• ホーム
  • お知らせ
  • 2021年のお知らせ
  • エリクサジェン・サイエンティフィックがリコーと共同開発したヒト神経薬効・毒性評価プレート「Quick-Neuron™ Plate - MEA 48」を本日発売
Main content

お知らせ

エリクサジェン・サイエンティフィックがリコーと共同開発したヒト神経薬効・毒性評価プレート「Quick-Neuron™ Plate - MEA 48」を本日発売

~受取後すぐに薬剤応答試験を開始でき、新薬開発のコスト低減と開発期間短縮に貢献~

2021年5月10日
株式会社リコー

株式会社リコーが出資するエリクサジェン・サイエンティフィック(米国メリーランド州ボルチモア)は、リコーと共同開発した神経疾患の薬剤評価に使えるヒト神経薬効・毒性評価プレート「Quick-Neuron™ Plate - MEA 48」を、製薬企業や研究機関向けに本日から日本国内で発売します。

このヒト神経薬効・毒性評価プレートは、多点電極の内蔵されたプレート上に、エリクサジェン・サイエンティフィックの分化誘導技術「Quick-Tissue™ 技術」により作製したiPS細胞由来のヒト神経細胞を播種*1・成熟し、リコーがバイオ3Dプリンターで培った細胞接着コーティング技術で電極への接着性を向上させたものです。これにより、ユーザーは細胞の培養などを行うことなく、本製品を受取後すぐに薬剤応答評価に使用することができます。新薬開発における候補薬の効果や毒性の確認を素早く行うことができるため、開発期間の短縮とコスト低減に貢献します。

商品イメージ:(左)ヒト神経薬効・毒性評価プレート「Quick-Neuron™ Plate - MEA 48」(右上)電極拡大図と播種された神経細胞(右下)神経細胞の活動を検出した電気信号

製品名 Quick-Neuron™ Plate - MEA 48
説明 ヒトiPS細胞由来神経細胞とヒトアストロサイト*2をMEAプレート上で共培養済みの「ヒト神経薬効・毒性評価プレート」
型番 EXPA-MEA-M48
主な仕様
  • 細胞:ヒトiPS細胞由来 興奮性神経細胞*3、ヒトアストロサイト
  • MEAプレート:Axion BioSystems社 CytoView MEA48
  • 所定期間培養による神経成熟化済み
  • 80%以上のウェルで5Hz以上の神経発火*4
希望販売価格(税込) 660,000円/プレート
ヒトアストロサイトについてはお客様からのご提供をお願いしております。
本製品は研究用試薬です。

新薬開発における大きな問題は開発コストの増大です。特にヒトを対象とする臨床試験フェーズになった段階で開発中の薬剤の毒性が明らかになると、それまでの開発コストが無駄になってしまいます。臨床試験前のフェーズで毒性評価の確度を向上することは、開発期間の短縮やコスト低減につながるため、非常に重要な課題です。一般的な毒性評価には動物実験が行われていますが、ヒトと動物の種による違いのため、正しい結果を得られるとは限りません。このため、ヒトの細胞をプレートのウェル(くぼみ)に播種し、そこに候補薬を加えて薬剤の効果や毒性を確認する薬剤評価用の細胞プレートが活用されています。中でも神経疾患の候補薬は、臨床試験で明らかになった毒性を理由に開発が中止されることが多いため、ヒトiPS細胞由来の神経細胞を用いた神経毒性評価系の開発が精力的に行われています。その代表的な手法が神経細胞を電極上に播種したヒト神経薬効・毒性評価プレートを用い、その電気活動変化から薬剤に対する応答性を評価する方法です。

ヒト神経薬効・毒性評価プレートとは、MEA(Multi-Electrode Array:多点電極アレイ)プレートと呼ばれる各ウェルの底に微小電極を埋め込んだプレート上に、検査対象となる神経細胞を播種したもので、神経細胞の活動を電気信号として測定・記録可能です。このプレートをユーザー自身が作製する場合、細胞の培養ノウハウが必要、培養に失敗する場合もある、培養期間が長期に渡る、細胞の凝集や剥がれなどの問題が発生するなど、大きな手間、コスト、リスクが生じてしまいます。培養が不要ですぐに使えるヒト神経薬効・毒性評価プレートが求められていますが、品質の不安定さ、輸送する際に細胞が電極から剥がれてしまうなどの課題がありました。

新製品「Quick-Neuron™ Plate - MEA 48」は、細胞接着性を大幅に向上した輸送可能なヒト神経薬効・毒性評価プレートです。各条件の最適化により品質も安定し、国内輸送を想定した輸送試験後においても正常な細胞特性を示す結果を得ているため、受取後すぐに使える状態で輸送できるようになります。本製品は新薬開発のコスト/リスク低減に貢献することが期待されます。

現在は同一の興奮性神経細胞を用いていますが、今後はリコーのバイオプリンティング技術を用いて神経ネットワークを再現するなど、ニーズに応じたヒト神経薬効・毒性評価プレートの開発を進めていきます。

*1
播種
細胞を播くこと
*2
ヒトアストロサイト
神経細胞に栄養を与えたり、過剰なイオンや神経伝達物質を速やかに除去したりすることにより、神経細胞の生存と働きを助ける細胞
*3
ヒトiPS細胞由来興奮性神経細胞
エリクサジェン・サイエンティフィックが提供する他の神経細胞を刺激し興奮させる働きを持つ細胞
Quick-Neuron™ Excitatory
*4
神経発火
情報伝達の際に神経細胞に活動電位が生じること
社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

商品に関するお問い合わせ先

エリクサジェン・サイエンティフィック 日本支店
https://elixirgensci.com/jp/
050-5375-0509(平日9時~17時)
jp@elixirgensci.com

リコーに関するお問い合わせ先

株式会社リコー 広報室
050-3814-2806(直通)
koho@ricoh.co.jp

| リコーグループについて |

リコーグループは、オフィス向け画像機器を中心とした製品とサービス・ソリューション、プロダクションプリンティング、産業用製品、デジタルカメラなどを世界約200の国と地域で提供しています(2020年3月期リコーグループ連結売上高は2兆85億円)。
創業以来80年以上にわたり、高い技術力、際立った顧客サービスの提供と、持続可能な社会の実現にむけて積極的な取り組みを行っています。
EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES - 人々の“はたらく”をよりスマートに。リコーグループは、さまざまなワークプレイスの変革をテクノロジーとサービスのイノベーションでお客様とともに実現します。
詳しい情報は、こちらをご覧ください。
https://jp.ricoh.com/

このページの内容は発表時のものです。
既に販売終了になっている商品や、内容が異なっている場合があります。