株式会社リコー(社長:桜井正光、本社:東京都港区南青山1-15-5)と三菱樹脂株式会社(社長:菅澤武彦、本社:東京都千代田区丸の内2-5-2)は、リコーのロイコ系リライタブル表示材料(製品名:CRフィルム)技術と三菱樹脂のPET-Gフィルム(製品名:ディアフィクス)技術を応用した共同開発を行い、今後需要が拡大すると予想されるICカード(接触、非接触)の市場向けに、視認性に優れた黒発色型のリライタブル表示機能付きPET-Gフィルムの商品化に世界で初めて成功しました。
ポイントカードや非接触ICカードなどに使用されているリライタブル表示フィルムは、一般にその基材としてPET素材が使用されています。しかし、PETではエンボス加工ができないため、エンボス加工が必須となるクレジットカードや銀行カード等にはリライタブル表示フィルムを全面に付与することはできませんでした。また、エンボス加工とリライタブル表示機能を共存させるために、部分的にリライタブル表示部を設けるタイプのカードでは、カード製造時に複雑な工程が必要でした。今回共同開発したフィルムは、視認性に優れた黒発色であり、全面印字も可能なため、印刷デザインの自由度が向上します。また、エンボス加工が可能なPET-Gを素材として使用しており、このフィルムを使用することにより、色々な用途にリライタブル表示機能を付与したICカードの商品化が可能となります。さらに、環境対応型のカード基材として需要が伸びているPET-Gと同じ素材を使用しているため、カード製造時の加工コスト低減やソリ発生の防止にも効果が有ります。
今回の共同開発では、視認性と信頼性を大幅に向上させたリコーのロイコ系黒発色リライタブル表示材料と、三菱樹脂のPET-Gフィルム加工技術を組み合わせ、PET-Gフィルムに特殊なバリア層を設けることによってロイコ系記録材料の直接塗工を可能にする技術を開発しました。
尚、開発したリライタブル表示機能付きPET-Gフィルムは、三菱樹脂が製造を担当し、販売はリコーが行います。販売計画は、当初3年間においてカード枚数換算で約1億枚を予定しております。