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お知らせ

2022年度計測自動制御学会賞「技術賞」を受賞

~転移学習をトナー生産プラントでのDXに活用~

2022年9月9日
株式会社リコー

株式会社リコー(以下リコー)は、2022年9月8日に公益社団法人計測自動制御学会の2022年度計測自動制御学会賞において、「技術賞」を受賞しました。

「技術賞」は、技術および産業の分野において、新しい方式、デバイス、製品、設備等を創案、または実施することによって顕著な効果をもたらした技術的業績に対して、それぞれを実現した個人または団体に贈られるものです。リコーはトナー*1生産プラントのDX化を進めるなかで、機械学習のひとつである転移学習*2を用いたPxPトナー(ケミカルトナー)*3の品質制御に、京都大学の加納学氏と株式会社明和eテックの佐藤敏明氏に技術指導いただき共同で取り組みました。今回、このトナーの品質制御技術が「技術賞」の対象となりました。

トナー生産では、従来、熟練技術者による生産プロセスやトナー品質の監視および、手動による品質制御作業を行ってきました。この品質制御作業を、機械学習を活用した品質自動制御技術で代替し、技術者の工数削減や品質・生産能力の向上、省人・省エネ化を実現しました。しかし、生産設備や原材料などの変更のたびに機械学習モデルの再構築を行うため、品質自動制御を停止せざるを得ない課題がありました。そこで、新たな転移学習法*4を開発して運用した結果、品質自動制御の停止期間を75%以上削減しました。極少数の工場データでの運用を可能としたことは、品質自動制御技術の活用領域を大きく拡大させました。

リコーは生産現場のDX化に取り組んできたことが評価され、DX銘柄*52022に選定されました。リコーは今後もデジタル技術の活用により、現場やオフィスの生産性と働き方を変革し、お客様への価値提供を続けてまいります。

*1
複合機やプリンターで印字するための粉。電気的潜在画像を作り、その像にトナーを付着させることで印字します。
*2
AI(人工知能)の応用分野である機械学習の一種。あるタスクの精度を向上させるために、そのタスクで得られる知識のほかにそのタスクに類似した別のタスクの知識も活用する方法。
*3
リコーのPxPトナー(ケミカルトナー)は、樹脂と複数の機能性材料で構成されており、複雑な化学反応によって生成しています。数ミクロンの粒子に帯電特性や熱特性などさまざまな機能が求められます。
*4
原材料や設備等の変更直後で少数ロットのデータしか得られない状態であっても、変更前のデータを活用することで高性能な品質予測モデルを構築するために、製造現場の技術者でも容易に実装できる転移学習法。
*5
経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄」。
社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

| リコーグループについて |

リコーグループは、お客様のデジタル変革を支援し、そのビジネスを成功に導くデジタルサービス、印刷および画像ソリューションなどを世界約200の国と地域で提供しています(2022年3月期グループ連結売上高1兆7,585億円)。
imagine. change. 創業以来85年以上にわたり、お客様の“はたらく”に寄り添ってきた私たちは、これからもリーディングカンパニーとして、“はたらく”の未来を想像し、ワークプレイスの変革を通じて、人々の生活の質の向上、さらには持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
詳しい情報は、こちらをご覧ください。
https://jp.ricoh.com/

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