紙のシワを防ぎ、印刷速度と画質を大幅に向上する乾燥技術
日本特許第6720471号 発明名称「画像形成装置における乾燥装置」が、令和3年度関東地方発明表彰において、発明奨励賞を受賞しました。
連続帳票用高速フルカラーインクジェット・プリンティング・システムRICOH Pro VC70000用に開発した新乾燥技術では、高濃度画像や薄紙を利用した場合にもシワの発生を防ぎ、省スペース・省エネで印刷速度と画質を大幅に向上しています。
従来、インクジェットプリンターで印刷を行うと、紙に波打ち状のシワ(コックリング)が発生することがありました。原因は、紙がインクを吸収することによって紙が不均一に伸びてしまうためです。コックリングは高濃度の画像を出力する場合や薄紙を用いた場合に特に発生し、従来の技術で防ぐことは困難でした。
今回開発した新乾燥装置では、リコー独自の乾燥技術によって、高濃度の画像を出力する場合や薄紙を用いた場合でもコックリングの発生を防止し、さらに省スペース・省エネで印刷速度と画質を大幅に向上することが可能になりました。
従来の乾燥装置では、用紙を大径の加熱ローラーに巻き付けながら、その周りに配置した金属性の熱風ドライヤーを用いてインクの乾燥を行っていました(図2)。薄紙や高濃度の画像を印刷する場合には、大径加熱ローラー上で用紙が不均一に伸縮してコックリングが発生していました(図3)。
これに対し、新乾燥装置では、従来熱風ドライヤーを配置していたスペースに、小径の加熱ローラー、用紙を小径の加熱ローラーに密着させるための搬送ローラー、常温の風をインクに吹き付ける樹脂製のドライヤーを新規に搭載しました(図4)。
この新しい構成によって、以下を実現することができました。
本技術の特徴により、高濃度の画像を出力する場合や薄紙を用いた場合でもコックリングの発生を防止し、さらに省スペース・省エネで印刷速度と画質を大幅に向上することが可能になりました。