お知らせ
株式会社リコー(社長執行役員:山下 良則)が事業実施者として参画した、総務省による「競技会場におけるICT利活用に関する実証」事業についてこのほど、総務省および公募の請負主体であるデロイト トーマツ コンサルティング合同会社から報告書が公表されましたのでお知らせします。
実証実験の様子
本事業は、総務省が「平成30年度 競技会場におけるICT利活用に関する調査研究」の一環として実施したものです。2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、各競技会場においてICT(情報通信技術)を利活用することにより、障がいを持った方、外国人来訪者等にも配慮し、音声や外国語など対象者の属性に合わせた災害情報の伝達や避難誘導を可能とする仕組みの実証・効果測定を実施し、得られた知見や課題をもとに全国への普及展開を目指しています。
リコーと、共同採択者であるエヴィクサー株式会社(代表取締役社長:瀧川 淳)、みずほ情報総研株式会社(代表取締役社長:向井 康眞)の3社は、2018年11月に、東京都調布市の味の素スタジアムおよび武蔵野の森総合スポーツプラザにおいて、健常者、外国語利用者、車いす利用者、視覚障がい・聴覚障がいを持つ方々を含む各会場約200名、合計約400名のモニターを対象に実証実験を実施しました。
実証実験では、スマートフォンなどのモバイル端末に事前に応援アプリをインストールし、場内に設置されたスピーカーやビーコン等から送出される音をモバイル端末のマイクが受信することで、平常時は競技の応援や場内ガイドとして使用し、災害発生などの非常時は多言語による避難経路等の情報を表示するなど、災害対応情報の提供を行いました。
その結果、来訪者に対して、それぞれの属性に合わせた情報を的確に伝え、円滑な避難誘導を行うことができました。さらに、位置情報を活用することで来訪者の位置に応じて、情報を出し分けることが可能となり、より的確な情報伝達等を実現しました。
武蔵野の森総合スポーツプラザで実施した実証実験後のアンケートでは、7割以上の参加者から「とても役立った」「おおむね役立った」との回答を得ました。特に、情報の取得手段や行動手段が限られる外国語利用者、聴覚障がい者、車いす利用者の方々に対して、有効な結果が得られました。
報告書は、館内放送、大型ビジョンおよび避難誘導員など競技会場の一般的な情報伝達手段の活用を前提としつつ、施設管理者において綿密な避難計画を策定し、訓練を実施することが非常に重要であるとしています。その上で、ICTを用いることによって、情報伝達に要する時間の短縮や、情報伝達可能な範囲を拡大することができ、さらに円滑な避難誘導の実現できるものと結論づけています。また、報告書は、施設管理者やイベント主催者への導入・普及拡大のためには、災害時だけでなく平時にも活用可能であることが重要であると指摘しています。
リコーは今回の実証実験の結果を受け、今後も競技・イベント会場のみならず、公共施設やオフィスビル、商業施設など多様な施設、屋内・屋外の環境において平時・非常時に使用できる情報提供サービスの確立を目指してまいります。
詳細はページ下部のリンクをご参照ください。
リコーグループは、オフィス向け画像機器を中心とした製品とサービス・ソリューション、プロダクションプリンティング、産業用製品、デジタルカメラなどを世界約200の国と地域で提供しています(2019年3月期リコーグループ連結売上は2兆132億円)。
創業以来80年以上にわたり、高い技術力、際立った顧客サービスの提供と、持続可能な社会の実現にむけて積極的な取り組みを行っています。
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