トナーの大部分を占める樹脂の原材料にバイオマス資源を採用。石油資源の枯渇抑制、カーボンニュートラルによるCO2の排出量削減を可能にした環境負荷を低減する技術です。
使用済みのコピー用紙は、紙の上から印刷されたトナーを分離し(脱墨)、再生紙として再利用されていますが、脱墨されたトナーは焼却処分されたり、埋め立て廃棄されています。一度紙に印刷されたトナーを再びトナーとして再利用することは現在の技術では困難です。全世界のトナー生産量は年間20万トン以上にも上りますが、そのトナーの構成成分の約80%は樹脂です。リコーでは、トナーの環境負荷低減に取り組む活動のひとつとして、トナーの主成分であるバインダー樹脂に、植物由来樹脂を採用したバイオマス(*1)トナーの開発を進めてきました。
(*1)バイオマスとは、化石資源を除く、再生可能な生物由来の有機性資源です。
図1:トナーの成分構成
バイオマストナーは、従来のトナーに比べて石油資源の使用量を削減しており、石油資源の枯渇防止に大きく貢献することができます。また、カーボンニュートラルによって、トナーが焼却廃棄される際のCO2排出量を削減することができます。
リコーは2009年11月に、世界で初めてバイオマストナー「for E トナー」を搭載したデジタル複合機を発売しました。
(*2)リコーでは部品に含まれる植物由来樹脂の割合をバイオマス度とし、「%」で表記します。
図3:製品搭載されたリコーのバイオマストナー「for E トナー」
※ 本技術はimagio MP 6002GP(2012年発売)用の、imagio MP Pトナー 6001 for E、imagio MP スポットトナー 6001 for Eに採用されています。なおimagio MP 6002GPは2016年7月に販売を終了しています。
リコーテクニカルレポート
関連技術