Skip to main content Skip to first level navigation
Breadcrumbs

Share

Main content

オフセットコート紙対応インク

前処理・後処理を必要とせずオフセットコート紙への印刷を可能にしたインク技術

連続帳票用高速フルカラーインクジェット・プリンティング・システムRICOH Pro VCシリーズ用に新たに開発したインクは、前処理・後処理を必要とせずオフセットコート紙への印刷が可能となりました。アンダーコート液、プロテクターコート液の塗布が不要なため、ランニングコスト、塗布装置導入コストを削減することが可能です。合わせて色域が大幅に拡大したことで、オフセット印刷に迫る高画質を実現しています。

背景

従来、水性インクの吸収性に乏しいオフセットコート紙に印刷を行うと、隣り合ったインクドット間の混合によるムラやざらつきが発生するため、プリント前にはインクの硬化を促進するアンダーコート液の塗布が、プリント後にはインク層保護のためのプロテクターコート液の塗布が必要でした。

これらの液を使用するオフセットコート紙への印刷は、普通紙への印刷に比べ割高となるため、普通紙同様に前処理・後処理を必要としないインクのみでの印刷が求められていました。

解決したこと

新たに開発したインクでは、アンダーコート液やプロテクターコート液の塗布が不要で、インクのみでオフセットコート紙への印刷が可能となりました。使用するサプライを削減したことでランニングコストを削減することができます。さらに、塗布装置を無くすことで装置導入コストを削減することも可能です。

加えて色域が大幅に拡大したことで、オフセット印刷に迫る高画質を実現しています。

新開発インク

従来インク

印刷画像比較(アンダーコート液の塗布なし)

技術の特徴

従来、水性インクを用いて水性インクとの親和性の低いオフセットコート紙に対して印刷すると、着弾したインク滴が紙面に濡れ広がらず、画像を形成するためには多くのインクを使用していました。

インクの濡れ性を高めることで、オフセットコート紙に対して濡れ広がることが可能となり、着弾したインク滴が大きいドットを形成するため、少量のインクでの画像形成が可能となりました。

あわせてインクの乾燥性を高めることで、インクの使用量との相乗効果で印刷画像の乾燥速度を向上させ、インクの流動性を素早く低減することが可能となりました。

これらの技術により、インクの流動性を低減させてドット間の混合を抑制し、ムラやざらつきを抑えることができました。これによりアンダーコート液の塗布が不要となりました。

従来のインクと新開発インクでの画像形成プロセス比較

さらにインクにプロテクターコート液の機能を取り込むことで、インク膜の耐久性を向上させることが可能となり、後処理で必要だったプロテクターコート液の塗布が不要となりました。

新開発インク印刷画像の断面

また顔料分散技術で乾燥時の顔料の凝集を抑制したことで発色性が向上し、広い色域を実現することで色表現性を向上することができました。

インクの発色性比較

リコーの想い

RICOH Pro VCシリーズ用インクは、商用印刷市場においてインクジェットプリンターに求められる高画質、高生産性、コストの削減を同時に実現します。これまでオフセット印刷が大半を占めていた、カタログや雑誌をはじめとした多岐に渡る高品位印刷の領域にも積極的に参入し、印刷業のお客様のご要望に応えてまいります。