世界的にプラスチックごみが問題になっており、国が策定したプラスチック資源循環戦略の中で、「2035年までに使用済プラスチックを100%リユース・リサイクル等により、有効利用」とのマイルストーンが示され、ペットボトルにおいても循環型リサイクルによる再資源化(ボトル to ボトル)が進められています。
ペットボトルをリサイクルするためには、PET(ポリエチレンテレフタレート)というプラスチックでできている本体とPET以外のプラスチックでできているラベルを分ける必要があるため、本体からラベルを剥がさないといけません。
ラベルをなくすことができれば、ラベルを剥がす手間も、プラスチックごみもなくなりますが、ペットボトルには表記が必要な情報があるため、ラベルをなくすためにはラベル以外の方法でペットボトル本体に必要な情報を表記する必要があります。
しかし、品質の高いリサイクルを実施するために、PETボトルリサイクル推進協議会のガイドラインでは、インクなどPET以外の物質でペットボトル本体に直接印刷することは禁止されています。
レーザーを使ってペットボトルに直接小さな加工をすることで、インクなどのPET以外の付与物をつけることなく必要な情報を表現することができます。
これにより、ラベルが不要になり、ラベルごみ削減ができます。
ペットボトルを利用する消費者はラベルを剥がす手間がなくなり、分別が楽になるためリサイクル率向上が図れます。飲料品メーカーはラベルを印刷するコストが削減できるうえ、環境へ配慮した商品による環境対応が可能です。ペットボトルのリサイクル業者は分別作業者の負担および人件費軽減となります。これにより、消費者・メーカー・リサイクル業者による循環型リサイクルの促進が期待できます。
リコーはレーザーを使って、ペットボトルに加工を施すことで、文字やデザインを描く技術を開発しました。
ペットボトルのごく表面のみ(数十ミクロン)の加工にとどめることで、ペットボトルの品質に影響をあたえずに描画することが可能です。
細かい描画ができるため、成分表示などの小さな文字(約6pt)から、ロゴマークやイラストに至るまで表現できます。
描画部分がより白く見えるように光の散乱状態をコントロールすることで、視認性の高い表示が可能となります。
リコーは、全グループをあげて地球環境負荷の削減と再生能力の向上に取り組んでいます。ペットボトルのラベルレス化は飲料メーカー様等と協力を行い、循環型リサイクルの促進に貢献していきます。また、将来的にはペットボトル以外の透明樹脂製品への転用を目指し、新たな価値を提供していきます。