株主の皆様へ当社の事業内容や企業活動のご理解を深めていただくことを目的に、株主様向けオンライン説明会を実施しています。
単元100株以上の株主様(基準日:2024年9月末)
12月初旬に発送するRICOH REPORT(冬号)の中でご案内します。
※応募者数が多い場合は抽選となることがあります。
開催日:2024年1月
ご参加人数:約50名
開催時間:1時間15分
リコーの生産を担うリコーインダストリー株式会社 東北事業所から、生産現場のライブ中継を交えながらリコーの生産活動・取り組みをご紹介する株主様向け企画 オンライン生産事業所見学会を実施しました。
生産現場においても、デジタルを使いこなし生産性・効率性、競争力の向上を実現するとともに、それを支える従業員の働きやすさも実現しています。DXにより進化したリコーの生産現場力の強さと、デジタルサービスの会社としての具体的な取り組みをご説明しました。見学会の様子は以下をご覧ください。
1967年、リコーの創業者市村清が、東北で集団就職の列車で別れを惜しむ親子を見たことをきっかけに、東北に雇用を生み出したいとの思いから設立。以降、他拠点やパートナーとも連携し、長きに亘り改善活動に取り組み続けてきたことが現在のDX化の各種取り組みの礎となっています。
改善活動で培われたチームワークや現場力は、有事の際にも活かされ、東日本大震災の際も、早期の復旧を実現しました。
東北事業所では、印刷業を営むプロフェッショナルなお客様に向けた高画質・高機能な大型複合機の組み立て生産、キーパーツ生産、トナー生産を行っています。
リコーインダストリー株式会社 東北事業所
東北事業所で生産している RICOH Pro C9500
リコーは、OAメーカーからデジタルサービスの会社への変革を目指しています。お客様へのソリューションのご提案に向け、生産機能においても、積極的にデジタルの活用を実践しています。
株主様向け企画では、リコーインダストリー株式会社 東北事業所が目指す「デジタルサービスの会社」
へ向けた取り組みを各現場からご紹介しました。
生産現場において、デジタル化を目的にするのではなく、デジタル化を通じて実現したいことを明確にし日々邁進しています。生産のありたい姿「生産のリコーウェイ(高品質の製品・サービスを提供する世界一のものづくり企業)」を掲げ、その中から品質、コスト、納期を切り口に、対象領域・業務を体系的に整理。
そのうえで、具体的な共通モデル業務を設定し「データを取る・ためる・使う」を整備しています。
株主様向け企画では、デジタルの活用として取り組みが進んでいる
について、実際の組み立てライン現場からライブ中継を交え詳しくご紹介しました。
複合機は8000点を超える膨大な数の部品からできており、それらの部品の中でも、複合機の品質や、機能、コストに対する寄与度が特に高い部品をキーパーツとしています。
これらのキーパーツは、生産の難易度が高く、他社に対しても提供することができ、競争力も高いため、中長期的な戦略的ポートフォリオを描きパーツの見極めを行っています。株主様向け企画では、複合機の中で、トナーを溶かして紙に定着させる機能に欠かせないキーパーツ「ニッケル電鋳基材 定着ベルト/スリープ」の生産をご紹介。リコーの高い技術を実現した製品と、その生産ラインを現場からのライブ中継を交え詳しくご説明しました。
複合機やプリンターに使用される重合トナーは、日本(沼津事業所と、東北事業所)で生産したトナーを輸出し、グローバルの各地の消費地に近いトナーの充填工場にてトナーカートリッジへ充填しています。
東北事業所のトナー工場棟はおよそ8階建てのビルに相当し、工場棟の近隣には発電機や排水処理などのインフラゾーンも配備しています。
これまで、トナー生産は品質管理や制御を熟練技術者に依存していたことで、膨大な工場データの確認・監視の負担が課題となっていました。そこで、現場を熟知している生産技術者が、AI、ITの知識・技術を自ら習得。AIツールを開発し、保守・運用しています。
AI導入後は管理工数削減、品質安定化、人員効率化を実現し、従来の半分の人員で工場稼働が可能になりました。
これまでの課題
AI(人口知能)工場の
自動制御システム
導入の効果
AI導入と活用により、現場で働くメンバーの働き方変革も進み、生産現場でもリモートワークの実現が可能になりました。
また監視しながら異常が何もない時間はリスキリング(学びの時間)にあてるなど、時間の有効活用も進んでおり、今後のさらなる進化に向け邁進しています。
生産現場で最も重視または目標としていることは何ですか?
安全はすべてに優先します。高品質、KAIZEN活動からコストダウン、如何なる事情においてもお客様への納期を順守することを重視し取り組んでいます。
環境面(地球環境への負荷)に対してはどのように取り組んでいますか?
グループとして目標を掲げ取り組んでいます。例えば東北のトナー工場では、ヒートポンプを使うことで熱を生み出し、低エネルギー化を実現しています。
生産技術ノウハウの伝承において意識して工夫されていることは何ですか?
社内にマイスター制度があり、マイスター、ジュニアマイスターを認定し、モチベーションをあげ取り組んでいます。技術伝承は、レポートに残したり、社内規定に展開したりしています。一方で脱属人化を図っており、熟練者の動きを分析しデジタルへ置き換える等の取り組みも行っています。
株主様の97%の方に内容をご理解いただき、「デジタルサービスの会社」への変革への期待度が高まった方は全体の74%におよびました。
今後も株主の皆さまへリコーグループの活動をご理解いただくための株主様向けの企画の充実に努めてまいります。