリースした新しいコピー「ぼくらの時代の生きかたで。」には、楽しく自由に働く世界観を発信していきたいという想いが込められています。

詳しい情報は、こちらをご覧ください。
https://unbuilt.jp/

渋谷3丁目の路面店は、3面がガラス張りとなっておりオープンな印象。近隣には大手IT企業のオフィスもありクリエイターが行き交うエリアに立地。

セットアップに加えて、遊び心のあるTシャツ、雑貨なども並ぶ店内。ユニークなアイテムに惹かれて立ち寄るお客様も多い。

リコーのデジタルサイネージで情報発信。気軽にカスタムオーダーしていただける雰囲気を演出。