3つ以上の分離されたネットワークから1つの複合機を使える、SDN*・仮想ネットワーク技術応用のセキュアな通信機器
* SDN: Software Defined Networking、ソフトウェアによるネットワークの動的制御技術
本技術を複合機・プリンター向けに実装した「外付け増設インターフェースボックスタイプM37」がInterop Tokyo 2022のネットワークインフラ(エンタープライズ)部門で審査員特別賞を受賞しました。病院、自治体、金融など高いセキュリティを必要とする業種における複雑なネットワーク環境の課題を、ネットワーク機器ベンダーとは違った視点で現場の運用実態に寄り添ってリーズナブルに解決していること、IPv6での運用が可能なことなどが高く評価されました。
自治体や病院、企業などでは、業務内容や個人情報利用などのセキュリティの観点からネットワークを複数に分離することが求められています。けれども、ネットワーク毎にプリンターや複合機を準備するのは、導入・管理にかかるコストや設置スペースの点で問題がありました。
リコーは、ネットワークを分離したままで、利用する人が今までと変わりなくリコーのプリンターや複合機1台を使えるようになる、「外付け増設インターフェースボックス タイプM37」を開発しました。
外付け増設インターフェースボックス タイプM37
リコーでは、SDN・仮想ネットワーク技術を応用し、これらの課題を解決しています。
SDN・仮想ネットワーク技術は、柔軟な運用とセキュリティの確保が重要なクラウドサービスのデータセンターなどで利用されている技術で、近年の多様なクラウドサービスを実現する上で欠かせないものです。
従来のネットワークでは、機器はあらかじめ設定したルールに従って固定的な動作をしていました。ネットワークの構成や動き方を変更したい場合には、ケーブルの挿し替えや個々の機器に対する設定の変更など、多くの手間がかかりました。一方、SDN・仮想ネットワーク技術を用いると、ソフトウェアでネットワークの構成や動き方を動的に制御することができます。変更が必要になったときに、PCなどから一度に変えることができます。
これらの技術を応用し、以下を実現しました。
リコーはネットワークやセキュリティに関連した研究開発に取り組み、業界に先駆けて製品に適用してきました。
今後もネットワークに接続された機器やサービスが、お客様にとって安全で、より使いやすくなるものを創り出していきたいと考えています。
「外付け増設インターフェースボックス タイプM37」についても同様の想いで開発しました。
今後は次のようなことに取り組みたいと考えています。
SDN・仮想ネットワーク技術を用いた複数ネットワーク間のセキュアな通信に関して、以下の特許を取得しています。
(他、日米欧で40件以上のSDN・仮想ネットワーク技術に関する特許を取得済み)
*各図中のアイコンは、Material iconsとして公開されているものを、Apache license 2.0に従って利用しています。
本技術の分類:分野別「ネットワーク」「セキュリティ」|製品別「ネットワーク・セキュリティ」