磯光雄×OFFICE DEVICE
プロローグ
アニメーションの方角から2036年を妄想してみた:磯光雄
November 11, 2014
アニメーター/脚本家の磯光雄さんが想像する、2036年のオフィスデバイスの未来を全7回(エッセイ4本+対談記事3本)にわたってお届けします。エッセイの【プロローグ】となる本記事は、磯さんと関わりの深い「アニメ」という切り口で、未来の想像を膨らましてもらいました。
そもそもアニメってなんだっけ
すでにARやBMIといったハードの進化はほかの方が取りあげてしまったので、私の職業のひとつであるアニメーションの方角から、2036年の仕事環境をちょっとマンガ的に妄想してみようかと思います。
最近は萌えばかりになってしまった日本のアニメーションですが、本来はそのイメージだけに収まらないさまざまな側面を持っています。
アニメーションとは本来動くはずのない何かに生命を授けて動かす技術全般のことですが、そもそもは魂を意味する「アニマ」が語源で、生命を持たない何かに生命を与えるという意味です。アニミズム、アニマルも類語で、生命力、動くもの、変化する、という意味にも通じます。
アニメが本来子ども向けなのも、純粋な好奇心が「動くもの」「変化するもの」に惹きつけられるということかもしれません。ビジネスの世界でも、特に消費者が主役の分野では、変化するものの方が有利なのではないでしょうか。
2036年の仕事場でも、引き続き変化が重要な要素であり続けることでしょう。そんな需要に答える解答がもしかして二次元の世界、アニメーションにあるかもしれません。
アニメ由来の発想で異次元オフィスを妄想してみる
アニメ・マンガというとあくまでエンタテイメントと受け取られ、実用性優先の時代にはあまり評価されてこなかった部分もありますが、フィクションという側面も含め、実は人間の「心理」や「脳科学」に結びつく意義深い要素が潜んでいるのです。
2036年の仕事場なら、こうした異次元な情報ツールとそれを使いこなすネィティブ世代が登場して、働き方に革命を起こしているのではないか。今回は二次元の方角からやってきたツールを3種類ほど(実はもっとありましたが入りきらないので割愛)、特に働く人の脳を活性化するツールをゆるめに妄想してみようかと思います。