オフセットコート紙対応を可能にした、
“ドットゲイン*1の小さな高精細画像”を実現するドット位置高精度化技術
高速連続用紙インクジェット・プリンティング・システムRICOH Pro VC60000は、今までのIJ(インクジェット)連帳機では印刷できなかった、水性インクの吸収性に乏しいオフセットコート紙に対しても、高速、高画質の印刷を実現しました。RICOH Pro VC60000は、アンダーコーティング、印刷、プロテクターコーティング、乾燥の4つに機能分離したユニットで構成されています。
アンダーコートユニット: | インクのムラやざらつきを防ぐため、アンダーコート液を塗布 |
印刷ユニット: | 速乾性顔料インクを用紙に吐出し画像を形成 |
プロテクターユニット: | 印刷面を保護するため、プロテクターコート液を塗布 |
乾燥ユニット: | ヒーターによってインク等のサプライを乾燥定着させる |
ここでは、印刷ユニットにおける、1,200dpi デュアルプリントヘッド技術をご紹介します。
1 ドットゲインが大きいと、画像を構成するドットが太り、実際のデータ(印刷版)に比べて印刷結果(印刷物)の画像を構成するドットが太ります。
従来、ノズルを用紙幅方向に高密度配置するためIJヘッドをライン上に並べて配置(ラインヘッド化)すると、ヘッド連結部において、印刷画像上に不連続性が生じ、ムラが生じてしまうことがありました。
リコー独自のヘッド技術、バイピッチ方式の積層ピエゾアクチュエーターにより、IJヘッドの高精度かつ安定した吐出制御を可能にしました。このヘッド技術はライン化への適合性が高く、ヘッド連結部における画像の不連続性によるムラを改善しました。
バイピッチ方式の積層ピエゾアクチュエーターを搭載した自社開発のステンレスヘッドで、高粘度インクでも吐出量を高精度かつ安定して制御することが可能です。
RICOH Pro VC60000では、600dpiステンレスヘッドを2個組み合わせて、1,200dpiのプリントヘッドモジュールを構成しました。2つのプリントヘッドを、1ヘッドで形成する隣接ドット間の半分をシフトさせて1つのハウジングに組み込むことで、ワンパスで1,200dpiの印刷が実現可能なヘッドモジュールとしました。
図:1,200dpi プリントヘッドモジュール
図:1,200dpi プリントヘッド(ノズル面)のイメージ
各色のプリントヘッドステーションは、それぞれ10個の1,200dpiプリントヘッドモジュールを並べ、ラインヘッド化して構成されています。ノズルの整列方向に2インチ幅のプリントヘッドを千鳥に配置することで、20.5インチの用紙幅までの印刷に対応が可能です。
図:プリントヘッドレイアウト
リコー独自のヘッド技術と、そのヘッド技術を搭載したステンレスヘッドのラインヘッド化により、ヘッド連結部における画像ムラを改善し、高速印刷から高画質印刷まで幅広い印刷を実現しています。