セキュリティカメラの普及により、監視、見守りなど多くの動画が記録されるようになり、安全性の向上につながっています。
ただ、動画の情報量も時間や数ともに急速に増え、その中から注意するべきシーンを見つけ出すのは人の目だけでは難しくなってきています。
リコーは、動画の中から普段と違うモノや動きを見つけ出し、検知する技術を開発しました。
扇風機の動きは異常と検知されず、部屋に入ってきた人や、置き忘れられたパソコンだけが異常として検知されます。
寝る、起きる、寝返りなどの動きは異常と検知されず、寝る姿勢の違い、ベッドからの落下など、いつもと違う動きのみが異常として検知されます。
近年、機械学習(Machine learning)などを使って、機械自体が学習機能を持つ人工知能(AI:artificial intelligence)の研究開発が盛んになってきています。
一般的に、人工知能に学習させるためには、検知するべき全ての異常状態を準備する必要があります。
けれども、セキュリティカメラに映る映像のほとんどは平常時のもので、さらに、すべての異常な状態を事前に予測するのは困難でした。
この方法では、学習に平常時の映像だけを利用します。
すると、そこから外れたシーン(モノが増える・減る、平常時と違う動き)を全て異常として判定することが出来るため、未知の様々な異常の検出が可能となります。
この方法であれば、平常時の映像が全て「異常なし」のサンプル画像となるため、簡単に大量の平常状態の映像が取得できます。
今後もリコーの持つ技術資産を活かし、周りの状況をより正確に捉えてフィードバックできるシステムを研究していきます。
本技術の分類:分野別「AI(人工知能)」