2022年4月1日、本技術を採用した「RICOH FC-LDA Printer 500」が一般社団法人レーザー学会の2022年度 第14回レーザー学会産業賞において奨励賞を受賞しました。高速生産ラインへの導入を実現し、食品や製品のトレーサビリティへの展開が期待されていること、今後は高出力LDを多チャンネルに独立・高速精密制御できることからレーザー溶接への応用やLIFT(Laser-Induced Forward Transfer)への応用が期待されることが評価され、受賞に至りました。
商品のラベルやパッケージに印字するべき情報はさまざまですが、商品情報などの共通情報だけでなく、製品のトレーサビリティ管理のための2次元バーコード(QRコードなど)やシリアルナンバー、多言語対応など、商品ごとに個別の情報を印字したいというニーズが高まっています。
大量生産される商品への情報の印刷は、同一の内容であれば高速印字が可能ですが、個別に異なる情報を印字したい場合は、印字装置の速度が間に合いません。そこで、他の紙やシールなどのメディアを使ってコストをかけて対応したり、多言語対応のために必要な情報を全て盛り込むことで文字が小さくなり、可読性に影響を与えてしまったりしていました。
リコーは、世界最速*で可変画像印字が可能なレーザーマーカーを開発しました。大量生産ラインの速度に匹敵する最大毎分300mで高速搬送されているロール to ロールのフィルムに対して、個別に異なる画像の印字が可能で、さまざまな生産ラインでの活用が期待されます。
棚卸・トレーサビリティ管理支援
キャンペーンの可変情報印刷
箱などのパッケージへの多言語印刷
レーザー照射により黒発色・白発色するサーマルメディア印字の例(白発色は研究開発段階)
高速印字を実現するため、192個のレーザー光源の高速独立変調駆動が可能な高出力レーザーマーカーを開発しました。
世界最高出力*の2000Wレーザーマーカー
10万分の1秒ほどの短時間照射で熱反応を起こして、高速にサーマル印字が可能。
192chレーザーアレイを80kHzで独立変調
チャンネルごとに最高毎秒8万回変調制御するレーザードライバーを独自に開発し、高速・高精細な印字を実現。
ほぼ無色透明なサーマルメディア層
分散技術や高耐性発色技術を生かしてサーマルインクを開発。これをコーティングすることで、ラベル、袋、箱などさまざまなものをメディア化し、レーザー印字が可能に。
透明サーマルメディア層への印字のイメージ
これらの高出力、高速、高精細な特長を生かして、さまざまな応用に向けて開発を進めていきます。
印刷紙へのレーザーマーキング
サーマルインクの保存性が課題になるアプリケーション(薬包箱等)向けに、レーザーでインクを焼き飛ばすことで印字が可能。
レーザーによる焼き飛ばし印字の例(黒い部分を残すようレーザーを照射)
レーザー加工機
レーザーパワーの高精度制御を応用した接着剤レスの樹脂溶着
高速変調技術を応用したビーム形状制御・高精度ドット位置制御により板金の溶接・切断や3Dプリンタの品質向上ができる。
樹脂溶着
レーザー溶接
リコーのサーマルメディアは世界で高い評価を得て、さまざまなシーンで利用されています。また、MFPの書き込みなどで、長年レーザービーム制御技術を培ってきました。これらの技術を組み合わせ、サーマル印字をさらに高速・高精細にするレーザーシステムを開発しました。これらの特長を生かして利用シーンを広げ、必要なものを必要な時に届けるオンデマンドプリンティングによる課題解決に貢献していきます。